日本辺境論 (新潮新書 336)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103360

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  • 日本人はこれからどうすべかを考えるために!

  • 日本には根底に流れる「美意識」がない事が西欧との違いである。ここに立脚して、太平洋戦争や日本の右翼左翼の矛盾や国際社会での日本人の問題点を炙り出す。メッセージの中身よりメタメッセージを重視するとか。それを地政学的辺境性に起因して論じているところが面白い。

  • 中央公論新社 新書大賞2010 大賞
    教員推薦図書2014

  • ・君が代の起源・日の丸の起源について。
    ・日本という国を語るとき、他国との比較で語ってしまうのはよくない。
    ・人間が過剰に断定的になるのは、たいていの場合、他人の意見を受け売りしているときが多い。・・・なるほど。

  • 内田樹が、世に知られることになった一冊。
    2019年、泥沼のような安部晋三政権を変えようという参議院選挙
    前に、「美しい国」の嘘っぽさ、背後の「日本会議」の危うさを見つめ直すために、
    10年ぶりに再読しようと思う。

  • 「日本辺境論」内田樹著、新潮新書、2009.11.20
    255p ¥777 C0233 (2019.05.19読了)(2019.05.16拝借)(2010.08.10/20刷)

    【目次】
    はじめに
    1 日本人は辺境人である
    「大きな物語」が消えてしまった
    日本人はきょろきょろする
    ほか
    2 辺境人の「学び」は効率がいい
    「アメリカの司馬遼太郎」
    君が代と日の丸の根拠
    ほか
    3 「機」の思想
    どこか遠くにあるはずの叡智
    極楽でも地獄でもよい
    ほか
    4 辺境人は日本語と共に
    「ぼく」がなぜこの本を書けなかったのか
    「もしもし」が伝わること
    ほか
    終わりに


    (「BOOK」データベースより)amazon
    日本人とは辺境人である―「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。

  • 日本は世界の辺境にあり、日本人は辺境人である、という視点に立ったとき、改めて日本の現状が見えてくるという皮肉ながらも本質をついた論述。起源から遅れている中で、ゲームの理論は分からないながらも、生き延びるためにとにかくやるしかないと突き進んできた日本人。
    アメリカとの建国の対比、第二次大戦への参戦、日本国憲法の生い立ち、日本という国名のそもそもの意味合い、など日本人として改めて日本人について考えさせられた。

  • 「地政学的辺境性が日本人の思考と行動を規定している」ことを論じた本。2009年11月発行。

    著者は、「辺境人の最大の欠点は「私は辺境人であるがゆえに未熟であり、無知であり、それゆえ正しく導かれなければならない」という論理形式を手放せない点にあ」るという。他国にキャッチアップする際には、「無知」を装った「狡知」ともいえるスタンスで貪欲に学び成長するが、追いついた途端にあたかも「諸国の範となるような国」になってしまったら日本が日本でなくなるかのごとく思考停止に陥るのだという。「つい場の空気に流され、自前の宇宙論を持たず、辺境の狡知だけを達者に駆使する日本人の国民的性格」とも言っている。

    いちいち頷けることだが、著者もいうようにこれらの特質は辺境に住む我々の体に染み付いていて修正しようのないものなのだろう。この特質のいいところを大いに使って賢く生きていくしかないんだろうなあ。

    面白かったのは、漢字(表意文字)とひらがな・カタカナ(表音文字)の併用(=脳内の二箇所を並行使用するハイブリッド言語)、「真名」(公用語、男性語)と「仮名」(コロキアルな土着語、女性語)、漢語とやまとことば、文語と口語、建前と本音、男性語と女性語などの、二項対立を形づくる日本語の特殊性が日本人の思考と行動を規定している、という指摘。

    武道の極意に繋がる「機」の話の部分、「後即先、受動即能動、祖述即創造」などが何だかよく分からなくて、残念。

  • 第一章でタイムアップ。また予約せねば。

  • 社会

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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