見えない世界戦争 「サイバー戦」最新報告 (新潮新書)

  • 新潮社 (2014年10月17日発売)
3.05
  • (1)
  • (6)
  • (8)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 69
感想 : 10
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784106105920

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世界各地でのサイバー戦の実態を俯瞰。中国のみならず各国入り乱れてのサイバー世界戦の様相に驚きを禁じ得ない。日本は大丈夫か。

  • アメリカNSA(国家安全保障局)による悪質な個人情報収集の実態を暴露した元職員のエドワード・スノーデンが2013年に指名手配となり、ロシアに亡命したニュースは記憶に新しい。米英を初めとする先進国だけでなく、ロシアや中国を巻き込んだ「情報戦争」は実はもうとっくに始まっており、世界中のあらゆる情報通信が行き交うサイバー空間は、今や陸・海・空・宇宙に次ぐ「第五の戦場」と化している。産経新聞のロンドン支局長を務め、現在もイギリスを拠点に国際ジャーナリストとして活躍する著者が世界サイバー戦争の実態を描いた一冊で、特に「軍産学民」が一体化した中国の脅威は日本人として是非とも知っておくべき。憲法9条や個人情報保護法とかの足枷(あしかせ)によって圧倒的に出遅れ、他国からやられ放題の日本は「サイバー防衛先進国」などという生半可なレベルを目指してる場合ではない?

  • 【由来】
    ・確か週刊TK

    【期待したもの】
    ・概要ぐらいは知っておきたい。

    【ノート】
    ・ニーモシネ

    ・「世界戦争」というタイトルは、あながち大げさというわけでもない。本書を読み進めていくと、そのことが分かる。

    ・中国のサイバー部隊について、どんな部隊構成になっているかまで判明しているのに驚いた。ジャーナリストが知り得る情報のレベルでこれなのだから、実際はもっと深くまで把握しているのだろう。この分野における中国の実力アップには侮れないものがあり、それが、大学などの研究機関との連携によるところが大きいというのは日本にとっても示唆的(テルアビブ大学には「サイバー戦争プログラム部」というのがあるらしい)。ただ、現地時間の夕方5時以降は活動がかなり減少するということで、かなり公務員根性でやってるらしいとの一文は、微笑ましいというか何というか。なお、サイバー部隊については、イランやシリアも台頭してきているし、北朝鮮も侮れないらしい。また、エストニアがIT立国を目指して頑張ってるってのは本書で初めて知った。

    ・ドローンによる攻撃が、NSAのプリズムで収集されているメタデータをもとに、音声などでターゲットを判別して自動的に行われるようになっているというのには戦慄した。その結果、子供も含めた巻き添えが数多く出ており、時の人であるマララさんも、事態がパキスタンで頻発しているため、オバマ大統領に直訴したらしい。

    ・イランの核開発で、遠心機を制御するコンピューターにウィルスを仕込んだという話がかつて報道されたが、これは米国NSAとイスラエルの情報機関の協同作戦であり、スタンドアローンで稼働していたイランのPC(普通にWindows機を使ってたらしい)にメモリスティック等経由で仕込んだらしい。このウィルスは、原因が同じでないように巧妙な異常動作をするので、イランの研究者は自分達の手法に落ち度があるのではないかとかなり悩んだらしく、これが大きなタイムロスになった。

    ・一方、キツい環境で鍛えられたイスラエルでは対サイバー戦能力が必然的に向上し、世界でもトップレベルになった。中国は、高いセキュリティ技術を持つイスラエルと手を結びたくて、一方のイスラエルは、国連安保理の常任理事国である中国の影響力が欲しい。安倍首相がイスラエルと安全保障分野で提携したのは、そんな背景もあったからというのが著者の見立て。

    ・これからは、戦闘時にはサイバー攻撃が伴うのがデフォルトになる。戦闘開始時に官公庁のネットワークがダウンしたり、銀行のネットワークがおかしくなったりしたら、確かにパニックが増大して、相手の戦力を削ぐことになるだろう。
     今年、言葉としての流通量が増えそうな「IoT(Internet of Things)」だが、こういう話を聞くと、あまり推進するのも諸刃の刃だなと思う。インターネットからの鎖国というのも、自衛手段として考えていくことが必要な時代になってきている。最期に一例のリンク。
    <a href="http://japanese.ruvr.ru/news/2014_09_19/277492049/" target="_blank">ロシア、インターネットからの独立を検討</a>

    【目次】
    第1章 せめぎあう仮想と現実
     デジタル・フォレンジック
     PC遠隔操作事件の教訓 ほか
    第2章 軍産学民が一体化した中国の脅威(サイバー義勇軍
     中国紅客連盟」とは
     グーグルvs.金盾工程の行方 ほか
    第3章 スノーデン事件に揺れる米英シギント同盟
     「トンネル」から出てきた男
     ウィキリークスを凌駕する秘匿性 ほか
    第4章 終わりなきドラグネット合戦への警鐘
     プライバシーと安全で揺れる司法判断
     現実味を増す重要インフラへのサイバー攻撃 ほか
    第5章 リアルを侵蝕するサイバー戦の前途
     暗殺されたイランのサイバー司令官
     「スタックスネット」ウイルスの暗躍 ほか

  • タイトルに「最新報告」とあるが、執筆時点でのFactの収集に重点を置いて執筆されたように感じた。
    いろいろなFactに触れられてはいるが、全体を通して著者がそこからな何を訴えようとしているのかの主張がよくわからなかった。単に、危険が増しているという注意喚起をしたいだけか。それに対してどのように対策を練るべきかという点が主張であるべきだと思えるのだが。
    それぞれのFactについては別によく書かれた本があるので、そちらを読むほうが有益であるように思う。

  • 日本では技術の視点に偏りがちな「サイバーセキュリティ」を、社会、安全保障の視点から記述した書。サイバー空間の「情報戦」の多様さに注目。技術だけでなく、制度、政策面での対応の重要さをあらためて感じる。

  • サイバー戦争なんて、裏じゃ普通にやられているものだし、そこに中国ががっつりかんでいることがとても怖いものがある。

  • 4〜5

  •  本書は「サイバー戦争」という見えない世界で起きている出来事を詳細に紹介しているが、軍事大国アメリカがこの世界でも強大な戦力を保持していることが分かる。
     しかし、天才的な個人が活躍する余地があることをも証明していることからも、この世界がまだまだ発展途上であることがわかる。
     本書で紹介している内容は、初めて知る内容は少ないが、ネットのさきに何があるのかがよくわかる興味深い本であると思う。

  • サイバーテロ対策法制化(^-^)待ったなしですね。

  • 中国紅客連盟の名前が世界中に鳴り響いたのは2001年4月、アメリカ海軍の電子偵察機が南シナ海の公海上空で中国人民解放軍の戦闘機と接触した事件だった。

    解放軍が史バー活動を重視し始めたのは1991年、湾岸戦争でイラク軍があまりにもあっけなく多国籍軍に負けたことに衝撃を受けたのがきっかけだった。

    サイバースペースでのグレートゲーム(スパイ活動)
    アメリカがサイバースパイを割り出したのは、重要なステップえ今後はサイバースペースでも起訴されるリスクや制約を意識しなければならなくなる。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

木村 正人(キムラ マサト)
1976年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻満期退学。現在、東洋大学社会学部教授。共著に『知の社会学の可能性』(学文社、2019年)などがある。

「2025年 『法現象学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木村正人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×