騙されてたまるか 調査報道の裏側 (新潮新書)

  • 新潮社 (2015年7月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784106106255

作品紹介・あらすじ

凄絶な現場でつかんだ、“真偽”を見極める力とは――。桶川ストーカー殺人事件や足利事件の調査報道で社会を大きく動かした記者が、隠された“真実”に迫るプロセスを初めて明かす。報道の原点を問う、記者人生の集大成。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

真偽を見極める力をテーマに、著者が調査報道の手法とその重要性を探求する内容です。著者は、桶川ストーカー殺人事件や足利事件などの実際の事件を通じて、報道の裏側を明らかにし、執念を持って真実を追求する姿勢...

感想・レビュー・書評

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  • 調査報道。
    初めて聞いた言葉。

    いろんな事件が少しずつ書かれていて読みやすかった。
    犯人を追ってブラジルまで行くとか、もはや執念だな。

  • 筆者の清水潔は、「桶川ストーカー殺人事件」や「殺人犯はそこにいる」等の、傑作ノンフィクションを書いた人である。本書は、それらの事件を含めた、清水潔の「調査報道」のやり方を筆者なりに書いたものである。

    感想文を書くこと、それ以前に、読書をするのが1週間ぶりくらいである。
    先週の水曜日にインフルエンザに罹患し、ずっと寝込んでいた。毎年インフルエンザの予防接種を受けており、最後に罹患したのはいつか分からないくらい昔が話だ。住先週水曜日の午前中から喉が痛いな、と感じていたが、午後~夕方になり熱が急激に上がり、39度を大きく超えた。数日間は、ほぼ寝たきりとなり、金曜日くらいから熱が下がり始め、外に買い物に出かけたのは今日になってから(その間、もちろん、家族が面倒を見てくれていたのだが)という状態だった。
    昨年来、感染症に関しては、あまりついていない。
    昨年の3-4月にかけてコロナ陽性、この時には、無症状だったので、自分自身は問題なかったのであるが、外に出かけられずに困った。
    秋に4回目のコロナワクチン接種。初めて副反応として高熱が出てしまった。コロナになっても無症状で何もなかったが、ワクチンで高熱が出るのは何だかな、とも思った。
    そして、今年は今回のインフルエンザ。
    コロナもインフルエンザも経験したので、しばらくは大丈夫では?と根拠なく思っている。

  • 清水潔『騙されてたまるか 調査報道の裏側』新潮新書。

    調査報道の先駆けにして調査報道の第一人者である清水潔が描いた報道の裏側。あの文庫Xのネタ本『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』や『桶川ストーカー殺人事件 遺言』を描いた著者だけのことはあり、頁数は少ないながらも読み応えのある凄い内容だった。

    発表報道の対極にある調査報道。調査報道に対する姿勢は受け身ではなく、自ら事件の現場や核心部に飛び込み、自らの力で真偽を見極める力が必要となる。清水潔はそんな調査報道の在り方や方向性を示すと共に社会をも大きく動かし続けてきた。信用出来ない警察や政府の発表、自らの犯行を隠すための犯人の嘘がマスコミの報道内容を歪め、デマがデマを産むという悪循環。この悪循環を断ち切るための方策は…清水潔が報道の在り方に対して果たした役割は大きい。

  • 調査報道の真髄を、過去作を概観する形で整理。こちらを読んでから他の著作に当たるのも良。色々と読み返したくなった。ただこれ、一歩間違えば命を失いかねない...。バランス感覚をどのように取っているのだろう。
    「記者に“真意”を読み取る力がなければ、情報は簡単に操られるということだ。」

  • 「殺人犯はそこにいる(足利事件の菅谷さん冤罪事件)」、「桶川ストーカー殺人事件」の調査報道で社会に大きな影響を与えた著者が調査報道のありかたについて、これら2冊の著作以外の案件も踏まえて述べたノンフィクション。
    発表報道(対象が報道して欲しい内容を伝える)の対局としての調査報道(対象が報道して欲しくない内容を裏付け捜査をもとに伝える)の重要性、調査報道の現場で遭遇する種々の困難について著者のリアルな体験をもとに描かれています。「記者クラブ」という権力を保持する側の御用ジャーナリズムと化す発表報道の現場、記者会見現場で発表者の発言の真意を汲み取る努力ではなく、ただ”正確”にノートパソコンで発言をトレースすることだけに注力する昨今の報道現場など、著者が問題視する報道の在り方と、著者が重要視するポリシーが様々な事例を絡めて述べられています。
    「100取材して10を書け。10しか分からなければ、1しか書くな」という著者のポリシーは説得力があります。報道とプライバシーの関りとか、報道の自由とか、政権との距離感など報道をめぐる問題が昨今は本当に多い気がします。それらに対して、1本筋の通った回答を述べられているのが本書の著者清水氏ではないかと思います。
    本書にも触れられていますが、著者のスタイルを貫き通すと、様々な軋轢を生んだり(時には同業他社の報道関係者から)嫌がらせを受けるというのが今の日本だということですが、それに負けずにこれからも一本筋の通った調査報道を続けていただきたいですし、清水氏の次の著書を楽しみにしたいと思います。

  •  一昨年の力作『殺人犯はここにいる』で読者の度肝を抜いた日本テレビ報道局記者が、これまでかかわった調査報道から生まれたエピソードを綴った本。「記者人生の集大成」(本の惹句)であり、「ベスト・オブ清水潔」ともいうべき一冊だ。

     『殺人犯はここにいる』で追った「足利事件」(菅家利和さんの冤罪事件)や、著者のもう一つの代表作『桶川ストーカー殺人事件 遺言』の舞台裏についても、それぞれ一章を割いて紹介している。
     ほかにも、故郷のブラジルに逃げた強盗殺人犯を現地まで追いつめていく話など、どの章のエピソードも執念の追跡ぶりがすさまじい。真実を追い求めるためにここまで徹底的に取材するジャーナリストが、ほかにいるだろうか。著者の記者魂やよし。

     エピソード集として読んでもバツグンに面白いし、体験的・実践的ジャーナリズム論としても読みごたえがある。

     最終章の「命さえ奪った発表報道――太平洋戦争」だけはやや異質で、戦時中の「大本営発表」に翻弄された一組の男女(婚約者が特攻隊員となり、結婚を目前にして戦死する)の悲恋を追ったもの。
     これは元々ドキュメンタリー番組のための取材だが、のちにテレビドラマ化・マンガ化もされたという。それもうなずけるドラマティックな話で、涙なしに読めない。

  • 生半可な好奇心ではここまでできない。サラリーマンなのにここまでできるのは信念のなせるわざなのだろう。清水さんの著作を読むと調査報道のすばらしさや正義について考えることができる。そして、もうひとつ天職ということも著作を読んで考えることができるテーマとしてあるような気がする。誰もがこれをできるわけではない。各人が清水さんにとっての調査報道のようなものを見つけて社会に貢献できたら素晴らしいと思う。
    憧れているだけでなかなかその道に進めないし、余力を残してしまう。

  • 「殺人犯はそこにいる」で清水潔の取材力や、その姿勢に惚れたが、本著では、そのジャーナリズムの哲学を存分に味わう事ができる。但し、先の著書や「桶川ストーカー殺人事件」を読んだ人には、そのダイジェスト版的な要素から、重なるページも多いだろう。

    仕事の仕方として素直に尊敬するのだが、感情的な発言も時に気になる。最も引っかかっているのは、足利事件での、冤罪を晴らすことに興味はないという発言。まあ、言葉の綾というか、それ以上に、真犯人に興味がある事を強調するために言っているのだろうが、この発言は違うだろう。騙されてたまるかと、悪を暴く事ばかりがジャーナリズムではなく、真実を追求する事が真理ではないか。

  • 一人のジャーナリストがこれだけ真実に迫れるのに、調査権を持ち人材も多い警察が間違った結論に到達したり、何も解決できなかったり・・この差は一体どこからくるのか?

    本書で感じたのは、失点を恐れる警察組織の問題、ベテラン刑事の勘頼みの思い込み、証言や聞き込みなどの細かな事実の上での事件全体の構図を見直すという謙虚でかつ基本的な行動ができていないという結論に至ります。

    それにしても、桶川ストーカー事件での埼玉県上尾警察署の酷さは恐ろしいくらいです。
    被害者からのストーカー行為の告訴を無視したあげく、書類の改ざん、マスコミへの情報操作など目に余りますが、今でもYouTubeで見られる刑事2課長の笑いながらの記者会見、これは助けを求めていた女性を守れず自分たちの失態で殺された状況を考えれば、さらし首の刑でしょう。

    さらに、著者の清水さんは、足利事件の冤罪で菅谷氏の釈放にも主導的な役割を果たしており、独自の地道な捜査で真犯人にもたどり着いていたのですが、逮捕の方は時効の壁に阻まれました。(その真犯人も警察はノーマークだったというのですから驚きです)

    そんなこともあって、彼や協力者たちの尽力で2010年に死刑判決相当の事件では時効が撤廃されることになりました。

    さらに、北海道図書館職員が行方不明になったのを、事件性がないという警察に、状況から違和感を感じた清水氏が調査をした結果、殺人事件だとわかった・・など清水氏の調査能力は警察署員が束に立ってもかなわないという活躍ぶりですが、これは逆に言えば、警察上層部に清水氏のような事件の青写真を描ける人物が存在しないために、潤沢な人手を勘違いの方向に振り向けて時間と労力だけを食いつぶして、結局は事件が解決しないという流れではないかと想像します。

    つまり、現場の指揮官、おそらく課長クラスの人事に問題があるという風にも考えられます。

    一言で言えば、住民のためになっていない警察組織の弊害こそが諸悪の根源で、ここにメスを入れない限り、上層部を見ながら仕事するだけの使えない警察官が跋扈し続けることでしょう。

  •  おかしいものをおかしいって伝えるのは、難しい。気づいたら孤立無援になってたりする。
     おかしいと思うことなんか山ほどある。これをおかしいと言わなかったら、自分が自分でなくなってしまうと思うようなことだってある。そんなのを仕方ない仕方ないってつぶやきながら飲み込む自分になるなんて、昔の自分には教えられない。大事な部分を削りすぎて、誇りも消えそうだ。
     清水さんの本は、まぶしい。
     この人に会ったこともないのに、この人の記事は信頼できると感じる。
     この本は、調査報道の裏側を書いた本だけど、それはそのまま、信頼を得るために必要なことは何かってことだ。
     ひとつずつ、やってみようと思う。せめて自分くらい自分を信頼してやりたい。

  • 面白い。
    やっぱり真実は現場にあるよなあ。
    全然関係ないはずの、自分の、ITの仕事にも通じることがあるなあって思ってびっくりした。
    なにか障害が起きたとき、プログラムの設計書を眺めるのではなく、実際に動いてるプログラムのソースを見るのが結局一番真実に近い。
    結局情報なんて伝言ゲームがほとんどだよなあ。

  • 若手の記者が育っていかないことに納得。
    清水潔さんの調査報道の過程を知ると、今まで無事に生きておられることに驚きます。
    特にブラジル編!

    いま起きている、あらゆる報道の全てを信用してないけど、読み手側としても、しっかり考えなければいけませんね。

  • 桶川ストーカー殺人事件や、足利幼女殺人事件などで有名な清水潔の一冊。

    上記の話はもちろん、それ以外の失敗談なども含めて本当に内容が濃くて面白かった。
    そして警察とメディアの恐ろしさを改めて知った。

  • 情報を鵜呑みにせずに自分の頭で考え裏づけをとること。
    これの大事さを全章に渡って書き続けている本書。
    清水さんのジャーナリズムのあり方が好きでどの本も読んでいるので中には知っている話などもあったが、日系ブラジル人が殺人を犯したあとに母国に逃げ帰っているところに突撃した話や時効撤廃についての考え方や司法のあり方などはとても勉強になりました。

    また、ここからはこの本の本旨とは関係ないのだけれど
    先日旅行で行った鹿児島の知覧特攻隊の方の遺書の中で一番記憶に残り、こんな人間になりたいと名前を記憶していた穴澤利夫さんの奥様になられる予定だった方への取材記事があり、なにか縁を感じました。
    これから玉砕していく一人の人間として必要以上に強がるわけでも、後悔するわけでもなく、ただただ愛する人への感謝とその人の今後の人生を慮る穴澤さんの人柄を尊敬しています。
    また折を見て鹿児島に行きたいです。

  • この本を読んでまず「マスコミってやっぱりマスゴミだな」と思った。
    某書評サイトの書評を見て本書を手にとったのですが、その書評サイトで指摘していた「警察のやったことがひどすぎて」(これはかなり報道されていた)より、個人的にはマスコミは虚報(これはあまり報道されていなかった)で世論を惑わし、さらにそれを反省することなく警察が悪いと一方的に責任をなすりつける姿勢のほうがひどすぎるのではないだろうか。

    そもそも著者は、「おかしいものはおかしい」と警察検察のでっち上げ、裁判所の誤判、政治にまつわる利害関係、原発事故にまつわる隠蔽、マスコミの虚報について、「自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の頭で考える」 ことが大切と「調査報道」を精力的に行っていて、これまで桶川ストーカー殺人事件、足利事件などの調査報道を行ってきた方です。
    本書では、その実体験に基づいた興味深い内容に惹きつけられながら読むことができ、調査報道の重要性を認識できました。

    マスコミは「社会の監視機能」を自称するのであれば、「発表報道」などやめて、本書のような調査報道をメインにするべきではないだろうか。
    「発表報道」的内容はインターネット等の広報媒体が充実している世の中なので当事者にさせればいいわけだし。

  • 本作は著者の清水潔氏のジャーナリズム姿勢を明確に表した一冊で、都合の良い政府や警察などの発表を鵜呑みにして記事にするのではなく、自らの調査で得た事実に基づき報道していくという姿勢なのですが、やはり何が真実かということを判断するには、自らが関係者などに直接耳を傾けた声をベースに冷静に判断する眼というのが大事だということに気付かさせられます。
    でも深いなぁと思ったのは、死人に口無しですが、殺人事件の被害者は事実を言う術がないことを加害者が自分都合で正当化するという話で、これも一方的な言い分をどこまで信憑性があるかは、被害者周辺の声にも耳を傾け双方の声から判断する姿勢が大事なのだということも頷けました!

  • 2/11くらいに読了。7/10点。
    「殺人犯はそこにいる」で既に清水潔を知っていたので、点数はその分下がる。相変わらずというか何というか、とにかく狂っている人(最大の賛辞)。
    しばしば警察より早く的確に問題点を洗い出しているのは脅威としか言えない。もう何かとにかく凄い人なのです。

    ただ、知っているネタが結構あったのでそれで7点。内容自体は普通に面白い。これ、報道の教科書でいいよもう。

  • 清水さんは間違いない。尊敬しています。

  • 調査報道、あまり聞き覚えのない言葉かもしれない。
    ドキュメンタリーだけが持つ真実の重み。
    被害者や遺族、関係者の心の叫びが聞こえて来ます。

    桶川ストーカー殺人事件、
    冤罪・足利事件、
    箱館ハイジャック事件、などなど
    筆者が携わる事件は、非常に多岐にわたる。

    様々な事件を通して、真実が浮かび上がる。
    そこには、人間の本当の姿が、...

    何が筆者をそこまで突き動かすのか?
    やはり、そこには、悲しむに沈む人々を救いたい、という真摯な気持ちがあるのではないか。

    最後の太平洋戦争の大本営発表の話。
    伊達智恵子さんと穴澤利夫さんの話には、涙が止まりませんでした。

    ぜひ一度読むべき本と思います。



  • 真実を見極め、司法を恐れず、真犯人を追い詰めていく姿はまさに現代の必殺仕事人。
    犯人が検挙されたところで失われた命が戻るわけではないが、命を奪われた上にありもしない悪評を言いふらされて、犯人は野放し、こんなことが許されるわけがない。
    マスコミなんてくだらないものだと思っていたが、中にはこういう卓越した調査をされている方もいるのだ。
    もっとも、最近の彼はどうも思想が偏りがちになってきたようで残念なのだが、この本は一見の価値あり。

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著者プロフィール

昭和23年生。皇學館大学学事顧問、名誉教授。博士(法律学)。
主な著書に、式内社研究会編纂『式内社調査報告』全25巻(共編著、皇学館大学出版部、昭和51~平成2年)、『類聚符宣抄の研究』(国書刊行会、昭和57年)、『新校 本朝月令』神道資料叢刊八(皇學館大學神道研究所、平成14年)。

「2020年 『神武天皇論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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