日本人が知らない漁業の大問題 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106125

作品紹介・あらすじ

誰が漁業を殺すのか。「魚食」廃れて国滅ぶ――。衰退し続ける漁の現場、揺らぐ流通・小売と魚食文化、的外れの政策……新聞やテレビでは報じられない、漁業を取りまく深刻な構造問題を気鋭の水産学者が徹底検証。

感想・レビュー・書評

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  • 肥料もいらない海が巨大な耕地に替わる役割を果たしていて、十分な動物性蛋白質を海から供給できるのは、日本の国際的なストロングポイント。将来の動物性蛋白質の自給体制を守っていくためには、水産業を安定的に維持していくことが重要になる。本書は水産業を取り巻く真に重要な現実を語る。養殖に過剰な期待は寄せられないこと。ファーストフィッシュ・サーモン・ブランド化の問題。マグロやウナギが食べられなくなるかもしれないというのはごくごく小さな問題であること。水産物の自給率は60%。これは絶対に死守しなければならない生命線だ。

  •  四方を海に囲まれ豊かな漁業資源に恵まれた日本では、これまでさまざまな海産物が食卓に並んでいたが、漁獲量の減少や養殖礼賛の波に押されてトロやサーモンなど嗜好の単一化が始まり、せっかくの漁食文化が衰退しつつあるという。
     企業がやることがすべて悪とは言わないが、ノルウェーのように漁業を大資本が握りさらに証券化した結果、地域の漁村がどんどん衰退していく愚は避けたい。
     めったに口にしない高級魚の漁獲量を心配するよりも、近海で捕れる安くて美味しい魚を食べられるようになってほしい。

  • 日本人も2008年を境に魚介類より肉類の摂取量が多くなったのかぁ。食生活のガイジン化はもちろん感じるけど、若い世代がこれほど魚を食べなくなってるとは。家庭では魚をさばかず、スーパーでは年中代わり映えのしない刺身パックが並ぶ。サンマとか丸焼きしても、食べなれていない若者は骨を除くのが下手で、面倒だし食べ残しが汚くて嫌厭する。食卓でも、弁当のおかずでも、回転寿司に行っても、輸入もんのサーモン、サケばっかし食ってる日本人ねぇ。水産物の流通をめぐり、漁業者、漁協、卸売、小売そして消費者それぞれの問題を改めて学ぶ。

  • p97以下の「卸売市場システムは近代の傑作」は日毎に季節毎にめまぐるしく変化する水産資源を安全に効率的に消費する素晴らしいシステムであることを分かりやすく述べている.それぞれの段階でプロが的確な判断をしている.大手スーパーの考える画一的な消費形態とは全く異なる発想だ.HACCPに代表される欧米由来の安全性認証システムは、それに携わる人がプロでないことを前提にしたもので、日本の卸売市場とは全く別物だとの指摘は的を射ている.

  • 漁業について俯瞰的、全般的に述べられている。しかしながら批判的なところが多い。参考になった。

  • 京都大学法学部出身なのに水産系に進んだ先生の著書。現在の漁業の問題がわかりやすく書かれています。日本本来の魚を食べる文化を取り戻すべきだというのが根底にあるようで、共感できました。漁業の問題は多くの人に知って欲しいところであります。

  • 誰にとっての問題なのかよくわからない問題提起と、なぜその結論に帰着するのかよくわからない検討過程が多々あった。ベースとなる事実の検証はきちんとされているようなので、筆者の価値観に基づく検討と割り切るならそれはそれでよいと思うが、私のニーズには合わなかった。

  • 日本の漁業って、やっぱり大変で儲からないのね。若者がやらないわけだ。

  • 素人でも読み易かった。

  • クロマグロが絶滅しそうだとか、それなら養殖したらいいじゃないかとか、この程度しか知らない人間には、ここまで漁業を取り巻く環境がよくないとは思わなかった。

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