聖路加病院訪問看護科: 11人のナースたち (新潮新書 215)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102158

作品紹介・あらすじ

たった一人で患者宅を訪れ、医療行為から生活面のケアまで全てをこなす「訪問看護師」。在宅介護や在宅死が大きな注目を集め需要が高まる中、その数は急速に増えつつある。そうした数ある訪問看護ステーションの中でも最先端を走るのが聖路加病院だ。11人のナースたちが昼夜を問わず飛び回る。終末期医療から難病の小児まで-「よりよく生きることとは何か」に正面から向き合う彼女たちの等身大の姿を描く。

感想・レビュー・書評

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  • ・聖路加国際病院の訪問看護師は病棟勤務後配属される。訪問看護科には医師がいない。(入院時の主治医が各訪問先の医師であるため)看護師の個々人の判断が必要。
    ・聖路加国際病院の訪問看護ステーションは公衆衛生看護部→訪問看護科を経てできた。
    ・看れる患者は遠方でも対応する。(聖路加国際病院に入院されていた方が遠方の人もいるため)
    ・長期療養できる病院が廃止されつつあり、訪問看護が必要になってくる。

    訪問看護は病院に比べて、一人一人をしっかりと看れることはとてもいいことだと思う。また、病院より家で看取られたい患者も多くニーズを応えている。今後、訪問看護の需要が増えてくる可能性を感じた。

  • 訪問看護のパイオニア。
    それはとてもきつい仕事。
    いろんな世界、職業がある。

  • 上原善広 著 「聖路加病院訪問看護科(11人のナースたち)」、2007.5発行です。病棟看護と訪問看護、看護される側も看護する側も雲泥の差だと思います。在宅患者は有難く、訪問看護師にはとても厳しい仕事だと思います。(病棟看護師の仕事もとても厳しいことと思いますが、更に更に厳しいものと・・・)聖路加病院には、唯一医師のいない科があり、その科は「在宅医療を専門に扱う訪問看護科」だそうです。この本はそんな世界の実情を紹介した作品です。「病院で死ぬか」「家で死ねるか」・・・、人生の終末期に直面する問題ですね。

  • ジャーナリストによる、訪問看護の本。
    訪問看護に先進的に取組む聖路加病院を、ナースと患者や家族への取材に基づいて紹介している。

  • 最後について考えないとなあ。

  • 聖路加病院訪問看護科で取材を行った内容をノンフィクションとして描いたものです。
    著者が医療に関する知識に乏しいために医療関係者が読むと焦点のあてどころがイマイチです。
    でも訪問看護にスポットをあてたところがよいですね。

    普段は裏方に徹している彼らにもっと注目して欲しいと思います。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11782714876.html

  • この手の看護師目線の本はよくあるが、ルポライターからの視点というのが新しかった。
    一環とした冷静さと複数の目線から訪問看護を見つめていて、1人の看護師による熟考した内容でなく、その都度インタビューで拾った生の声が描かれていて、はじめて訪問看護に対して逃げ腰になった。
    ステーションではなく病院の訪問看護についてコンパクトにまとまってる点もよかった。

  • 聖路加=富裕層のイメージが強かったが、生活保護の方も多いのにちょっと驚いた。今後ますます増えていく老老介護。安心して介護を受けられる時代は来るんだろうか・・・自分の老後がちょっと心配。

  • 聖路加というブランドで訪問看護、在宅医療をどのように行うのか訪問看護科たちあげのドキュメンタリ。
    最初は病院に付属した形での訪問看護であったが、(それは聖路加に入院していた人が自宅に帰ることを希望したら訪問看護ができる)訪問看護ステーションとして地域医療に密接した在宅看護をめざす。

    訪問看護師の奮闘ぶりが見える。いち早く、日本に訪問看護をたちあげた奮闘記。

  • 人がどうして在宅死を望むのか。
    財団法人『日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団』2005年
    の研究で、83.3%の人が在宅で最期を迎えたいといっている。
    しかし、そのうちの80%はそれが無理ではないかという。

    訪問看護はいう。『やはり自宅で過ごせれば、誰にも気兼ねなく、趣味や、好きなことを好きなだけできるし、家族ともいつでも会える。ホスピスはまだしも、在宅は病院のような規則もないですからね。生活スタイルも、もう寝たきりになったとしても、自宅だと生活リズムを変更しなくてもいいですからね。』

    訪問看護は、病院とは違う、『退院はない、終わりは死だけ』とスタッフはいう。それだからこそ、病院よりも責任は大きい。だから、聖路加の訪問看護師は3年目以上しかとらない。
    訪問看護の師長は保健師時代の呼吸器がついた難病患者を在宅に帰れるように支援した経験から訪問看護の世界に足を踏み入れている。黒字経営はむずかしい、しかし、淀川キリスト病院の訪問看護ステーションの高沢洋子さんとともにバイタリティあふれて頑張っている!

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著者プロフィール

1978年、大阪府生まれ。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。2010年、『日本の路地を歩く』(文藝春秋)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年、「『最も危険な政治家』橋本徹研究」(「新潮45」)の記事で第18回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。著書に『被差別のグルメ』、『被差別の食卓』(以上新潮新書)、『異邦人一世界の辺境を旅する』(文春文庫)、『私家版 差別語辞典』(新潮選書)など多数。

「2017年 『シリーズ紙礫6 路地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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