日本人には二種類いる: 1960年の断層 (新潮新書 540)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105401

作品紹介・あらすじ

実証的な新日本人論の誕生! 食卓を中心に日本人を見つめてきた著者が到達したのは、生育環境が一変する「1960年の断層」だった。「個」と「家族」、人との関係性を変え、日本人を二分する「断層」を35の視点で炙り出す。

感想・レビュー・書評

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  •  1960年以降に生まれた日本人は、それ以前に生まれた日本人と明らかに異質であるということを35項目のデータで分析した本。
     1960年に生まれた人間が成長するのに合わせるかのように、新商品や文化が生まれ、彼らの考え方をも形作っていったと著者は説く。新しい住まいや育児書に家電製品に食べ物…と、確かにエポックメーキングな出来事が歩調を合わせるように生まれているのがわかる。

     発売時期や普及率などの白書データを次から次に羅列するのだが、それらはあくまで現象であって、どれだけ日本人のメンタリティに影響を及ぼしたかは著者の類推に過ぎず、いまいち納得感がなかった。調査人数が67人しかないものなど、中には「1960年の断層」を証明する都合のよいデータを集めているのでは、と思われる部分もある。最も違和感を抱く原因は、社会と人間を一方通行的な関係で分析している視点だろう。

     著者は『家族の勝手でしょ!』のような、もっと泥臭く現場に寄り添った仕事の方が合っている気がする。

  • 個人的には、1960年を境に大家族制が崩壊し、核家族への移行が本格化したということが重要だと思う。
    他の断層としては昭和50年(1975年)がある。
    この年以降に生まれた人は、これ以前に比べて超安定志向に変化している。

  • 昭和の大衆史、というような歴史書って感じ。

    '60年型と旧型がもちろんすべての人に当てはまらないのは当然として、
    大まかに1960年を境に急激な変化があったんだなということはわかる。

  • <目次>
    省略

    <内容>
    35種のことを挙げて(例えば、テレビ普及率、子供部屋、ファストフードなど)、1960年台前半(私はピンポイントだが)が、日本人の大きな分かれ目だったと指摘する。私的には20世紀終わりぐらいにもう一つ境目があるような気がするが…
    横須賀市立図書館

  • 2017年1月24日読了

  • 2014年11月15日、3刷、並、帯無
    2016年1月26日、松阪BF
    久米書店

  • 後半にかけて、データのこじつけ感は否めないけど、血液型占いに似たような”あってる、あってない”といった楽しみ方が出来て、一気読みできました。

  • 一気に読破した.小生「旧型」だが、どの章でも思い当たることが沢山あった.「60年型」は育った環境が「旧型」とは全く異なっており、その辺りをよく理解して付き合えば、同じ人種だからそれなりの共通点は見いだせると感じた.
    でも、多くの観点からよく調べている!

  • 「久米書店」を観て。

  • ひたすら全編にわたり60年以前に生まれた旧型世代と、それ以降の60年型との違いをしらみつぶしに列挙しているけど、強引かつ意識過剰だと思う。確かに高度成長期にあって時代は大きく動いていたので、新しい風潮やさまざまな文化が導入されて、それ以前の世代とは違った環境で育ったのは事実だけれど、それはいつの時代にもあること。まして昨今のITネット革命やユニバーサル化でもたらされた時代変遷だって、決して劣ることのない大変革期だと思う。著者がティーンを過ごした60年代があまりにも強烈だったので、こだわりが強すぎるのでは?

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著者プロフィール

1953年北海道生まれ。法政大学卒。大手広告会社勤務等を経て、現在大正大学客員教授、日本能率協会総合研究所客員研究員。1960年以降生まれの人びとを対象とした20年に及ぶ継続的な調査研究に基づき、現代の家庭や社会に起きるさまざまな現象を読み解くことをテーマにしている。著書に『変わる家族 変わる食卓』『「親の顔が見てみたい!」調査』『普通の家族がいちばん怖い』『家族の勝手でしょ!』『日本人には二種類いる』など。第2回辻静雄食文化賞受賞。

「2017年 『残念和食にもワケがある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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