社畜のススメ (新潮新書 445)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104459

作品紹介・あらすじ

「社畜」なんて哀れで情けない存在だ-この「常識」は本当なのだろうか?「自分らしさ」を必要以上に求め、自己啓発書をうのみにすることから生まれるのは、ずっと半人前のままという悲劇だ。そこから抜け出す最適の手段は、あえて意識的に組織の歯車になることである。「ワーク・ライフ・バランス」「残業は悪」「転職によるキャリアアップ」等の美辞麗句に踊らされない、現代サラリーマンの正しい戦略を指南する。

感想・レビュー・書評

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  • 今日の社会では「社畜になりたい」と言う人を多くの方は少数派や理解できない人などマイナスなレッテルを貼る場合が多いように感じます。

    そんな中本屋さんで見つけたこの本はタイトルのインパクトが強く衝動買いしました。

    読み進めていくと、理にかなっている部分が多く社会の厳しさ、自分の甘さに気付かされました。


    私は本作に共感でき、大変気に入りましたが、
    「筆者の藤本さんの考えに共感できない方もいるな」と思いました。

  • サラリーマンの「4大タブー」として以下をあげて、「個性を大事にしろ」「自分らしく生きろ」「自分で考えろ」「会社の歯車になるな」とビジネス書に書いていそうなこの内容は「天才型」のビジネスマンだけができることだから、真似するなとして警鐘を鳴らしている。勝間さんやトリンプの吉越さんの書もよく読めばわかるはずで、若いころにこれら4大タブーの逆のことを「通過儀礼」的にやってきての結果としてのアウトプットだから、ショートカットして彼らの書どおりに実践することは危険だし、組織にとってはた迷惑なことだと否定している。「人事評価は公平」は理想だし、結局は、上司と部下の関係の良し悪しが評価に左右するわけだから、サラリーマンたるものまずは上司の指示に忠実に行うことを第一とせよ。や「ワークライフ・バランス」「成果主義」「一芸社員」などついても本音でバッタバッタと斬っていっています。サラリーマンの仕事は世阿弥の「守」「破」「離」の考えが適用できるというところは感銘を受けました。勝間さんも本書の藤本さんも同じ「ビジネス本」なので、全部鵜呑みにすることは危険だと思うが、凡人にはこの4大タブーの実行が幻想に近いことを示してくれる本だと思います。若いサラリーマンの一読をおススメします。

  • タイトルは挑戦的ですが、繰返し述べられているのはベーシックなことです。

    若い人ほど反発したくなる内容ですが、今の社会の仕組みを考えると、論破できないのもまた事実。

    「この会社では自分の個性は出せない」、「もっとクリエイティブなことがやりたい!」と常々言っている人は、一読するのがおすすめです。

    「社畜」として頑張ってノウハウを学んで、最後の最後に1回だけ裏切るというのがベストかな?

    個性が「孤性」にならないよう、私も謙虚に頑張ろうと思います。

  • p.22
    多くのビジネス書や自己啓発本で示す「私はこのようにしてきた。だから、あなたもこのようにしなさい」という教えは天才型、もしくは超エリート用のものです。困ったことに、多くの会社が、こうした教えを是としてしまいました。
    → ミラクルヒット、ラッキーパンチをお手本にするのはリスクが大きすぎる。「こんな僕でもできたのだから、あなたにもきっとできる!」というセリフは中毒性が強いやね。自分の可能性に蓋するのも良くないが、誰をマネするかの見極めも大切に。

  • レビューに少々の私情を挟むのをご容赦いただければ幸いです。

    私はSEとして入社して比較的異動が早く、多かった。(自分の会社の中で比較すれば、の話ですが・・・)
    業務知識や技術知識などリセットされ、
    新しい環境では自分より後の年次の方に上から目線で接せられる日々・・・
    もし自分が初めの部署に居続けたのであれば、こんな経験もあんな経験もできたであろうとありもしない「たられば」の念も過ぎりましたが、
    著者の記述に「鍛錬を積む」ことの有り難味を、幸福を見出すことができました。

    -------------(引用)-----------------------------
     優秀なサラリーマンが、ジョブローテーションで職種がいろいろ変わっても常に一定レベル以上の能力を発揮できるのは、すべて職種のセンスがあるからではなく、どの職種に配属になっても、積極的に必要な知識カードを手に入れていくからです。
     したがって、配属先の仕事に対する好き嫌いや、センスの有無で、刹那的に悲観することはほとんどありません、後天的な努力によって知識亮を豊富にすることで、人並み以上の仕事能力を身に着けることは可能であり、逆に、センスに溺れてしまい、木曽練習を怠れば、センスが役立たないことはよくあるからです。大切なことは、”与えられた”仕事の歯車になるための努力が、成長の源だと理解することです。
    -------------(引用)-----------------------------



    なんとなく手に取った書ですが私にとってはよかったです。

  • 社畜時代はサラリーマンの成長の礎である、という考え方は激しく同意です。
    守破離の守の段階ではまずは仕事に真摯に向き合うこと、天才以外は近道がないため『社畜』となり成長のステップを踏む。(私はこれに気がつくまでずいぶんと時間を要してしまいました…)
    覚悟が足りないと何か言い訳が出てしまう。言い訳を正当化するための『孤性』がなお状況を悪化させる。。やっぱりつべこべ言わずに行動する人が成長すると思います。

    この本ではビジネス書の教訓の前提を説いたり、理解できない若者とのQ&Aなどこれでもかとわかりやすく書いています。

    入社して3年目くらいで手にしたかった一冊でした。

  • 色々共感できる内容だった。
    社会人人生もまだまだ前半戦。天才型の人たちと比較して焦るのではなく、基礎をしっかり固めて行こうと思い直しました。

  • 読了しました。

  • ・「社畜」になることは、決して悪いことではない。
    「平凡なサラリーマン」である以上は、「社畜」となったほうが、最終的には良い結果をもたらす。

    ・ただし、ダメな社畜にならないようにすること。

    ・「分相応」が大事。
    また、成長ステップを間違えないようにすること。「守」→「破」→「離」


    ・「新聞社説の書き写し」「落語のマスター」は、「相手の言うことを正確に聞き取る能力」を身につけるのによい。
    前者は単に書き写すのではなく、一文ごとに音読して覚えて書か書き写すようにするという作業を繰り返し、全文を書き取ること。

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著者プロフィール

藤本篤志(ふじもと あつし)

1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月、株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。おもに営業コンサルティング事業、人材育成コンサルティング事業、働き方バランスサポートシステム事業をおこなう。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし、数多くの営業改革を成功へ導く。『営業の問題地図』(技術評論社)、『御社の営業がダメな理由』『どん底営業部が常勝軍団になるまで』(新潮新書)、『御社営業部の「病気」治します』(日本経済新聞出版社)、『部下は取り替えても、変わらない!』(すばる舎)ほか著書多数。
ホームページ:http://eigyorevolution.com/

「2020年 『テレワークでも売れる新しい営業様式 ~直接会わずに成果を出すテクニックとマネジメントとは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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