マイ仏教 (新潮新書 421)

  • 新潮社
3.85
  • (149)
  • (187)
  • (148)
  • (29)
  • (7)
本棚登録 : 1744
感想 : 246
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104213

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • まさに「マイ」仏教。著者は仏教の基本をしっかりと学んだ上で自分の中に独自の哲学をもっている人なんだと思った。

    「自分なくし」のくだりが面白い。学び、真似をするほど自分が失われていき、最後にどうしても消えずに残った部分が本当の自分だ、という考え方にしっくり来た。シャレた文章だけれど、目的のわからない「自分探し」よりもよっぽど筋が通っている。

  • みうらじゅんは実は大の仏像マニアだった。で仏教への造詣がはんぱなく深く、また仏像へのフェティッシュぶりがすさまじい。
    デカルトは「われ思う、ゆえにわれあり」。仏教は(なかでも大乗)は、その後に「そう思うわれもじつはないよ」と。自分中心の考えをやめていこうというのはすごく今風な思想におもえる。仏教がいまきてるのがわかる気がする。

  • みうらじゅんさんの半生を“マイ”仏教で語る、みたいな。

    意外とまともで説教くさいところが、意外。

    決してちゃんとした仏教入門とかじゃないよ!みうらさんのマイ仏教だよ!

  • 高貴な僧や悟りきった雲の上の人ではなく、俗界から説く新鮮な仏教書。
    その生き様からくる正直な精神の吐露は、凡夫の心を開いてくれる。
    氏なりの解釈や秀逸な造語が、人間がなんぼのもので、それでも価値あるものだとエールを送ってくれているように感じる。
    苦しみと矛盾と欲望の自分と世界に中でも、生きていくのは捨てたもんじゃないと、少しポジティブな方向が向ける。

  • 仏教が著者の人生にどのような影響を与えてきたかがわかる本。仏教について詳しく書いてあるというよりも、これを読むことによって仏教に興味湧いてくる本。

  • おもしろかった!
    日本人は宗教に関心がない人が多いけど
    (私も)
    普段の暮らしの中に、仏教が根付いてるというか
    仏教からきているものがけっこうあって
    仏教のこと、もっと知りたくなった!!

  • すでにエッセイやタモリ倶楽部で触れられた内容があるので目新しさはないですが,みうらじゅんの経歴や仏教に対する見方のまとめとしてはいいかも。エッセイそのものの時と違ってですます調で語り,人生訓めいたこともいう「らしくなしさ」が新鮮です。

  • みうらじゅん氏の著作は軽妙ながらも奥深い。難しいこと優しく平易に語る文章だ。仏像マニアということは別著作で知っていたことがきっかけで目に止まった本書を読んだが、期待通りのマイ仏教だ。独特の仏教解釈は現代社会にアレンジした解釈で、自分探しではなく、自分なくし、とか。

  • ブッディストみうらじゅんの仏教との出会いとマイブームになっていった話。終盤、大喜利みたいな掛け言葉ばっかだった(笑)


     これがまじめな仏教の本かといえば、そうではない。でも、そんなことに囚われていたら、それこそ仏教を何もわかっていない証拠である。こういう軽い仏教の本は大事だとおもった。

     なんか、もう本当に最後はありがたい掛け言葉というかオヤジギャ…というかタモリ倶楽部を見ているような雰囲気だった。
     
     
     お手軽だから、星も軽く3つ。

  • なかなかに面白い内容です。
    特に収穫だったのは、仏教における地獄の世界像が載っていたこと。まさかこんなにも地獄に種類があったとは、驚愕です。他にも、閻魔以外にも裁判官がいる事や、地獄の階層の周到さには瞠目です。僕はほぼ毎日ビールを飲んでいるので、地獄行きは免れないでしょう(笑)

    思えば僕は小学校低学年の頃に、『モノより思い出』というキャッチフレーズのCM(富士フィルム)を見て、『モノと思い出、どっちがいいのだろうか?』と思っていました。当時僕はカード集めに熱中していたため、モノに固執していました。けど、少ない手持ちのお金を使ってカードを買うにつれ、何か罪悪感のようなものが襲い、『カードを集めても、死んだら手元に残らないんじゃないのか?ならば、記憶や思い出の方が大事なのでは?でも、死後も記憶が残るとは限らないし……』みたいなことをずっと考えていました。ちなみに答えはまだ出ていません(笑)

    自分探しよりも自分なくしをした方が良い、というのは……どうなんでしょうか?自分探しをしても結局は『よく分からない』というのが正直な感想です。そりゃそうでしょう。環境や背景に合わせて人柄や性格は変わるのですから。家族といる時の性格、友達といる時の性格、仕事での性格、恋人といる時の性格等々。全部違って当たり前です。その中で、『どの自分が本物なのだろうか?』と問うのは愚問でしょう。だから、自分探しはダメという著者の主張には賛成です。一方、『自分なくし』は、人間が人間であることを放棄しているようであまり好きではありません。人間だからこそ自分に執着し、個性が出てくるのではないでしょうか。人間全員が自分なくしをしたら、みんな同じ思考・行動をするようになり、それは機械と変わらない気がします。もちろんこれは極論で、実際は『学ぶ=真似る』ですから、真似た上で自分を保つ方が価値が高いように思います。
    「限りなく本物に近い偽物」は、どんなに本物に近くても、偽物だから価値があり、また本物の真価を教えてくれます。反対に、限りなく本物に近い偽物が本物となってしまったら、本物の価値が下がりかねません
    。その意味で、要は『自分と向き合うのはバランスが大事だよ』と言いたいです。『自分とは何ぞや?』と問うてる時は、「自分探し」と「自分なくし」のバランスが悪くなっている状態でしょう。大体、人を導くのが神様仏様の仕事なんだから、人間は神様仏様になる必要はないと思います。逆に、『自分は神様仏様じゃないんだから、失敗したり悔やんだりするんだ』と開き直ることもできます。人間であることの『身の弁え』を知るべきでしょう。
    本書最後にある『不安タスティック』と『グレイト余生』は響きが良いし面白いです。不安な境地をポジティブに変換する言葉として、クスッと笑ってしまいます。それだけで若干ポジティブになるのが言葉の力ですね。
    僕の評価はA+にします。

全246件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

作家・イラストレーター

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

みうらじゅんの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×