明治めちゃくちゃ物語 維新の後始末 (新潮新書 548)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105487

作品紹介・あらすじ

サムライはどう殺されたのか? 失業した武士をどうするか? 幕府の借金を返すには? 列強から国を守れるのか? たった十年で日本を激変させた明治新政府の苦闘を描きながら、近代国家の本質に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 週刊新潮に連載していた軽めの歴史エッセイと思われるでしょうが、かなり名作だと思う。日本史の大きな転換点だがわれわれが理解していない明治初年を、人々がどう生きたのかを中心に伝えてくれる。

  • あらためて、明治維新は紛れもなく革命だった。その中には3つの革命を孕んでいる。
    ①政治権力を徳川幕府から奪った政治革命。
    ②廃藩置県という、もうひとつのクーデターで封建支配層の力を骨抜きにした社会革命。
    ③その総仕上げとし、職業としての武士を潰した秩禄処分を断行した経済革命。

    多くの血が流れた上に樹立された明治国家。その当事者たちにとっては、「違うぞ!こんなはずではなかった!!」という悲憤慷慨が渦巻く。朝廷政治の復権を目指した岩倉具視。徳川に代わって将軍になれると信じた島津久光。癒着・汚職に手を染める新政府高官を許せない西郷隆盛。血を流したにも報われないと知った雄藩士族…。ビジョンの交錯。思惑の激突・同床異夢。

    西南戦争終結までの10年間。ただひたすらに国家造営の精励した旧サムライのすさまじい悪戦苦闘ぶりが理解できる好著。

  • 思ってたのと違った。
    投げた。

  • 明治のゴタゴタは現代人に知られない

  • 維新後、理想通りには行かずそれぞれの思惑が複雑に絡み合っているんだなぁ。今も昔も、きれい事ではないのですね。

  • 箱館戦争が終結してしまうと、私の幕末維新史への関心ががくっと落ちる……んー、というほどでもなく、会津が斗南藩で再興を志して苦労するとか、榎本武揚や大鳥圭介が五年投獄された後に官僚として取り立てられて活躍するとか、斎藤一改め山口次郎改め藤田五郎となった方が西南戦争では抜刀隊に入隊して佐川官兵衛らとともに奮戦するとか(熊本の攻防では谷干城を補佐して山川浩が活躍する)、ピンポイントでは知っているのですが、やはり関心の源が幕末なのでちょっとずつずれていくのです。
    とりあえず私は、西郷隆盛を神格化しない派です。

  • 江戸から明治に変わるのは、そんな単純な話じゃない。グダグダながら一気にやりきったから、今の日本がある。今もグダグダなのは、そのときのなごり?

  • このシリーズの最後の1冊ということで、残念です。
    勉強になりました。

  • ≪目次≫
    第1部 明治無限録
    第2部 明治反乱録

    ≪内容≫
    週刊新潮に連載されていた歴史読み物シリーズの最終巻。著者が序文で述べている通り、当時は取るに足りぬ話だが、今から眺めれば、その後の歴史のうねりの一端をしっかりと占めていた、と気づかされる物語が続く。
    読むべし!と言いたい。

  • 積読本レビュー
    時代の大転換には歪みもあろう。そこに焦点を当てた視点に惹かれて買った。早く読んでみたい。

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著者プロフィール

野口武彦(のぐち・たけひこ)
1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学第一文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家─歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞、2021年に兵庫県文化賞を受賞。著書多数。最近の作品に『元禄六花撰』『元禄五芒星』(いずれも講談社)などがある。


「2022年 『開化奇譚集 明治伏魔殿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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