- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106103865
作品紹介・あらすじ
戦後作家を輩出した伝説的同人誌「こをろ」とその時代、阿川弘之はじめ若き文士の卵たちとの交友にはじまり、広津和郎、坪田譲治、川端康成ら文豪たちとのざっくばらんな付き合い、白洲次郎、森茉莉、安部公房、亀井勝一郎、遠藤周作、有吉佐和子、そして宇野千代まで、昭和史を彩った文士たちの素顔、肉声、そして秘話-九十四歳女性作家がつづる貴重な証言録。
感想・レビュー・書評
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交遊録というよりは、作者が折々に交流を重ねた、あるいはお近づきになった文士達のスケッチ、というかんじ。
どれもさらっとした味わいで、文豪の濃いエピソードを期待すると、やや肩透かしを食らうやも。
かく言う私もその一人で、読み終わって「ちょっと物足りないなぁ」という気がした。
でも何より驚いたのは、「生まれ育ちがいい」ってのは凄いもんだなぁ、ということだったりする。私のような平民からだと、常識的には「えっ」となることでも、作者があまりにもさらさらと書いているので、その視点というか感覚の違いにちょっと引いてしまった。
凄いものですね、本物のお嬢様というのは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
御年94歳の、戦前から最近までの作家談義。
ただひたすら文豪から大作家まで順に並んでいるが、ちょっとした裏が見えるのが面白いかも。ただ、それ以上はない。 -
メインタイトルよりも副題の方がしっくりする。著者が自身の人生を振り返りながら、昭和の作家の思い出を綴る筆はゆったりと優しい。
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筆者の戦前から戦後までの文士たちとの交流を描いている。
文士たちがいた時代を感じる。現代には分子なんていないもんな。
戦争が100年も続くわけない。商品値は下がってもものの値打は値段ではない。
白州次郎は外交、吉田内閣に大きな権力を持っていたがひとの話はよく聞いた喜作で気どりもなかったそうだ。
正子夫人も今のような有名人ではなかった。