観光立国の正体 (新潮新書)

  • 新潮社 (2016年11月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106927

作品紹介

「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである。観光地の現場に跋扈する「地元のボスゾンビ」たちを一掃せよ! 地方から日本を再生させるための処方箋を、地域振興のエキスパートと「観光カリスマ」が徹底討論。

観光立国の正体 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • やらなきゃならないことはかなりはっきりしているんだけどどうやったらできるのかがわからなくてうんうんいう、という感じ。
    竹富島のポイントカード・ファンクラブは離島だからできる部分がある。顧客のデータ、オープンビッグデータの使用は多少のセンスが必要かなあ。和倉温泉の一旅館だけという話はよく分かる気がする。直販の時に旅館組合って使えるのかなあ。個人単位でやるほうがまだありそうな。
    スイートルームの数が足りない話、2020使って何とかするのか。サービスが問題になりそう。日本の私鉄JR共有パス問題は長期戦かな。
    ガイドになるのかなあ。うーん。

  •  氷見の寒ブリ、越前ガニ、秋田へしょっつる鍋とか、旬のもの食べに行くぞ!
     というのがこの冬の旅のテーマだった。

     なぜ、わざわざ遠くまで行って、それを食べに行こうと思うのか。
     地元食材がブランディングされているからだ。
     その努力を地元がしているからだ。

     一方、廃れる観光地というのは、人が来ない。
     もっと宣伝が足りないからだ、うちには見所がないからだ、とプロモーションに頼ろうとして努力することをしない。
     そういった古いマインドがこびりついている。

     日本の観光にはビジョンがなく、戦略がない。
     せっかく頑張っていても地元政治の影響が大きくてやる気をなくしてしまう。

     東京、京都、大阪の放っておいても人が来るゴールデンルートのほかにも、日本は観光資源にあふれている。
     必要なのは、マーケティング。
     日本の観光業に必要なことは何かがテーマの対談集。

  • 僕はかつては「観光立国なんて胡散臭い」と思っていた。しかし、藻谷氏の『デフレの正体』を読み、「人口減少で内需が縮小する日本においては、訪日外国人をいかに増やすかが重要」ということを知った。
    そのうえで、『観光立国の正体』。
    この本では、観光産業は単なるサービス業でなく、地域全体の「総合力」が問われる産業なのだと知った。
    ・資本や経営だけでなく、多少コストが高くついても必要な資材はできるだけ地元で調達し、住民がいお互いに支えあう。
    ↑こういう考えはとても大事だと思った。「少しでも安く」という考えしか頭になく、例えば外部から安い食材を仕入れているようでは、地域が潤う観光業にはならない。


    また、富裕層をいかに取り込むかが重要だと知った。「1万円」のランチなんて、普通は食べないと思うが、富裕層や、富裕層でなくても特別な日には食べる。1000円のランチを10人に売るより、1万円のランチを一人に売ったほうがはるかに利益が出る。薄利多売に慣れ切った日本の産業(観光業だけでなく)にとって示唆に富んでいる。


    休日分散化、人材育成、既得権益をどうするか、といった問題にも触れており、単なる観光の話でなく、日本社会をどうするかといった深い問題に立ち入った本だと思う。

  • 「地元のボスゾンビ」、「スキルの低いボランティアガイドはストーカーと一緒」、「おもてなしは一方的な押し付け」などなどキツめの言葉が並んでいますが、センセーショナルな言葉に惑わされずに、落ち着いて読むべき1冊。観光に携わる人だけでなく、観光地に住む人たち、地方住みの人たちも読んでほしい。結局、宣伝云々の前に、自分たちの土地にどんな独自の魅力があるか、それを誇りにいかに地元民が幸せに暮らすかを掘り下げないと、一時的な成功の後は続かないことがよくわかりました。

  • ハイエンドを引き上げてのシャワー効果

  • 内容ですが、
    1 観光立国のあるべき姿 山田桂一郎
    第1章 ロールモデルとしての観光立国スイス
    第2章 地域全体の価値向上を目指せ
    第3章 観光地を再生する――弟子屈町、飛騨市古川、
                  富山県の実例から
    第4章 観光地再生の処方箋
    Ⅱ 「観光立国」の裏側 藻谷浩介×山田桂一郎
    第5章 エゴと利害が地域をダメニする
    第6章 「本当の金持ち」は日本に来られない
    第6章 「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである

    観光でしか地域で雇用が発生しないというスイスで観光業だけでなく地域全体の産業も巻き込み、持続可能な観光を巻き込んだ地域産業づくりの実践の紹介。
    そして、お二人の業界・行政・国の舞台裏もしっかりと経験を積み重ねている裏話。
    また、地域のボスと政治家とのからみなど。
    凄い内容が話されていました。
    結局、地域のことを真に真面目に考える人たちが集まればいいのです。
    官僚の行政のための観光補助金・一発ものイベントなどいあらないのです。
    それと、大手旅行会社・大手電鉄など。
    目からうろこの話ばかりでした(笑)。

  • 観光と言わず、日本全国が抱えている問題がそのまま全部書かれている。国の施策の誤りがちゃんと書かれているのがすばらしい

  • やはり人材とユニークなことを一体感を持ちやることですね。

  • 声に出して言いたい言葉、ブルガーゲマインデという地域経営組織。全体的に普段から関わっている富裕層インバウンドの施策。いまだけ!ここだけ、あなただけという非日常をどう提供するか。それも決して安売りせずに付加価値をつけて。
    ひとり勝ちではなく地域として盛上がらなければない。その反面教師の代表例として出てたのが和倉温泉。ちょうど先日行ったばかりなので痛いほどよく分かる。また、ボランティアガイドについても触れられていたが、書いてあることが痛いほどわかる。もちらん、全てが悪いわけではないが、思い当たる節も大いにある。訪れた人を楽しませるガイドは、顧客がもう一度訪れてくれて初めて一人前だということ。

  • この『観光立国の正体』で語られている内容の多くは、正しく「実は“判らない”ことを誰かが声を大にして言っていて、“仰せのとおり”とそれを進めようとしている人達も大勢居るが、考えれば考える程に“見当違い”で、一体どういう“程度”なのか?」というように要約してしまって差し支えが無い話題だと思う。
    こういう内容…広く読まれるべきだと思う…が…何となく思ったのは、共著者の一人が観光庁か何かの指定する“カリスマ”とやらになっているから、本書は世に出ることが「叶った」のではないかということだ…こういう「公的な何か」が付けられているでもなければ、「知る人ぞ知る、何やらユニークな活動を続け、独自の識見を有する人が在って…」で終始していたかもしれない。本書の内容の多くは「どう考えても正論だが、多数派には至っていない」論のように思えるからだ。「異議在り!!」が、本書のような文章の出発点にはなる筈だが、「☆☆様が仰っている。仰せのとおり…」と大勢がやっている中では、そういうモノは却下の憂き目を見易い…

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