- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106102134
作品紹介・あらすじ
たとえ筋力や体格で劣っていても、日本人に合ったトレーニング法と正しい身体の動かし方をマスターすれば、世界と戦える。足は「技術」で速くなる-。400mハードルでメダリストとなった"侍ハードラー"が、試行錯誤の末に到達した「走る極意」とは何か。また、大舞台で勝つための集中力の高め方、精緻に計算されたレース攻略法とは。陸上競技の見方が一変する、日本人のための知的陸上読本。
感想・レビュー・書評
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最新刊を借りたかったがまだ配本されてなかったので、この本を借りて読んでみることに。
速くなるトレーニングについては、とてもわかりやすい文章で解説してくれているのですぐにでも実践できそう。
体育の授業でも取り入れて子どもたちといっしょにやってみたいなという気持ちも高まる解説でもある。
最新刊では、引退に至った経緯についても触れられているかもしれないので、この本の続編として楽しめたらなと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
為末大という男はなんとなんと思慮深い男なのだ…。
と、これを読んで尊敬すべき人として見るようになりました。常に何事にも試行錯誤は必要で、人間は日々勉強しないとくさってしまうよ、と思わせてもらってます。
陸上をやっていたわけでは全くないんですがね!笑
さらさら読める文章なので、みなさまぜひ。-
「常に何事にも試行錯誤は必要」
単に走るだけじゃ、速くなる訳じゃないってコトですね。
まぁ私は逃げ足だけは、教えられる前から速いですよ!「常に何事にも試行錯誤は必要」
単に走るだけじゃ、速くなる訳じゃないってコトですね。
まぁ私は逃げ足だけは、教えられる前から速いですよ!2012/05/18 -
練習も必要だけど、動かすべき筋肉は意図して鍛えられるそうです(´ー`)
論理と実践でやってみよう、という楽しい新書ですのでぜひ!
そうい...練習も必要だけど、動かすべき筋肉は意図して鍛えられるそうです(´ー`)
論理と実践でやってみよう、という楽しい新書ですのでぜひ!
そういう私も逃げ足だけははやいです!笑
コメントありがとうございます('∀'*)2012/05/18 -
「動かすべき筋肉は意図して鍛えられる」
ナルホド
最近(信じられないくらい前からですが、あえて最近)、運動不足なので、理屈っぽく身体を動かし...「動かすべき筋肉は意図して鍛えられる」
ナルホド
最近(信じられないくらい前からですが、あえて最近)、運動不足なので、理屈っぽく身体を動かしてみようかな?(根性とか無いので、理屈で動くコトにします)2012/05/21
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90円購入2012-01-09
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2010/09/10
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足の速さなんて運動神経だけかと思ったけど、いろんな試行錯誤で速くなるんだと分かった。たぶん、足だけじゃなくていろんなことも工夫次第なんだと改めて思った。
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歴史を加味して最適なトレーニングを模索する。
トランポリンによる軸の体感 -
コケそうになる感じが大切
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同い年なのに、いろいろ考えてるなあ。すごい。
ずいぶん昔の本で、北京オリンピック前に出されてるんだよね。これを読んで北京での結果を調べてみたのだが・・・・・残念。
でもまあ、いい指導者になりそう。頑張ってほしい。 -
資料番号:010992717
請求記号:782.3/タ -
自慢っぽいとこが無くなるともっと成長するかな
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S782.3-シン-213 300290913
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(26) 6/20
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陸上クラブのトレメニューを考える参考にしようと積読本から取り出しましたが、やはり内容が少し古かったです。
見直しそのものは、為末式かけっこメソッドの本やDVDで勉強します。 -
速く走るための自己流の理論と陸上生活の自伝。論理的な内容というよりは、彼の経験から語るという内容だ。
陸上選手としての苦労から、欧米人と日本人の体格差を語りながら独自の練習法を考えていく。他の競技の観察から新しい走法を試してみたり、フラットのタイムを上げるために一年間ハードルを飛ばないことにしたり、プロアスリートのトライアンドエラーの現場を知る意味では楽しめた。
ただ内容としてはインタビューレベルで、内容が深いとは言えない。 -
070819
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前半は走りの理論。後半は自伝的な内容
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陸上400メートル・ハードルの為末大(ためすえ・だい)が書いた『日本人の足を速くする』(新潮新書)に感銘を受けました。
為末といえば、2001年の世界陸上(エドモントン)で47秒89の日本記録を出し、五輪・世界選手権を通じて日本人初の短距離種目の銅メダルを獲得したアスリート。2005年の世界陸上(ヘルシンキ)でも、雨中のデッドヒートで再び銅メダルを獲得しています。後半勝負が常道の400mハードルの世界にあって、170cmの小さな体で先行逃げ切り型の勝負を挑む"サムライ・ハードラー"として知られています。
壮絶なレース・プラン 10台のハードルが35m間隔で並ぶ400mを、為末は163歩で走ります。スタートから一気にトップギアに入れて1台目(45m)でトップに立ち、2台目(80m)を最高速度で越える。このスピードを維持しながら5台目(185m)までを越える。あとはいかに減速の幅を抑えるかの戦い。8台目(290m)で体内の酸素をほぼ使い果たし、9台目(325m)を跳び越えたあたりでほぼ意識がなくなり、ゴールまでは気力と体の記憶だけで走る、というのですから壮絶です。
言ってみれば、他の選手が400mのレースを走っているのに対して、私は300mのレースを走るつもりでスタートラインに立っています。とにかく300mまでをきっちりトップで走り切ること。後は野となれ山となれ、残り100mは半ば意識を失いながら、魂でしのぎ切る。それが私のスタイルなのです。(p.132)
驚きの調整法 試合前の調整方法も、門外漢の私には非常に面白く感じられました。試合を直前に控えた10日間の中で行う練習は、10日前にハードルを立てずに走る450m、5〜6日前にハードルを8台立てて走る300mの2本だけというのです。あとは本当に何もしない。競技場に行っても、ストレッチをしたり、散歩しながら他の選手の練習をながめるだけというから徹底しています。
450mを走るのは、本番と同じ負荷の距離を走り、長い距離への耐性を強めるためで、10日前に行なうのは効果が10日間くらい持続するからだそうです。ハードルを立てて300m走るのはレースの予行演習のためですが、300mしか走らないのは、本番でも8台目以降は根性だけで走るので、直前に練習しても意味がないからです。
私はオリンピックで陸上競技、とくに短距離トラック競技を見るとき、残酷だなあと感じることがあります。4年間という長い長い努力の結果が、10秒後とか20秒後に、天国と地獄を分けるような逃げ場のない明確さで突きつけられるのですから。想像するだに恐ろしい。私だったら、緊張でガチガチになって走り方すら忘れてしまうだろうと思います。ところが、為末はそこが面白いというのです。
陸上競技の難しさ、そして面白さは、アベレージではなく、一発勝負ですべてが決まる、という点にあると思います。 もし1年間の平均タイムで順位を決めるのだとしたら、私などは世界で10本の指に入れるかどうか、といったところでしょう。しかし、この日このレースの勝負ですべてが決まる、という舞台があるからこそ、さまざまな不確定要素が絡み合って、私のような選手にもメダルを狙うチャンスが出てきます。(p.137)
ハイリスク・ハイリターンで勝負する 為末は、スポーツのトレーニングには、だれもがやっていて一定の効果が約束されている「ローリスク・ローリターンのトレーニング」と、他の人はやっておらず、失敗の危険性もあるが、うまくいけば自分にとって大きな効果があるかもしれない「ハイリスク・ハイリターンのトレーニング」がある、と言います。
2005年の世界陸上の後、為末はなんと500日もの間、ハードルを1台も跳びませんでした。狙いはスピードの強化、緊張からの解放(今年8月の大阪世界陸上と来年の北京オリンピックで最大限の集中を実現するため)、そして技術的リセット(技術的贅肉が省かれてシンプルかつ中核的な技術を残すため)だそうです。普通の人は恐くて、そんな練習方法は採用できないでしょう。失敗したら何を言われるかわかりません。まさにハイリスク・ハイリターンの練習です。
何かを守ろうとするのではなく、果敢に攻める。攻めるのに必要でないものはどんどん捨てて無防備化していく。 フィジカル面での"資本力"に劣るなら、ハイリスクを負ってでもハイリターンを目指す覚悟を決めるのです。 覚悟が決まれば、恐いものはありません。(p.82) もうできるようになってしまってからの反復練習には、現状維持の目的は認めても、「昨日より凄い自分」にたどり着く可能性がありません。(p.68)
ハードル競技は、陸上競技の中で最も不自然な動きを強いられる競技です。その分、技術面での隙間や、そもそもの発想に"遊ぶ"余地があるとも言え、工夫を凝らし、奇策を弄していくことが可能なのです。(p.116)
500日の封印の効果に、為末は確かな手応えを感じています。フラットでの200mのタイムが0.26秒も速くなったそうです。「単純計算では」と断った上ですが、2004年のアテネ五輪の優勝タイムをはるかに上回る、と並々ならぬ自信を見せています。世界陸上大阪大会の400mハードル決勝は8月28日午後10時20分スタート。「金メダルを狙えるかもしれない」という為末に注目しましょう。
覚悟の力 トレーニングだけでなく、「人生」においても、為末はハイリスク・ハイリターンを選択しました。2002年の春、大学を卒業して大阪ガスに入社しましたが、翌年の秋に退社しています。勝っても負けても生活が保障されているサラリーマン選手という立場では、賞金で食べている海外のトップアスリートに勝てないと考えたからです。
覚悟というのは重要だと私は思います。何を犠牲にしてどこまで自分を賭けているか、その差が、いざという勝負の場で、1000分の1秒の違い、1cmの違いになって表れてくるのだと思うのです。(p.172)
失敗したときのことをあらかじめ計算する暇があったら、どうすれば自分の潜在能力を最大限に爆発させられるかを最優先して考えるべきなのです。(p.91)
日本人の足を速くする 最後に、『日本人の足を速くする』というタイトルの意味を説明しておきましょう。為末は、陸上競技を日本に浸透させるための"通訳"になりたい、「論理的なエンターテイナー」になりたい、と考えています。そのための具体的な活動が、クイズ・ミリオネアで獲得した賞金1000万円を使って行った、「東京ストリート陸上」(丸の内のビル街で一流選手のパフォーマンスを見せる)や「夢の陸上キャラバン隊」(一流選手による小学校訪問デモンストレーション)です。こうしたクリエイティブなイベントには、為末の遠大なビジョンが込められています。
もっと陸上選手が豊かな環境で活動できるようにしたい。日本人がもっといろいろなスポーツの魅力を知り、いろいろなスポーツで活躍するようになってほしい。 そう考えています。 そして、そうなったときに必要になってくるのが、"日本人の足を速くするプロジェクト"なのです。 いや、後先は逆でもいいのです。日本人の足が速くなれば、陸上界はもちろろん、すべてのスポーツがワンランク上のステージへ前進するのですから。(p.179)
『日本人の足を速くする』では、日本人の体格や骨格に適した走り方やトレーニング方法の解説に、2つの章が充てられています。詳細は本を買って読んでいただくとして、為末は「100mで国民平均0.3秒速くなる」と考えています。国民全体の足を速くすることを考えているとは、ただ者ではありません。 -
当然やけど、神童やったんですね。
まず、そこを再認識。
創意工夫しながら、自己研鑽に励む姿に、
刺激を受けます。
自分が自分自身にとっての一番のコーチであり、
自ら研究しながら、自己の向上の余地を探る過程こそが、
一番面白いですよね。 -
「日本人の足を速くする」
世界を席巻するアフリカ選手、ルメートルを先頭とする欧州出身選手、小国や諸島から誕生するメダリストやファイナリスト、彼らに勝つ為近づく為に、日本人はどうするべきか。
400mH選手と言えば、日本人として初めて世界選手権400mHのファイナリスト(1995年イエテボリ大会7位)となった山崎一彦選手、同大会の準決勝進出者でもあった苅部俊二選手、そして斎藤嘉彦選手が挙げられます。彼らが日本のハードルレベルを一気に上げてくれました。そんな彼らに続いたハードル選手が為末大、その人。
彼は、 2001年エドモントン、2005年ヘルシンキ世界陸上で銅メダルを獲得し、日本人でもトラック競技、しかも短距離種目に並ぶ難関種目で勝つことが出来る!ということを私に教えてくれました。あの走りを見たとき、2003年パリ世界陸上で銅メダルを獲った末續選手の走りと同じくらいの衝撃、興奮、感動が湧いてきました。一陸上部員には、喜び以外のなにものでもない!
しかし、為末選手は、常に成功だけを掴んできたわけではありません。五輪での転倒と不振、400mで圧倒的強さを見せたジュニア時代からのハードル転向など数々のハードルを飛んできました、ただ速くなりたいという一心で。
中学高校時代、陸上部に属していた私は、一時ハードルをやっていました(中学時代)。種目は110Hで、県大会には行けずに、その後ハードルから離れました。ハードルはとにかく難しい、それが感想。しかし、110Hよりも難しいのが400Hです。さらに、言っちゃうと、400mを走りながら、ハードルを飛び越えるので、とにかく死ぬほど疲れるw、だから誰もしたくない、それが400Hw
中学時代でこんなんだから、世界になるとそれはそれは私の想像を越えた、体力と技術共に高いレベルが問われるんだろうと思います。実際、世界陸上や五輪のメダリストは、ハードル向きの肩幅が広く必要な筋肉のみあるすらっとした体型で、手足も長い。それでいて、タイムが良い。
そんな強豪相手に勝つ為に徹底的に強化したのが、技術です。ハードルを飛び越える一連の動きの綺麗さは、世界でも評価が高く、それを可能にする技術は、アフリカ系の選手のように恵まれていない選手でも勝てる!という可能性を示しました。中でも、ハードル間を13歩で走るというのは、相当凄まじいです。もう笑っちゃうくらいw
アフリカ系選手などは、あれだけの足の長さでハードルを14歩で飛び越え、調子やタイミング次第で13歩で行くとされています。大抵、14、14、13、14みたいなバラバラな歩数でハードルを飛び越えようとすると、どこかでフォームを崩したり、タイミングがズレたりしてハードルを倒したり転倒したりするのですが、そこは足が長く、センスがある彼ら。なんとかしちゃうことがあるのです。しかし、歩数がバラバラである分、ハードルを飛び越える時間に差が出る。そこを突こうとしたのが、為末選手なんです!
全ハードルを13歩で飛び越えると、タイムを縮めることができ、彼らに勝つ可能性が上がる。その為には、ハードルを最短距離で飛び越える技術とフォームを身に付ける必要がある、勿論、体力や体幹の強さなども必須。かなり高いハードルです。
しかし、為末選手は、それをやり切った。それも苦悩しながらも、そこに楽しみを添えて。さて、そんな為末選手が考える足の速さとは。