- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104954
作品紹介・あらすじ
吉良邸討ち入りに費やされた軍資金は「約七百両」-武器購入費から潜伏中の会議費、住居費、飲食費に至るまで、大石内蔵助は、その使途の詳細を記した会計帳簿を遺していた。上野介の首を狙う赤穂浪士の行動を金銭面から裏付ける稀有な記録。それは、浪士たちの揺れる心の動きまでをも、数字によって雄弁に物語っていた。歴史的大事件の深層を一級史料から読み解く。「決算書」=史料『預置候金銀請払帳』を全文載録。
感想・レビュー・書評
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衝動買いしましたが、マニアックすぎて最後の方はついていけませんでした。前半は面白かったです。
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ことを成すには、やっぱりお金が必要。改めて感じた。
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20201124
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史料『金銀請払帳』に記された予算支出額と使途内容から、赤穂浪士の動きを分析した一冊。現代人の価値観では武士の倫理観は難解。討ち入りを美談と言われても腑に落ちませんが、浅野家全体に対する元家老・大石内蔵助の忠誠心から辿り着いた結末としては納得できます。美学だけで予算管理はできません。周りから色々言われても、内蔵助に標準以上の統率力と管理能力が備わっていたから成功したのだと思いました。
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はじめに
序章 赤穂事件と「決算書」
第一章 お取り潰しと清算処理
第二章 軍資金と浪人生活
第三章 討ち入り計画の支出項目
第四章 討ち入りの収支決算
終章 一級資料が語るもの
おわりに
主要参考史料一覧
史料 『預置候金銀請払帳』 -
映画「決算!忠臣蔵」はまだ観てないけど、
その原作としての本書を読んでみた。
小説のような面白味はなかったけど、
細かな資料が現存していることに驚いた。
討ち入り直前には、お金がなくなっていたこと。
赤穂浪士の切腹の意味。
吉良上野介をなぜ卑怯者とするかなどがよくわかった。
また、討ち入り浪士の子孫たちが、
それぞれに取り立てられていることも興味深かった。 -
幕藩体制下の藩政や武士階級の階層別身分制度、流通貨幣の現在相場換算などが分かりやすかった。
史料に基づいた研究書となれば、専門用語が多くて苦慮するが噛み砕いた内容解説と金銀請払帳の史料批判が大変面白かった。