天誅と新選組: 幕末バトル・ロワイヤル (新潮新書 297)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102974

感想・レビュー・書評

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  • 和宮降嫁から第一次長州征伐まで。幕末に吹き荒れるテロリズムの嵐。刀切れすぎ怖いよ。後世の人間には武士階級がやがて消滅し、チャンバラの時代は終わること がわかっている。だがこの時、固定された身分制度の中で将来が見えていた若者たちが、刀ひとつで何者かになれるのではないかと胸を踊らせ熱に浮かされたのだろ うし、その代表が二本差しに憧れた新選組だろう。と思えば大して出番のない新選組がタイトルになっているのもわかるような気が。

  • 続きを読むのが楽しみです。

  • (欲しい!)/新書

  • テロは効く。政権は取れないけど国家を弱めることができる。国家に当事者能力がないことを明らかにする。
    幕末の幕府は加速度的に当事者能力をなくし、誰にもどうにも出来なくなるけど、井伊直弼のあたりまではたしかになんとかなっていた。
    桜田門外の変が起こらずに徳川幕府が続いていたらどうなっていたかは面白い。主権がはっきりせず、だれに話をすればいいのかよく分からず、ロシアとイギリスのあいだをゆらゆらする鵺のような外交をする連邦国家として、日清戦争も日露戦争もシベリア出兵も朝鮮併合も満州事変も第二次世界大戦も戦艦大和も新幹線もない日本。・・・・案外悪くない気がする。

  • [ 内容 ]
    尊王派と佐幕派の対立は、ついに流血の惨を招くに至った―。
    殺される側は身分も立場も理由もいろいろだが、「文久」の三年間、政治都市京都を中心に「天誅」の名による殺戮が荒れ狂う。
    過激派浪士と新選組が死力を振って斬り合う剣戟ロマン。
    それは「鉄砲」の時代を迎える直前、道場剣術から実戦に復活した「刀」の最後の花道だった。
    幕府はテロの恐怖にじわじわと消耗してゆく。
    急転直下のバトル・ロワイヤル。

    [ 目次 ]
    第1部 文久天誅録(公武合体論;東禅寺事件;別手組創設;品川御殿山;和宮降嫁;坂下門外の変;ロシア軍艦対馬占拠事件;一服盛る;幕末の外国語ブーム;久光東上;寺田屋騒動;将軍後見食;生麦事件;君子豹変;京都守護職;耳と腕;足利三代木像梟首;国事御用掛;英国公使館焼討;将軍上楽;石清水行幸;江戸浪士組の誕生;清河八郎暗殺)
    第2部 文久殺陣録(新選組の発祥;海峡の砲声;姉小路遭難;奇兵隊出現;だんぶくろ;生麦償金顛末;将軍連れ戻し作戦;薩英戦争;天誅組突出;八月十八日の政変;黒幕法親王;御用金強盗;天狗党挙兵;池田屋騒動;禁門の変;下関戦争;第一次長州戦争;彦島はやれない;横須賀製鉄所;鰊倉に死す)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読了 2009年 3月 (借:大村市民図書館)

  • 展示期間終了後の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号 210.58//N93

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著者プロフィール

野口武彦(のぐち・たけひこ)
1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家─歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞、2021年に兵庫県文化賞を受賞。著書多数。最近の作品に『元禄六花撰』『元禄五芒星』(いずれも講談社)などがある。


「2022年 『開化奇譚集 明治伏魔殿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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