勝海舟の腹芸: 明治めちゃくちゃ物語 (新潮新書 455)

著者 :
  • 新潮社
3.46
  • (4)
  • (12)
  • (7)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 96
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104558

作品紹介・あらすじ

維新の志士はみな傑物、明治は華やかな新時代-というのは教科書の中の幻想。デタラメな新政府と死に損ないの旧幕府がせめぎあい、実情はまさに大混乱!家来を捨てて逃げ出す慶喜、奸計を巡らす岩倉具視、世間知らずの公卿たち…。その間を取り持って勝海舟は孤軍奮闘!敗者は非情な淘汰で歴史から消え、勝者は好き勝手に国を創る。最終決戦・戊辰戦争を軸に、「めちゃくちゃ」な政権交代劇を描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 薩長の討幕って、今でいえば学生運動をやってたらほんとに政府を倒しちゃった、みたいな感覚だろうか。しかしこれだけメチャクチャ、場当たりで始まった明治時代ではあるが、その後の発展は人類史上類を見ないもの。日本人ってすごい。

  • さっぱりしたように見えた明治維新について知りたくて図書館で借りる。文字通りめちゃくちゃな明治維新期の出来事を詰め込んだ書籍。知識の薄い私には少し読み進めるのに時間がかかったが、無理のない程度の引用と、鼻につかない程度の斜に構えた筆致で面白く読み進められた。江戸無血開城や、維新の言葉から、クリーンで明るいイメージを持ちがちだが、本当に理不尽に、不義理に血の流れた時代であったことを知る。勝海舟はあまり出てこない。

  • タイトルは違えど幕末バトルロワイヤルの続き。勝海舟はそんなにでてこない。薩摩藩邸焼討から五稜郭まで。三斗小屋の惨劇の詳細を知った。仲裁者のいない内戦 は報復が連鎖し凄惨なものになるのだろうとは想像するが、被支配者層であり非戦闘員な農民にここまで残酷なこと出来るものなのかとドン引きどころじゃなかっ た。

  • たしかに、めちゃくちゃですが、面白いです。

  • 『週刊新潮』連載記事。明治回天録と明治滅法録の2部構成。1部は品川沖海戦から近藤勇斬首まで、2部は小栗上野斬首から箱館湾の海戦あたりまで。「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズの流れだったのか。「明治めちゃくちゃ物語」とはなっているけど、まだまだ幕末の雰囲気。

  • 徳川慶喜「すべて勝の談話とて世に伝うるものには、多少の誇張あるを免れず」(昔夢会筆記1)

  • 大村益次郎はやはりすごいんだな。ストーンウォールをアメリカから渡されないとなると、その資金を上野の彰義隊掃討につかって半日で決着つけてる‥とは。

  • 勝海舟の腹芸というより、明治めちゃくちゃ物語の方が内容に合っていると思う。
    考えてみれば当然のことだが、政権が変わり、支配者が変わったのだからすんなり江戸から明治に代わるわけがなく、そのドタバタが本当にひどいもんである。それに匹敵するのが今の日本のようにも思うが、江戸末期から日本の政治の動かし方は変わってないのだろうか?

  • 2012/04/30-17:21 題名に騙された

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。

    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号289.1//N93

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

野口武彦(のぐち・たけひこ)
1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家─歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞、2021年に兵庫県文化賞を受賞。著書多数。最近の作品に『元禄六花撰』『元禄五芒星』(いずれも講談社)などがある。


「2022年 『開化奇譚集 明治伏魔殿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口武彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×