テレビ局削減論 (新潮新書 449)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104497

作品紹介・あらすじ

時間を水増しした特番、タレントが空騒ぎするバラエティ、増殖を続ける通販番組…視聴者離れに歯止めはかからず、広告費も減少の一途。メディアの帝王は瀕死の状態である。視る側も作る側も不幸なこの構造を変えるには、もはや民放ネット局の削減しかない。ビジネスモデルとしてのテレビを俯瞰して辿りついた結論は「民放3NHK1の4大ネットワーク」への大転換である。元テレビ局役員が放つ渾身のメディア論。

感想・レビュー・書評

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  • 昔からそんなにテレビを見る方ではなかったのですが、
    ここ数年、ほんとに見なくなりました、、スポーツとニュース位ですかね。

    たまに見続けるドラマも、リアルタイムで見ることはまずありません。

    これはそんなテレビの現状に警鐘を鳴らした一冊、、になるのでしょうか。
    現状の「食ってばかり」「通販ばかり」「どこも同じ」とは、確かに言い得て妙です。

    - 公正・中立なジャーナリズムとしての立場を確立しなければならない

    そして、問題意識として持っているこの点も、理解できる内容です。
    物足りなかったのは、どうして現状がこうなっているのか、まで踏み込めていない点でしょうか。

    "権力機構"や"ネット情報"に対峙しうるのは"テレビ"のみとの気炎は頼もしいですが、
    最近でいえば、読売巨人の反社会勢力への献金問題などへの追及が封殺されている点など、、

    既存メディア(テレビ・ラジオ・新聞)や既存の芸能業界の根っこにある、
    "特定勢力"に対する自浄作用が働いていない点には言及できていません。

    意識して見ないようにしているのか、本当に知らないのかはわかりませんが、
    どちらにせよその点に言及できないと、画餅のまま終わり、衰退していくだけでしょうね。

    個人的には、面白いコンテンツが配信される環境であれば、
    既存のテレビにこだわるつもりもなく、CATVの形態で十分と、感じています。

  • 2011年刊行。◆阿鼻叫喚のテレビ局の実情を開陳し、よい作品が減少する実情を嘆きつつ、その解決策については、東京のキー局削減論を展開する。しかし、それでは不十分か。つまり、①ローカル局の地域的な統合による局数減(この点は関東ローカルも含む)、②キー局システムの打破、③UHF局の電波が届くのを県単位を超越することを広く容認。この方が地域の独自性、情報の東京発信集中を避けられるのでは…。◆なお、衛星放送の東京キー局独占は極めて問題。

  • 海外でもネットワークは5つもないから削減というのが趣旨だと思うが、テレビのライバルはテレビで無し、他のメディアになりつつあるのも一つの側面。

  • どこをどう削減するのかまで聞きたかったなあ。結論に触れた部分が終章のみで少し残念。

    個人的にはテレビ離れって言うほどそんなに進んでない気がする…。いわゆる受像機としてのテレビは使わないけど、コンテンツとしてのテレビは全然死んでない、というか、昔とそんなに変わってないのでは。テレビの話題で世間話が盛り上がるし。民放のVODもお金払って見るし。Twitterのバズワードもテレビ由来の言葉多いし。
    つまらないとは言っても、視聴者層のレベルをそのまま反映してるだけなんじゃないかなあ、とか。いくら良質な報道番組を作っても視聴者が見てくれないなら意味がない。
    貧乏な地方局でも良い番組はこれまでたくさん作ってきたし、単に費用の問題だけではないと思う。

    報道の中立性や公平性の確保に関しては同意。しかしそれが必要だからこそ、様々なカラーの放送局の中から視聴者が見たいものを選べるという環境も大事な気もする。

    まあたしかに24時間休みなく放送してる必要はないかな

  • 自分用キーワード
    検索連動型広告 ビデオリサーチ 放送外収入(局による劇場映画の作製、テレビ通販など) テレポリティクス  ナベプロ王国 発掘あるある大事典(制作費と制作体制の問題が浮き彫りになった) 中川勇樹『テレビ局の裏側』 南ベトナム海兵大隊戦記(日本テレビが作ったドキュメンタリー) 闇の波濤からー北朝鮮発・対南工作(横田めぐみさん拉致事件の発掘に繫がったドキュメンタリー) サバイバルオブニューオリンズ(ハリケーンを取り扱ったドキュメンタリー) フラッシュモブ ひとりっ子(反自衛隊をテーマにしたという理由で放送中止へ。その後第一回テレビ記者会賞受賞) マスメディア集中排除原則 クロスオーナーシップ 

  • 300252921  S699.21-シン-449

  • 授業用

  • かなり説得力があって面白い
    あとは総務省の出方ですねえ
    で、やっぱり系列の削減は無理でしょう
    4.2点

  • テレビ業界を取り巻く実態がよくわかった。

  • 昨夜(4/21)の「世界ふしぎ発見」にある映画出演者数名が、告知の為に出演していて愕然。そんな番組だったけ?

    通販だけでなく、最近はとにかく番宣・告知がらみが多すぎる。

    「見る側も作る側も不幸なこの構造を変えるには、もはや民放ネット局の削減しかない」と著者と言い切る。

    テレビの側の人間(しかも元常務)から見た構造上の問題点を指摘。

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著者プロフィール

一九三四年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文化放送を経て、東京12チャンネル(現テレビ東京)に入社。常務取締役を務めた後、自ら設立に携わった系列の通販会社プロントの社長となる。著書に『テレビ番外地』、『テレビ局削減論』、『生誕101年 「カミュ」に学ぶ本当の正義』、共著に『通販』などがある。

「2019年 『われら軍人の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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