フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106897

作品紹介・あらすじ

ズレてない? 日本の政策――。親に期待しない、3歳からは学校に、出産は無痛で――手厚い支援策の根幹を貫く、5つの新発想を徹底レポート。これからの育児と少子化問題を考えるための必読書。

感想・レビュー・書評

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  • 当方独身男性ですが、大変勉強になりました。

  • 無痛分娩の考え方やら、子育てに対する親の意識、国のサポート等、気づきの多い本でした。

  • フランスで行われている少子化対策を、実際に現地で子育てしながら仕事をされている著者がレポートしています。
    日本の少子化対策とは比べものにならないほど、少子化に効果がありそうな施策がいろいろとあります。

    特徴的なのは3歳から全入の保育学校(小学校の前段階となる教育機関)に無償で入学でき、月・火・木・金は午前と午後、水曜は午前、子どもを預かってもらえる(というか教育してもらえる)という点です。

    少子化対策に関心のある方は必読と思います。

  • 16/11/1読了。

    はじめの方しか読んでないんだけど。

    第1章だけの感想。

    日本の男はダメだと。

    なぜ女はダメではないのか。

    言いたいことはいっぱいあるけど、
    こいつのためにそのエネルギーを使うことが
    もったいない。

    あー、くだらない。

    以上

  • 他の本を読むなかでフランスの教育や社会制度に興味が湧き、遅ればせながらこちらも読みました。

    制度を整えるだけでなく、その使いやすさもセットで整えることが重要だと感じた。
    また、子育ては大変なものだからみんなで支えていく必要があるよね、という共通認識によって、精神的な負担も和らげられているのだろうと感じる。なんでも自己責任で片付けられがちな日本との大きな違いだと思う。
    フランスの保育学校での分業制の事例などは、長時間労働が問題となっている日本での教員の労働環境を改善していくヒントにもなると感じた。(保育学校の存在により、小学校以降の不登校等の問題に対して良い影響が出ているのか気になった。)

    個々の事例そのものも、すごく参考になると思うが、それ以上に、現状に満足せずによりよい仕組みを合理的に整えようとする姿勢、その実現が可能となっている社会のシステムが、何よりも日本が見習うべき点だと思う。
    本書の終盤の関連する記載が印象に残った。

    「個人の熱意が実って、国を動かし、生活が変わっていく。そして国の未来を支える。19世紀の保育問題に端を発するフランスの保育学校は、「人の思い」が可能にするダイナミックな社会の変化を実証しています。この事実を知るだけでも、今の日本社会にとって、力強い励ましになるのではないかと思うのです。」

  • メディアで日本と比較されるのは北欧の国のイメージの方が強いが、フランスも時には見かける。フランス在住の著者自身の体験も踏まえて日仏の比較をし、フランスでの出産・保育の充実ぶりをレポートしている。

    制度の充実よりも、人々の意識や文化の違い方が最終的には明暗が分かれる。フランスの制度の充実ぶりに最初は感心させられるが、地域差や経済格差による度合いは日本以上にあるようだ。しかし職場や周囲の理解(フランス版の同調圧力もほのめかされている)が日本とだいぶ異なることが伺える。

    男性の2週間の育児経験期間と無痛分娩の章が印象深い。前者は人によっては人生観が変わるくらいの経験になるらしい。無痛分娩については、自分では経験できない事ながらも出産は本当に命がけな事なんだと思い知らされる。

  • 子どもを持つことを決めたときに読んだ本。
    誰だって、産んだ/産んでもらっただけで親になれるわけじゃないんだよな。男性育休とか待機児童の課題が解決されないと少子化は止まらないよね。

  • フランスにおける子育てを取り巻く環境をざっくり知ることができて、非常に勉強になりました。
    費用面で手厚い支援があり(妊婦健診など)、3歳以上は必ず「保育学校」に入れるという環境が、親の金銭的、精神的、時間的な負担を大きく軽減し、子供を産む不安が少ないため少子化克服、、となるため、日本も制度面で学ぶことが多いと感じました。

    0〜2歳については、保育園に入れない子供が非常に多いことは日本同様だが、「母親アシスタント」という“フランス版保育ママ”や、ベビーシッターの活用でほぼ社会問題化していないようです。

    ただ「母親アシスタント」は時給3〜4€と記載があり、時給約500円?生活できるのか、、?と思い調べてみると、パリの母親アシスタントの約半数が移民であり、大半が学歴も低く、職業として社会的評価が低いため、他の職業を選択しうる人はこの職を選ばないようです。
    先進国の育児負担を途上国女性が補う構図となっているため、この点は移民国家ならではだなあと感じました。

  • 男性が読んでも、ためになる情報が多いと感じました。

    「何を手伝えばいいの?」
    私は相手を思った言葉だと感じましたが、人によるんですね。情緒が不安定な時にはどんな言葉を掛けるといいか、お互い神経質になりますよね。
    怒りからは何も生まれない。理解し合い、相手が何を思ってそう言ったのか、それを理解し合える関係にしたいですね。

  • フランス在住で実際に子を保育園に通わせている筆者による、フランスの保育施設の実態、幼児教育政策についての本。
    保育施設運営者やフランス人ママにはもちろん、政府系関係者まで幅広くインタビューしている印象。

    2019年現在で読んだ感じとして、日本とあまり変わりないのでは?という印象。保育園やベビーシッターの負担料、保育園でのオムツ処理問題など。むしろ保育園への入りやすさは日本の方が入りやすいのでは、と感じた。
    あと、「保育学校」は日本でいう幼稚園に似てるのかなと思った。最近は教育重視の保育園もあるし、日本もあながち遠くないのでは?まぁたしかに、フランスのように「保育学校が目指す5つのこと」のようなものが国で統一的に設定されてたら、教育格差の問題にも対応できるのかも。

    一方でフランスの制度でいいなぁと思うものも。
    ・保育園、ベビーシッター料金の50%を所得税から経費として控除してくれる仕組み!
    つまり自治体の負担は変えずに、個人の負担を減らし、国が保育にお金をかけてくれるってことだよね。心強い。
    ・フランスの国家教育省大臣は39歳の女性政治家。しかも双子のママということ。そして0-3歳の保育政策、3-6歳の保育学校に潤沢にお金をかけているということ。
    やっぱり政策立案者が当事者、現役のワーママっていうのはすごいよ。いい面悪い面あると思うけど、国民のワーママの立場としては、現実的な問題や、あったらいいな、をきめ細かくわかってくれるだろうから、めっちゃありがたいだろうな。
    (まぁ、日本でもし実際現役ワーママが大臣になったら「自分本位で政策を考えるな」とかめっちゃ叩かれそうだけど…そしてどちらかが炎上して終わりだな。本当に女性は生きにくい社会だよね。)

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