ジブリの仲間たち (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106743

作品紹介・あらすじ

名プロデューサーが初めて明かす「宣伝と広告のはなし」。僕はこうやって映画を売って来た――。『風の谷のナウシカ』『千と千尋の神隠し』『風立ちぬ』等々、この30年間、なぜジブリだけが大ヒットを続けられたのか?

感想・レビュー・書評

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  • 「映像研には手を出すな!」の金森氏を待つまでもなく、たとえば「げんしけん」のハラグーロとか、ガイナックスの岡田斗司夫とか、とかく悪い意味で「金を集めるのがうまい」「口先だけの人」は、業界モノを見るだに見え隠れしていた。
    翻って、宮崎・高畑両氏の背中にベッタリくっついている口だけオッサン、宣伝の際には腹にボコッと出てくる喋りたがりオッサン、そして押井守を追っているときに必ず出てくるオッサン、他の文化人を検索すると結構な頻度で自身のラジオ番組に呼びつけているオッサン、ということで認知していた。
    が、作り手に寄生するオッサンが最も嫌いな人種だし、時代と格闘するだとか作務衣着て毛筆するだとか、そういう人物ってオヤビン気取って金をガッポガッポ動かしてるわりにはカラッポなんだよねと侮っていた。というか、侮っている。読後も。
    が、その評価を、どうしても変えざるを得ないのは、この人、ただ金集めするだけではなく、作品にも口を出すのだ。
    どころか、企画も言い出している。
    言い出しっぺ……持ち掛け……ヤクザというかチンピラ……話題提供者……フカシ……金集め……叱咤激励者……宣伝者……と八面六臂の活躍をしている……、
    というか、宮崎駿や水木しげるがスタッフを社員化して自身を永久創作機関に仕立て上げたのを、またも模倣して、取り巻きを活用して自身を永久宣伝機関と仕立て上げようとしている……その日々を、まとめたのが本書である。まあワーカホリックの歴史と言えなくもない。
    決して自ら筆を動かした……PCを打鍵した……ものではない。ただ放談したものを、秘書だか側近だかにまとめさせたものだ。
    という事情であるから、汗みずくの執筆の賜物では、ない。かるーい、俺こんなこと考えてたんすよー、俺はすげーし、俺の失敗も俺の思惑のうちなんすよー、という本。いわば成功者・爺の回顧録に過ぎない。
    が、通史の雰囲気をつかむには悪くない。
    おそらくこの爺、多分に嘘をついている。それぞれを細分化する資料もあるはずなので、もっと詳細に見ていこう。
    結論。鈴木敏夫的プロデューサーは、いまや老害。とはいえこんな老害や、宮崎駿のような老害ワーカホリックがいたからこそ残っている名作が、山のようにある。
    これを享受しないのは勿体ない。

  • ジブリ作品の見方が変わった。
    宣伝とか売り上げの現実的な話はあんまり聞きたくないな~なんて思いながら読み始めたけど、制作~上映するためには当たり前ながら必要不可欠なことで、内容・エピソード等含めて全部めちゃくちゃ面白かったー!

  • スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏が宮崎駿監督の長編からの引退を表明したのをきっかけに、ジブリ設立からの30年をまとめた本。

    なんてバイタリティと発想力、カリスマ性に優れた人だろうか。
    ジブリの名監督二人に目を奪われて見落としがちだがこの人も天才だ。

    宣伝の鬼。

    こんなに押しの強い人になれるだろうか、いやなれない。

  • ジブリ映画の宣伝なんて「新しい映画、作りました」と言えばそれで済むじゃないか、と思ってた。
    でも、『もののけ姫』の時も『千と千尋の神隠し』の時も鈴木敏夫プロデューサーは闘っていた。いつだって闘っていた。面白くない訳がない。そんな1冊でした。

  • ジブリ映画をヒットさせた鈴木氏の著書。関係者側から見た鈴木氏の印象も書かれている。関係者によると、鈴木氏は言葉数少なく、また暴言をよく吐きすぐに手が出るという内容が多々あり、驚いた。鈴木氏側の話だけを見ると、彼は温厚で真面目な人だという印象を受ける。「映画は金をかけて宣伝すれば必ずヒットする。金をかけるほどヒットする。」という黄金の方程式を作った鈴木氏。世の中に流行らせるには、皆に周知してもらうというきっかけを金でつくらねばならないのだ。本書の中で、ホームページで制作日誌を毎日更新するという内容がある。そこで鈴木氏は「ファンの人に、制作スタッフの一員であるかのように感じてほしかった。」と話している。これは私の仕事でも参考になりそうだ。

  • ジブリファンにとっては最高に面白い内容だった。
    ジブリは作品自体が素晴らしいのは勿論だけれど、鈴木さんという一流のプロデューサーをはじめ色々な人がいたからここまでの映画になっだということを知ることができた。
    鈴木さんも宮崎監督も信念を曲げないで 映画を作り続けているところに感動。

  • ジブリが好きで鈴木敏夫さんにも興味があった、テレビで拝見しただけのお人柄は押しが強い感じで個人的には引いてしまったのだが、仕事はできるんだなぁという印象。でもあれだけ人を惹きつけるのだから、一緒に本気で仕事をしたらとんでもなくキツいだろうけど学ぶことが多いんだろうと思った。宮崎さんもそうだが熱い方なんだなと思う。
    何気なく目にしている宣伝の内幕は、こんなに手がかかっているのかと時代や映画の内容を思い出しながら読めてすごく面白かった。数字や理論の裏づけにも驚いたし、テレビで拝見した時はなんでコピーにこんなに断定的に良し悪しが言えるのだろうと思っていたけど、その背景がわかった。作者以上に作品を見て時代の空気を感じる力と努力がすごいのだ。それでもセンスに自信を持てるってすごいなぁと単純にビックリする。そして人を惹きつけるだけの魅力と言葉力、行動力。この本でも実名で書いちゃうサービスとちゃっかり宣伝しちゃうところ。
    藤巻さんが仕事しないのになぜかとてもきになる存在だった。

  • ジブリが、ますます好きになる!

  • ジブリは大嫌いだけど、ここに出てくる宣伝の話は面白い

  • ジブリが好き、もしくは広告の世界が好きなら楽しめるであろう作品でした。そして、熱い!!男くさい!!
    無駄な情報や作品自体のメッセージはほぼ届けず、「どうやって私はジブリ映画を売ってきたか」をある意味淡々と、でもとても感情的に伝えてきてくれた本でした。

    私はジブリの作品と育ってきた世代だけど、作品そのものだけじゃなくて広告や広報手段もあらゆる変化があったことを知った。キャッチコピーがどうやって決まっていったかが、個人的にはすごく面白かったなぁ。

    ジブリ作品と共に成長できたことを、とても幸運に感じます。

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著者プロフィール

1948年、愛知県生まれ。スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店に入社。「アニメージュ」編集長などを経て、スタジオジブリに移籍、映画プロデューサーとなる。映画「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」など大ヒット作多数。著書に、『映画道楽』『仕事道楽 スタジオジブリの現場』『風に吹かれて』『人生は単なる空騒ぎ-言葉の魔法-』など。

「2020年 『ジブリの鈴木さんに聞いた仕事の名言。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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