フェイクニュースの見分け方 (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107214

感想・レビュー・書評

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  • 各章のまとめは、時々読み返そう。
    公開情報を十分に分析しているか確認。Gサーチ使ってみる。匿名情報には最低限の信頼を与える。反論再反論は自自が何かを読者が判断する材料を提供する。強い修飾言葉に注意。主語がない時注意。検証には、時間軸、空間軸を広げる。メディアはわからないといいたがらない。嘘でも本当でもないこともある。アキュラシーでなく真実性。なぜ誤ったのかを考えるために、間違った主張もなされる必要がある。編集者や校閲者を置いている媒体には一日の長あり。この人は精度の高い事実に基づいて発言する、という人を分野ごとに見つけておく。日本ではステマは法規制されていない。発問のゴールを動かさない。



  • ネット、SNSの時代になり、旧メディア媒体が衰退して久しい。いや、根拠なき流布が蔓延するネット社会が急躍している。
    3.11以降、SNSによるフェイクニュースがより急拡大したように感じる。
    報道と権力はいつの世も変わらないが、昨今では真実を掴む洞察力、分析力、調査力が重要な時代だ。

    本書には常日頃思っていたことを、正しく代弁していてくれて気持ちが良い。
    書籍を読んでいても、〜らしい、〜と思われる、〜と語られる、など丸々一冊伝聞系で書かれ、引用元もなければ、参考文献もない、著者の主観だらけの作文じゃねーかという、よくも編集者、校閲、校正を通して出版にこぎつけたなと思う、低俗なものに出会う。

    久しぶりに、胸が晴れる痛快な一冊でした。

  • 朝日新聞の元記者である著者が朝日新聞を含めて様々なメディア側の嘘を指摘する本作は経験に基づく具体的かつ痛烈な書き方が面白かった。
    はじめはネットにはびこるフェイクニュースの見分け方について書かれたのかと思ったが、内容は地上波・新聞にもおよび、具体的に書かれた事例まで出して指摘している内容はわかりやすかった。

  • 詳しくは忘れてしまった
    見分け方は分かったとしても、そんなに時間かけるのは無理だなーと思った

  • SNSで流されているフェイクを判断する基準が示されている。一番いい方法は匿名の情報は信用しない。定義がはっきりしているか確かめる。言葉の定義を疑う。主語のない文書は疑だ。例文もたくさん載っている。なるほど詐欺師とはこんな風に騙すのかと参考になった。

  • メディアリテラシー。
    長く現場記者をされていた経験から、ファクトの重視を主張。
    なるほどだな。
    なんとなく読んでいると、何気に誘導されて行くのを防ぐ、いくつかのポイントを実例を挙げて論じてくれる。
    こう言う読み方だけが常に必要というわけではないだろうが、重要な観点であることに間違いはない。

  • 借りたもの。
    「フェイクニュース」を“見分ける”ノウハウを伝授する。
    ◆証拠となる事実の提示がない「オピニオン」(意見)は全部捨ててかまわない
    ◆「主語が不明」ということは「根拠が不明」ということ
    ◆ステレオタイプに沿ったストーリーは要警戒

    書き手の独断的な価値判断が言葉の端々に織り込まれ、印象操作が蔓延している現代の「報道」に対し、受け手が気をつけねばならないことを指摘。
    記者でもないのに取材をすることはできないし、個人の力で裏付けするのはどうしても至難の業。
    だからこそ、引用元、出典などが不明のものは切り捨てるべきなのだろう。

    私が読んでいて思ったことは、著者は報道に携わる現場でこうした印象操作を避ける努力が成されなくなっていることを懸念しているのではないか、ということ。
    既存のメディアの“よかったところ”を著者は今一度見直すべきであると強調しているように感じた。

    話題になった本――既存の著書における偏向した事例を紹介し、その問題点を指摘している点で具体性があってわかりやすい。

    小保方晴子『あの日』( http://booklog.jp/item/1/4062200120 )に関して、結局STAP細胞の存在の証明を書いてないことを指摘してくれたのは「ほんとそれな」と思う。STAP細胞の有無がわからない、書かれていない。関係ない自身の追いつめられ方に重点を置いていて、あれでは結局、STAP細胞は存在しないとしか思えない……

    あと、妄想性障害による陰謀論――ちょっとした事実に大量の妄想が盛られている――点に着目している点が興味深かった。

    この本に書かれていることを、他の本で補完するものはいくつかあった。
    安田浩一『ネット私刑(リンチ)』( http://booklog.jp/item/1/4594072925 )にも通じるものがある。真偽も定かでないもの――つまりはデマ――に、義憤や面白半分で、無関係な人間が巻き込まれる炎上もまた、ベースにこうしたものがある。
    東日本大震災で、海外メディアが日本の美徳として、被災地で略奪が無かった(少なかった?)ことを取り上げるニュース……しかし、佐々涼子『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』( http://booklog.jp/item/1/4152094605 )にあるように、コンビニや自動販売機などは略奪にあっているなど。

    ブロンズィーノ《愛のアレゴリー》( http://www.salvastyle.com/menu_mannierism/bronzino_amore.html )にあるように「時が真実を暴く」――検証する時間を経て書かれた書物――の方が、ネットの速報性よりもはるかに信憑性があることは、変わらないのかも知れない。

  • 僕を含め一般の人は、報道されるニュースについて、違和感を持ったとしても、深く調べようとはしません。『そんな出来事があったんだー』くらいにしか思わないので、フェイクニュースをそうだとは思わずに、報道通りに受け取ってしまいます。
    だからこそ報道陣には公平性や正確性を求めます。信じられる情報をしてくれないと、『このニュースは怪しい。自分で調べなくてはならない』となれば、もう報道の意味が無くなるし、二度手間です。
    その意味で、前読した『統計数字を疑う』もそうですが、統計の定義と実体が離れていては無意味です。平均貯蓄額が一般感覚とズレているのと同じで、これって結局鵜呑みにはできなくて、参考になりません。

    で、信頼できるニュースとは一体何なのかというのを紹介しているのが本書ですが、総じてその通りだと思いますし、大事なことだとは思いますけど、逆に言えば、ニュースに対してここまで敏感に反応しながら見るなり聞くなりしないといけない、ってのは大変な作業だなぁと……。
    本書には無かったのですが、『お金の動き』と『利益を受ける人物』を考えると事実が見えてくる、という考え方があって、これは鋭い指摘だと思います。企業にしても個人にしても、基本的には利益になる行動しか取りませんから(自分が不利になることはしない)、その点に注目してニュースを見るのも、著者の言う『真実に近付く』ことになると思います。
    僕の評価はA-にします。

  • 比較的冷静で公平で読みやすい内容でした。

  • 一見もっともらしいニュースや論評には、フェイク(虚偽の情報)が大量に含まれている。新聞、ネットなどあらゆるフィールドの第一線で記者として活躍してきた著者が、正しい情報を選別するためのノウハウを伝授する。

    フェイクニュースの見分け方ということでしたが,あらゆることにその考え方を当てはめるといいのではと思った。

著者プロフィール

1963年1月京都市生まれ。
1986年、京都大学経済学部を卒業し朝日新聞社に入社。名古屋本社社会部などを経て1991年からニュース週刊誌「アエラ」編集部員。
1992~94年に米国コロンビア大学国際公共政策大学院に自費留学し、軍事・安全保障論で修士号を取得。
1998~99年にアエラ記者としてニューヨークに駐在。
2003年に早期退職。
以後フリーランスの報道記者・写真家として活動している。
主な著書に『ヒロシマからフクシマヘ 原発をめぐる不思議な旅』(ビジネス社 2013)、『フェイクニュースの見分け方』(新潮社 2017)、『福島第1原発事故10年の現実』(悠人書院 2022年)、『ウクライナ戦争 フェイクニュースを突破する』(ビジネス社 2023)などがある。

「2023年 『ALPS水・海洋排水の12のウソ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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