政権交代の悪夢 (新潮新書 417)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104176

作品紹介・あらすじ

民主党政権は政治を堕落させ、国家を壊滅の危機に陥れてしまった。なぜこんなことになったのか。「危機管理能力の欠如を示した菅政権」「"小沢はぶれない政治家"は完全な幻想である」「政策集に影響力を行使していたのは旧社会党スタッフ」「鳩山首相は反捕鯨国の首相に、『私はクジラ肉は嫌いです』と媚を売っていた」…政権交代前から警鐘を鳴らし続けてきた著者が明かす、愚かすぎる政権の酷すぎる内幕。

感想・レビュー・書評

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  • izaでのブログも魅力的な産経新聞の記者、阿比留さんの著書。
    相変わらずに共感できる点が多く手に取ったのですが、、何故か積読状態でした。

    3.11迄の民主党政権の迷走ぶりが、非常によくわかる一冊となっています。
    その東日本大震災からちょうど一年経った日に読み始めたのもまた、何かの縁でしょうか。

    - 日本の政治は、民主党政権という名の混迷を経験することでしか前に進めなかった

    日本を"壊す"存在が、日教組、自治労、特定外国人というのを、あらためて認識できました。
    ん、安倍さんが首相で麻生さんが外相だった時代が復活することを祈りつつ、なんて。

  • 民主党に政権交代してから2年が過ぎようとしていますが、多くの人に歓迎されて鳴り物入りで導入された「高速道路1000円制度」もつい最近に終了してしまい、残るは「減額された子ども手当」くらいになったような気がします。

    一方、昨年は鳩山氏時代に米軍基地移設について問題を起こしたように、震災後も政府の対応の稚拙さが目についている気がします。阪神大震災後の村山政権が辞めるにやめられず長引いたように、今の管政権もそうなのでしょうか。

    この本は、政権交代についてそれが実現される前から警鐘を鳴らしてきたと筆者(阿比留氏)が述べてきたものについて記されています。批判はするのは簡単で実行するのは数倍難しいとは思いますが、私たちの子供が幸せに暮らせるような日本とは何かを考えて政策を実行してほしいと思いました。

    特に、民主党政権は、旧自由党田中派と、旧社会党が合体した「55年体制の完成形」である(p156)は納得させられました。

    以下は気になったポイントです。

    ・政党助成金は、解散時に残高がある場合には国に返還しなければならない、とあるが自由党が解散した日には政党助成金もあわせて13億円以上の金を他団体(小沢氏の関係政治団体)に寄付した(p22)

    ・政権に社会党系の政治家が深くかかわるとどうなるかが参考になるのが、1994年に発足した村山政権である、わずか1年半で日教組が提唱してきた「ゆとり教育」が強化され、学習量が3割減となった(p39)

    ・民主党はもともと自前の事務職員を持たなかったので、社民党からきた多くの旧社会党の最左派(社会主義協会派)のスタッフが来た(p42)

    ・マニフェストに明記していなくても政策集にあるような、「外国人参政権」「夫婦別姓」について、閣僚や民主党幹部が実現を目指す発言を繰り返している(p52)

    ・日中関係では、歴史カードを持ち出すたびに譲歩を繰り返してきたので、小泉首相が在任中に6度の靖国参拝を実行することで、それは通用しないことを示してきた(p70)

    ・昭和20年8月から翌年3月までに、帰国希望の朝鮮人に対して政府の配船により、約90万人、個人的引揚げで約50万人が帰国、昭和21年3月には再度調査をして、希望者50万人を確認したが、実際に帰国したのは8万人(p79)

    ・日韓基本条約締結時の8億ドル資金供与は、当時の国家予算の6分の1程度であり、日本にとっては大きな負担であった(p174)

    ・民主党政権が初めて最初から編成した平成23年度予算案は、子ども手当等を中途半端に実現するために財務省が埋蔵金で帳尻をあわせた、一般会計が92兆円で3年連続で過去最大(p208)

    ・参議院で問責決議を受けて管首相に更迭された仙石前官房長官が、その更迭した本人によって被災者支援担当官房副長官に起用された(p216)

    ・自民党は小泉氏が登場して、旧来の農村型の固定支持層に上積みして無党派の支持を取り込むことに成功していなければもっと早く衰退していた(p217)

    ・安倍政権が間違ったのは、2005年の郵政選挙で小泉氏の方針に逆らった造反組を復党させたこと(p219)

    2011/7/2作成

  • 民主党政権が悪夢なら、自民党政権は地獄だとか言ってる人、これ読め。
    これ読んでなお、そう思う人とは仲良くなれない。

    リアルでこの時代に生きていたが、政治に興味がなかったせいか、ここまで酷かったとは思っていなかった。確かにエピソードの一つ一つは報道されていたかもしれないけども、なんつか、マスコミって害悪でしかないね。

  • レビュー省略

  • 民主党政権時代は油断ならなくて、気が休まらなかったです。
    ▼日本を壊そうと企んでいる政党に安易な気持ちで政権を任せてしまった私たち有権者にも責任はあります。
    ▼「政治なんて誰がやっても一緒」なんて思ってたけど、全然そうではなかったです。やはり日本の国益のために働いてくれる人に託さないと、選ぶ人を間違えると、国は大変なことになるということを痛感しました。
    ▼その悪夢の3年間を持ち堪えた日本って、すごい国だな。
    ▼ただ、あまりにも民主党がいい加減で危険でメチャクチャだったので、さすがに政治に無関心だった私も国会の動画などを見るようになり、少しずつ政治に興味を持つようになり・・・。今まで政治に見向きもしない私がすごい変わりようです。その点ではそう思わせてくれた民主党に感謝しています。

  • 読み進むにつれてほんと民主党政権の無能っぷりに情けなくなる本。

    偏った報道も、政治に無関心な国民も、自分のことしか考えない政治家も、みんなに責任があると思う。

  • 産経新聞記者による民主党めった斬りの本。帯には「愚かすぎる政権の酷すぎる内幕」とあって、菅内閣の原発事故対応に頭に来ていて妙に共感して買ってしまいました。
    「民主党政権は政治を堕落させ、国家を壊滅の危機に陥れてしまった。」って、自民党御用新聞の産経新聞に言われたくないよね。自民党長期政権が政治を堕落させたから政権交代があったんだし、原発を無定見に作ってやりたい放題旨い汁を吸ってきたのは自民党議員なんだから。
    ただ、今の菅政権の酷さを再確認するには良い反面教師(教本?)となるし、民主党政権の「能力不足」(「政治主導」でありながら有能な官僚と有機的に連携して効果的に政策を行っていく能力がまだまだないこと)も著者の言われるとおりなんだろうと思う。
    そうはいいつつ、浜岡原発を停め得たのは「民主党」政権だったからだと思うし、この「混沌」の中から様々な情報ツールを通じて私たちの「政治」への関心がいつになく高まっていることは決して悪い事じゃないなって思う。自民党・河野太郎さんのツイッターなんて、菅政権の「酷さ」がなかったら決して読むことなかったって思うし、社民党・福島瑞穂さんのツイッターも読み始めた。菅直人にはとっとと辞めて欲しいけど、会社の上司も国のトップもそういうヤツに限って「居座る」んだよね。それに「じゃあ誰になって欲しい」って尋ねられた時にちゃんと名前を言える民主党の政治家が自分の中にないのも僕自身「無責任」だなって感じている。もっと私自身が国会議員一人一人のやっていること、発言、その考え方や実行力をキチンと見ていくことが大切だよなぁ~と思う。
    books213

  • 震災後の政府の無能無策ぶりこそ、「悪夢」そのもの。震災後の言及はほぼなし
    http://www.amazon.co.jp/review/RW843VQ8ERDVO/ref=cm_cr_rdp_perm

  • 読むのがとてもつらいが、この民主党政権を選んだわれわれ有権者の責任を強く自覚しなければ。
    だからといって、自民党政権になっても、同じことの繰り返しになるだろう。

  • そうっだたのか・・・シリーズと同様、とても疲れる内容です。ただしっかり知っておかなければならない事ですね、そしてまた違った立場からの意見も聴いてみたいです。

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著者プロフィール

1966年、福岡県出身。産経新聞政治部編集委員。早稲田大学政治経済学部卒業後、産経新聞社入社。仙台総局、文化部、社会部を経て、1998年から政治部。首相官邸、自由党、防衛庁、自民党、外務省を担当。首相官邸キャップ、外務省兼遊軍担当などを経て、政治部編集委員、論説委員兼政治部編集委員を歴任。著書に『偏向ざんまい GHQの魔法が解けない人たち』『だから安倍晋三政権は強い』(産経新聞出版)、『総理の誕生』(文藝春秋)、『安倍晋三の闘い 官邸からの報告』『安倍晋三が日本を取り戻した』(ワック)など多数。

「2022年 『リベラル全体主義が日本を破壊する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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