ひらめき脳 (新潮新書 162)

著者 :
  • 新潮社
3.29
  • (29)
  • (86)
  • (225)
  • (17)
  • (11)
本棚登録 : 849
感想 : 90
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101625

作品紹介・あらすじ

ひらめきは一部の天才の脳だけに起こるものではない。すべての人間の脳にその種は確実に存在している。突如「Aha!」とやって来て脳に認識の嵐を巻き起こす、ひらめきの不思議な正体に、最新の脳科学の知見を用いて迫る。ひらめきの脳内メカニズム、ひらめきを生み易い環境、「ど忘れ」とひらめきの類似、感情や学習との関係は?創造の瞬間を生かすも殺すもあなた次第。不確実性に満ちた世界をより豊かに生きるために、ひらめきをこの手でつかみ取ろう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本は、脳の仕組みが説明されていて・・わかりやすかった。
    的が絞ってあるのがよかったのかもしれない・・・

    『ひらめく』のは、なぜか?

    記憶を呼び戻すという行為とひらめきがにている・・
    前頭葉と側頭葉のリレーによって、記憶が呼び戻される。

    『大脳皮質の前頭葉というのは、「私」という自我の中枢です。
    その「私」の中心が、側頭葉に対して、
    「これに関する記憶をよみがえらせてくれ」
    とリクエストしている。』70p

    『ひらめきや創造性は、記憶の働きから生まれる可能性が高い。
    記憶というのは、覚えたことをただ再現するのではなく、
    編集されていく。
    この編集する力こそが、ひらめきを生む原動力につながる』

    この記憶が編集されるというのが、
    人間の脳の一番重要な働きかもしれない。
    記憶の編集技術が、どういうシステムでできるのか・・
    興味が深いですね。

    『編集力がないということは、つまり体験から学ぶことができない。』130p
    ということは、・・・
    編集力をなくした脳を、『サヴァン能力』という

    この脳の編集能力を十分効果的に使う方法と・・
    編集能力の差が、個人差として生まれてくるということかな。

    ペンローズはいう
    『想像することと記憶することは似ている。』

    『ひらめいた瞬間に驚いているのは、
    自我の中枢である前頭葉だけです。
    前頭葉にとっては驚きでも何でもなく、すでに知っていること』

    私の脳の中で、私という部分と私と違う部分が存在している。
    私の違う部分が、知っていても、私は知らない・・
    私は、脳の中では、分裂しているようだ。

    脳の90%は、使われていない・・・という俗説を信じていたが、
    どうも違うらしい・・アハ!

    ●追記 『脳の中の人生』より・・・
    記憶は、編集される・・ 

    『人間の脳のなかでは、記憶は一度定着されても・・・
    長い時間をかけて、編集され続けるようなのだ。
    その編集過程で、人間は世界について、
    新しい意味、新しい見方を獲得していくらしい。』

    『記憶の編集プロセスを通して、
    私たちは、自分自身の生き方について、世界のあり方について
    さまざまな新しい見方を獲得していく。』

    『中途半端』という言葉が、激しく揺れ動き・・
    そのなかで、さまざまな思いが編集される・・。
    そして、ひとつのまとまりになっていくというのは・・
    脳の編集能力なんですね。

  • 読んで良かったと素直に思えた本です。

    普段あまり意識しない、「脳」の活動についての本です。

    茂木さん自信「わかりやすさ」に腐心したとのことで、専門知識のない私でもスラスラ読めました。

    知ってて得する脳情報満載です。

    例えば、ど忘れして思い出せないときの、あの感覚は脳にとって最高の喜びなんだ、とか。

    読後、自分の脳と仲良くなれた感じがします。

  • S先生推薦図書。思考の整理学と通ずる点が多く見られた。

    側頭葉では、蓄えた情報の編集活動が常になされている。脳をリラックスさせることで、側頭葉を中心とした自分の無意識に耳を傾け、自分の潜在能力に気づくことが、ひらめきを生む。

    無からひらめきは生まれない。この一言に尽きる。

  • 何の変哲もない状態で脳の空きを埋める。

    物事の不確実性がドーパミンを誘発し,また新たな好奇心をくすぐる。
    これは生来人間が身に着けていること。

    創造力=体験×意欲

    これを忘れないように。

    「幸運とはその準備をしているものに来る」

  • <印象に残った点>
    ・不確実性が脳の報酬となるのは適切な不確実性のときのみである。
    ・セレンディピティの条件
     ① 行動
     ② 気づき
     ③ 観察
     ④ 受容
     ⑤ 理解
     ⑥ 実現

  • ひらめきは脳に良いひらめくまでにあれこれ考えることが良いこと。
    暇、退屈なとき、脳がひらめきを感じることがある。
    歩いた方がひらめきやすい
    ひらめきには自分を客観的にみること大切。

  • 人生の出来事は予測可能なものと不可能なものがある。
    その不確実性に立ち向かうためにひらめきが必要であり、今最も求められているのである。
    では、ひらめきをいかに手にするか。
    確実な方法などないが、積み重ねが無ければ生まれない事は確かだ。
    その未知への挑戦こそが脳に歓喜をもたらすのだ。
    以上のように解釈しました。
    「努力したものが全て報われるとは限らん。しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」(鴨川源二@はじめの一歩)を思い出します。
    ひらめきを内省的にアプローチした本「はじめて考えるときのように」もオススメです。

  • 有名なアハ!ピクチャーに始まり、脳の傾向と対策を解説、最後にひらめくため、そしてひらめきをモノにするための色々を説く。正本だねこれが。

  • 【生きるということは、何か起こるかわからない不確実性にいかに向きあうかということが本質なのです。】

    今までになかった視点に気がつく。
    やっぱりひらめきって気持ちいい。

  • 「ひらめく」ことの大切さ。準備が要ることがわかった。

全90件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。「クオリア」をキーワードに、脳と心の関係を探究しつづけている。1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。
著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『脳内現象』(NHK出版)『感動する脳』(PHP研究所)『ひらめき脳』(新潮社)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

茂木健一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×