脱DNA宣言: 新しい生命観へ向けて (新潮新書 232)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102325

作品紹介・あらすじ

いまやDNAの天下である。個人の外見や体質はもちろん、性格や運命までもがDNAに支配されているかのような言説が幅を利かせている。しかし、実は最新の科学では、DNAの絶対的地位は揺らぎつつあるあるのだ。気鋭の生物学者がわかりやすくユーモラスに遺伝子の基礎知識からRNA研究の最前線までを解説。

感想・レビュー・書評

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  • 除籍本

  • 分子生物学的には「DNAはRNAのバックアップコピーに過ぎない」ことを説明し、DNAが絶対的なものとされる現代社会にRNAを含めた新しい生命観を構築することを目的とした本。

    時事的な話題から少し古さは感じますが、学術誌の引用により生物学の定説が解説されていてわかりやすかったです。

    遺伝子の認識を見直すきっかけとなる良書だと感じました。

  •  竹村さんの本は多く読んでいますが、こちらは以前のものより劣るのではないかと思いました。タイトルと内容との関連性がよくわからず、リチャードドーキンスの利己的な遺伝子や、ニックレーンのミトコンドリアが進化を決めた、当たりに対抗できるものかなぁと思っていましたが、内容は至って普通の生物の本でした。免疫などの項はそれなりに面白かったです。

  • 同作者のRNAの本に引き続き、本書も読んでみた。
    こちらは、より一般向けに砕いて書いてあり、踏み込んだ内容にはほとんど触れていない印象。DNAとかRNAの研究からしばらく離れた後、復帰するときとかに目を通すと良さそう。

  • DNAには割り切れるデジタルな答えがひとつしか存在しない
    解りやすいけれど選択の必要がないならば
    自分という存在の意味がなくなってしまうようで疑問が残る

    試験管内に取り出したDNAと生体内で関係を持ち合っておるDNAは
    まったく別ものである
    体内では一個の分子である一本のDNAの動きがすべてに影響を及ぼし
    お互いに関わり合っていく
    それは相乗効果ともなるし潰し合いにもなるだろう
    そうした関わり合いが無限の往復を繰り返すときデジタル的答えをせずに
    思いも寄らない反応が起こされても不思議でないだろう

    デジタル反応によるDNAが単なるバックアップコピーにすぎないとすれば
    DNAの遺伝支配を客観的に見直す必要が出てくるだろう
    マニュアルな生命の中心には最も複雑な動きがあるのだから
    様々なRNAや蛋白質を含める新陳代謝する姿を見直すべきだろう

    ヒトゲノムの解読が人生の預言書となって人の心を傍観者にすることなく
    逆に未来は未確定で可能性に満ちているというマニュアル性を
    取り戻してくれる

  • 現在にも遺伝子で全てがきまっている様な風潮があるがその考えに一石を投じている。
    途中までは分子生物学の基礎、発展の歴史がわかり易い文章で書かれているが、
    途中からRNAワールドの話に一気に展開してしまい、何をいいたいのが焦点が
    絞りきれていない印象をうけた。

  • [ 内容 ]
    いまやDNAの天下である。
    個人の外見や体質はもちろん、性格や運命までもがDNAに支配されているかのような言説が幅を利かせている。
    しかし、実は最新の科学では、DNAの絶対的地位は揺らぎつつあるあるのだ。
    気鋭の生物学者がわかりやすくユーモラスに遺伝子の基礎知識からRNA研究の最前線までを解説。

    [ 目次 ]
    第1章 総理大臣のDNA
    第2章 それは膿から始まった
    第3章 DNAの「社会的地位」
    第4章 恐るべき実力者RNA
    第5章 すべての生物の祖先とは?
    第6章 DNAは単なるバックアップコピー
    第7章 DNA神話の崩壊
    第8章 脱DNA宣言

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • とりあえず、遺伝子=DNAではないよ、と言う内容の本。
    生物専攻の学生である私には、科学的データなどの部分は非常に興味深かったが、だからこそ、最後の章はあまりおもしろくなかった。

  • 「脱DNA」という言葉に惹き付けられて購入。遺伝情報を担っているのはDNAだけではないので,そんなにDNA,DNAと騒ぐのは辞めましょうよ,みたいな感じの本。RNAに関する最近の研究内容を紹介しつつ,遺伝の本質に迫る。科学者向けではなく一般人向けに書かれた本だけど,大学教養レベルの生命科学の知識はあった方が良いかと。

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著者プロフィール

武村政春(たけむら・まさはる)
東京理科大学教授。
巨大ウイルスの生態と進化にオタク的興味をもつ。
真核生物の起源にも多大なる興味。
現在は筋肉(筋トレは趣味ではなく、そのための単なる方法に過ぎない)にも大いなる興味をもっている。
もともとの専門は生化学とか分子生物学とか。
2001年細胞核ウイルス起源説を提唱。
2019年メドゥーサウイルスを発見。
出身は三重県津市。
1998年名古屋大学大学院医学研究科修了。
博士(医学)。

「2022年 『ウイルスの進化史を考える ~「巨大ウイルス」研究者がエヴィデンスを基に妄想ばなしを語ってみた~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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