うつ病休職 (新潮新書)

著者 : 中嶋聡
  • 新潮社 (2017年5月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107177

作品紹介

なぜ増え続けているのか? 「仕事がきつい」とクリニックに駆け込む人々、マニュアル通りの問診で「うつ病」と診断する医師、対策ゼロの企業……。もはや社会問題。急増するうつ病休職の正体に迫る

うつ病休職 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • また最近、周りに鬱の人が増えてきて、鬱に関する本を読んでみる。
    鬱とはという本ではなく、精神科医が思う鬱病休職になるまでの診断や鬱病ではないが、企業側の意向もあり、診断書を求められる現場の実情を書く。まあ鬱増えているよなと改めて思ったり、企業の労働問題を病気で片づけようとする企業、患者に言い寄られ精神科医は大変だなと思ったり。

    【学】
    上司が「とりあえず病院にかかって、休め」と言う。
    医者は(鬱病ではない場合は)病気じゃ無いので、休職の診断書は書けません。本質は労務問題なので、「病気としてとりあえず休む」というのは本筋では無いでしょうと言う。

    うつ病と抑うつ反応の違い

    精神科治療の基本は「自助を助ける」

  • うつ病、適応障害などに関心があるなら、ぜひ一度は読んでみてほしい。
    ただ、苦しくて医者にかかろうか迷っている人は、ときに厳しいことも書いてあるので読まないで医者にいってほしい。

    うつ病や抑うつ状態の違いについて述べている。
    読者の多くが読み進めていく中で「その違いになんの意味があるのか。苦しんでいるのであれば、助けてあげるべきでは」と思うと思う。
    私も半分くらいまで読んだときは思っていた。

    現代の風潮として
    うつ病のような状態が見られる人に対し
    甘えなのでは、と指摘することはご法度とされており
    「診断書」が印籠のように使われている実情はあると思う。
    実際に自分も、今思えばうつ病ではなく抑うつ状態だったと思うが
    診断書をもらい、配置換えが行われた。
    自分自身はその対応は必要だったと思う。
    実際会社にていも、頭が働かないし、胸の中に水銀がうごめいているような感覚があって、全く仕事にならなかったから。

    しかし、
    自分を棚に上げていることは承知しつつも、
    甘えが許されている事実もあると思う。

    作中、労働者が会社に対して負っている責任は、
    ただデスクに座っていだけである、という記述がある。
    実際法律的にそうなようだ。

    ただ、文中にあるように、
    社会通念的にそれで良いのか、という部分ももちろんある。

    社会通念的にそれで良いのか、と疑問に思う人間と
    そうでない人間の間には、
    仮に同じように、病気ではない診断名がついたとしても
    "社会通念的に"、あるいは人間的に
    それを許容したいと思うかどうかには
    大きな違いがあるだろう。


    最後まで読むとわかるように、
    筆者は、病気であるうつ病と、
    そうでない抑うつ反応の違いを認識し、
    違いによって対応を変えるべきなのか、ということについて悩んでいる。

    病気ではない抑うつ反応に対して、
    「休みたい」という理由で診断書を求められることがあるそうだ。
    その時、病気ではない症状に対して
    診断書を書くことが正しいのだろうか、そうではないのだろうか。

    読む前は、どこか一方的に苦しんでいる側に寄り添っていて、
    診断書を書くべきだろうと信じてやまない自分がいたが、
    本書を読んで、本当にそうであろうか、と悩みが生じた。

    病気ではない状況に対して
    医者がとるべき対応、
    また現在の社会の状態について悩むことは
    とても有意義だと思う。

    このままだと本の内容をそのまま記載しそうなので
    読んだ人しかわからないような文章になってしまったが、
    ぜひ読んでほしい。
    そして、どちらかの側に立ってそのまま動かないのではなく
    悩みながら生きて行くことが、重要なのだと思う。

  • 2017.7/25 会社の保健室みたいなところに従事すること約20年。ここ10数年のメンタル不調者の増加と、それに対する会社サイドの安全管理義務の難しさを痛感してます。医療専門職の立ち位置、根本の問題など知ることができて結構目からウロコでした。

  • 2017年9月28日読了。「うつ病」の診断をめぐる医師、企業、そして労働者それぞれの問題を提起する本。過大なストレスにより調子を崩した状態は「抑うつ反応」に過ぎず原因が取り去られれば解消するものであり、まず職場環境の改善などを試みることが企業・労働者の義務となる。ストレスなどが原因で症状が生じ、単純に原因が解消しても治らないと診断できるものが「うつ病」、という区別は知らなかったし実際知られていないように思う。休職を勧める診断書をこれほど簡単に得られるとは驚き。すべての関係者が利益を得ているように感じる「うつ病による休職の診断」だが、果たして被害を受けているのは誰なのか…?

  • 「新うつ病」ビジネスのようなものがあると思われる。弁護士というか法曹界のいい加減さも良く分かった。いい加減な裁判官のせいで病気でもないのに病気と認定されて判例が確定しているとは驚き。

    新薬ができると病気が増えるわけも分かった。

    新聞で知って借りてみた。

  • タイトルはワクワクさせるが、中身は同じ主張の繰り返し。実例集がちょっと飽きる。とにかく大変なんだという雰囲気は伝わってくる。

  • これからいくらでも増えるだろうから、対応をしないと

  • 苦悩と病気の違いが、専門家の観点から語られていて、わかりやすかった。
    働く人のメンタルの問題は、色々な課題があるが、やはり診断書ビジネスのようになるのは良くない。
    本当に必要なことは、悩んでいる人に対して、必要な手を差し伸べてくれる環境があるかどうか。

  •  現代の社会問題にもなりつつある、うつ病からの休職。どのような過程を経て病気になり、休職に至っているのかを読み解いている本著。

     うつ病が増えた原因として診断基準が変わった、端的に言えばうつ病のハードルが下がったことによる、本来抑うつ状態と認定されるもの=うつ病になりつつあるということ。そして、本質的には労働環境の悪さが招いた患者の苦悩が、うつ病にすり替えられているという現象とでも言えばいいのか。現代社会に起こるべくして起こったような感じが正直否めない。

     読んでいて実感することもあるし、うつ病≠抑うつ状態ではないことも分かった。ただ、この本にこんなことを望んではいけないのだろうけど、寄り添う感じがほとんど感じない。医者として感情に振り回される医者も嫌だけど、これだけ冷静に判断を下され断罪のように審判を下している感じがして、読んでいて冷たい文章に感じた。まぁ、フィクションでもないからそうあるべきなんだろうけど…。

     ためにはなったし、人として現代の社会問題の一片を知る意味でとても勉強になったけど、好きにはなれなかった。

  • パートナーの職場で、うつ病のため休職をしている人がいる。以前からその人の話を聞いていて、きっとそうなるだろうと話していた。3ヶ月で復帰できるだろうか。きっと無理だろう。そう思う。彼は本当にうつ病か? 本書の著者によれば、それは抑うつ状態ということであって、うつ病と診断するには至らないのだろう。病気ではなく苦悩だという。苦悩というのは結局自分で解決するよりほかない。一つの方法は、がまんせずに、環境を変えてしまうということ。私にもそういう経験がある。環境を変えて、しばらくは余韻のようなものがあった。自信喪失というのか。予期不安というのか。けれど、1年も経たぬうちに、乗り越えることはできた。数年前にもつらい時期があったが、今振り返ると、何がそんなにきつかったのか、何だか楽しかったことの方が思い起こされる。わりと図太くできているのかもしれない。私自身が。あるいは人間が。ふだんならスルーしてしまう類の本なのだが、具体的に身近に同じような話があったのでつい購入してしまった。まあ、世の中の現状が分かったというところ。

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