中国人の頭の中 (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106361

作品紹介・あらすじ

ごめんなさい、日本が好きになりました。反日教育と「抗日ドラマ」によって徹底的に刷り込まれた憎悪と、「爆買い」に代表される日本製品や日本文化への信頼と憧れ。現代中国人の屈折に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 「抗日ドラマは富を生む。」ので、真実よりも視聴者が望むものが作られているようです。ですから、初めて日本を訪れた中国人は驚くようです。自分たちが抱く日本人のイメージとはあまりにも違うから。いっぽう、日本人も、中国人のことは新聞やテレビのニュースや俗っぽいコメンテーターで知る場合が大半でしょう。ましてや官僚の汚職や自然災害というよりも人災や食品偽装やPM2.5などが繰り返し報道されると、中国は一体どういう国だと嫌悪感を持たざるを得なくなるのです。でも、振り返ると我が国もにたかよったかです。そのことを忘れずに。

  • いくら中国共産党が抗日を教育したとしても、実際に日本を訪れる中国人が増えると、だんだんその教育が行き詰るのは目に見えているのだが・・

  • 高倉健、山口百恵など、過去の日本人フィーバーから、現在の反日感情に至る歴史がざっと学べて良かったです。

    日系企業で働く中国人の、(日本人からしたら)あり得ない行動にどう対処すべきかも記されてたら、より有益でした。

  • ・中国人の日本に対するイメージやなぜそうしたイメージを持つのか?という仕組みが分かった。
    ・日本を+に捉えてる人・-に捉えてる人の考え方が載ってて、徐々に中国人の中で+イメージを持ってくれると嬉しいと思うし、日本に観光に来てる方は+イメージを持って来られてると思うけど、あの人口からして-な感情を持ってる人はまだまだ沢山沢山いると思うので参考にしていきたい。
    ・中国人だけでなく、他国の人も日本に同じようなイメージを持っているのかもしれないという意識は持つべきだと思った。特に自身が海外に行った際など。

  • 高倉健、栗原小巻、そして山口百恵... 1970~80年代生まれの中国人が憧れ、敬愛した日本人のイメージは多くの親日派を生み出したが、1990年代に最高指導者の江沢民が強力に推し進めた反日教育と、2000年代に国策として作られた数多くの「抗日ドラマ」によって洗脳が進んでいる。  北京で学び、中国各地のラジオ局で日本語番組のプロデューサーを務めるなど、中国で20年近く過ごしたノンフィクション作家が、現在の中国人が頭の中で描いている日本の、あまりにも現実とかけ離れた実態を明らかにし、彼らに向けて「正しい日本」を伝える方法を考える。

  • 政治家でもなく活動家でもなく、特別な思想があるわけでもなく、普通に等身大の中国の人達、自分に1番近い人達の生活の中にある言葉や考えだと思えた。

    メディアやSNS等で色々な意見を見聞きするけれど、日本も中国も同じで、周りの人の話や情報に振り回されているんじゃないだろうか。個人と国とは違うのは承知だが、その個人の意見だって何かに作られたものじゃないだろうか。

    ずっとあったモヤモヤがやっと晴れた感じだ。もっと早くに知ってれば良かった。

  • 題名の通り、中国人の考ええていることが少しわかった気がします。

  • 完全に民の立場、ビジネスマンですらない視点での中国。

    ここに描かれているものがまた全てではないのだが、やはり、上に政策あれば下に対策あり、支配層と民は全く違うことは判る。
    あまりにしたたかで自分勝手で。
    反日や抗日も、上の指導があるにしても、金になるからと言うのはうなる。
    んで、意外にそこから生まれて来ていることを問題視している人がいるってことだ。
    日本に来て、素直に日本が好きだって言える人がいるってことだ。
    その辺まだ、価値観を共有して来ていたなんて言われてた某国より随分とましなんじゃないのか。

    すみません、日本が好きになりました。

    ただ一人の言葉ではあるが、ずんと来る。

  • 2017年10月6日読了

  •  「日本のことが大嫌い!」、「日本人は皆悪人」、「日本兵を皆ぶっ殺す!」
     あの戦争以来、中国人に対して、日本はまさに許せない極悪な存在となった。子供から老人まで、一人の中国人でさえ、日本のことをこう思っていた。
     しかし、今では、邪悪な日本というステレオタイプが段々と崩れてきた。
     今の日本が好きになった一方で、歴史や「抗日」の教育などで、日本のことを好きになってはいけない。躊躇いながら、立ち往生な状態に陥った人はいる。なぜ、こういう変化が起きたのか、中国人の頭の中になにを考えているのかを、この本が教えてくれた。
     戦争で、ひどいイメージを残したが、映画を始め、メディアによって新しい日本が中国人の目の前に現れてきた。そして、すぐ中国全土に広がり、ブームになっていった。「こういう日本もあったのか」と思う人も結構いるだろう。今まで、教科書や「抗日ドラマ」しか日本を認識する道がなかったが、日本との接触が次第に、受身的から自発的に変わってきた。
     「ごめんなさい、日本がすきになりました。」日本のことを知れば知るほど、興味が深まる中国人が多くなった。秩序よく、安心安全、まじめな先進国として、日本をそう思っている人がますます増えてきた。今まで自分が知っている日本と違うのではないかと、少し疑う気持ちになった人もいるのだろう。
     著者は、自ら相手の国のことを探り、自分の目で確かめ、人との交流が出来て、そういう触れ合いが一番正しく、重要、また日中友好の要になると強調した。
     日中関係はまだまだ不安定かもしれないが、これからはきっとよくなると私は信じる。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。   愛知県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、同大学院アジア太平洋研究科修了。1995年より2年間北京師範大学、北京語言文化大学へ留学し、98年より北京や広州のラジオ局にて、日本語番組の制作プロデューサーやMCを務める。2014年に帰国。

「2022年 『家計簿からみる中国 今ほんとうの姿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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