寂しさの力 (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106118

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  • 『寂しさの力』(中森明夫)
    読後、しばらく「寂しい」という感覚を思い起こしてみた。
    私はひとりでいることが多い、けど、孤独感を感じることはそれほどない。もう慣れたからなのか、人間はそういう者だと思っているからなのか、わからないが。でも、とてつもない「寂しさ」に襲われることはよくある。

    繋がりの世の中と言われてSNSがそれを支え、網の目を巡らせているこの現代社会であっても、決して人「寂しさ」を埋めることはできない。
    モノを大量に生産して、それに囲まれていても、彼女を作って心身ともに繋がりを持てたとしても、あるいはそれら全てを叶えられる巨額の富を抱えても「寂しさ」から逃れることはできない。ということも経験してきた。

    なのに、人間はこの「寂しさ」から遮二無二逃れようとして色々と奮闘する。そのために生きてるようにも思えてしまうくらいに、そこから逃れるために死を選ぶ人もいる。
    「人間が社会的動物」である故がこんなところに現れている。

    この「寂しさ」に焦点をあてて、人物を見つめ、描いた作品。
    こうやって、人間の逃れられない小さな感情をもとに世の中をひっくり返して見つめる作品は想像力を豊かにさせてくれる。

    身近なアイドル・芸能人・著名人の寂しさが宿る「影」を紹介しながら進んでいくので読みやすい。

  • 芸能ライターの著者が、文字通り「寂しさが生み出す力」について語った一冊。

    芸能人などは寂しいが故に発する光があり、孤独が故に妥協せずに努力するなど、まさにその通りだと思う反面、そういう人はたとえ成功しても安住の地を見出すことができず、たとえ社会的成功を手にしても気の毒だと思った。

  • 人は何故寂しくなるのか。
    私は何故寂しいのか。
    寂しさとはいったいなんなのか。
    芸能人を例にとって,寂しさを考えることができる本。新書だが、少し感動した。

  • 2015年の23冊目です。

    人間を突き動かすのは、”寂しさ”であるという著者の人生経験から生み出された考えに基づいて書かれた本です。
    数々の偉人たちの心にも”寂しさ”が宿り、それが彼らを偉人たらしめるエネルギーになっていると説いています。
    ウォルト・ディズニー、ヒトラー、坂本竜馬、スティーブ・ジョブズらがその人生に寂しさを抱えて生きていたことを描いています。しかし、寂しい人ほど成功するといった単純な話ではないことも確かなことです。文脈的には寂しさが、人の行動力の源泉になると言っているが、それができて、自分の人生を切り開く力に変えれた人は一握りに過ぎないということも確かだあろうと思います。
    前述した偉人達がその一握りの人達だろうと思う。
    これらの偉人のほかに、酒井法子やユーミン、中島みゆきのさみしさにも触れています。(さすがアイドル評論家といったところです)

    余談ですが、著者の中森明夫は、作家村上龍のエッセイには、秋元康らとともに新人類の代表格に挙げられていました。(あまり好意的な書き方とは思えませんでしたが)

  • もっと寂しくあろう、寂しさにどっぷり浸かっていていい、と思った。

  • ジョブスも、ディズニーも、山口百恵も、ヒトラーもみんな寂しさがバネになって、活躍したのだと説く。自身の話も多く、情緒的な部分もあるが、読みやすくまあまあおもしろかった。

著者プロフィール

1960年生まれ。作家・アイドル評論家。著書に、『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮社)、『学校で愛するということ』(角川書店)、『アイドルにっぽん』(新潮社)など。

「2013年 『午前32時の能年玲奈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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