戦争と平和 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 398
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107313

作品紹介・あらすじ

「ゼロ戦」はなぜ敗れたのか。日本は絶対に戦争をしてはいけない。日本人ほど戦争に向かない民族はいないのだから――。大ベストセラー『永遠の0』著者が今こそ放つ、圧倒的説得力の反戦論!

感想・レビュー・書評

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  • 日本人の民族性から展開される反戦論。
    平和ボケの日本人には必読と思います。

    本書では、全3章からなっており、
    第1章ではゼロ戦とグラマンの設計思想をベースに日本人の思考を明らかにし、さらに、戦争状況下の日本人の思想・行動から、日本人は戦争に向いていない民族という論旨を展開しています。
    この考え方は今までなかったのでとても新鮮でした。

    技術を突き詰めたゼロ戦に対して、大量生産が可能なグラマン。
    職人気質で技術を研ぎ澄ます日本人に対して、合理主義なアメリカ。
    攻めることばかりで守りを考えない日本人。
    言霊信仰ゆえにリスクを考えない日本人に対して、対策、リスク管理がしっかりされているアメリカ。
    責任が問われない高級士官。
    戦闘状況にありながらも縦割りでありつづける官僚制度。
    最悪の状態を想定しない日本人の性格。
    などなど。
    日本人が戦争に向いていない民族ということを様々な事例を基に語っています。
    ここで指摘されている内容、民族性はまさに、現在の日本人そのものであり(当り前か)、戦争じゃなくてもビジネスの世界でも同じことが起きていると思います。

    第二章では「永遠の0」にこめた思いが語られています。
    これについては、なんら異論はありません。
    「永遠の0」で語られるセリフが引用され、小説の世界観に引き込まれます。

    第三章では自衛隊をテーマに、護憲派に対してのメッセージ、さらに、戦争抑止に必要なモノは何か?を強く伝えています。
    そのための憲法はどうあるべきか。
    我々もしっかり考えなければなりません。

    ということで、戦争を回避するためにはどうすればよいか、とてもわかりやすく、伝えている内容となっています。
    今まさに、必読の書です。

  • もっともなことをいっているなぁ、という部分も多いんだけど、相変わらず、「俺は正しい、同意しないやつじゃバカ」というスタイルと、他者攻撃をするあたりは鼻白む。

  • 至極まともなことを書いておられるが、その小説といっしょでわかりやすくエンターテインメントの匂いのする言動でコテンパンに護憲派を斬って捨てるので嫌われるのでしょうね。万人にわかるように、当たり前のことを凄く単純化して書かれているので、逆に誤解されるんだろうなと感じます。
    記載されていることはほぼ既知のことでしたが、名古屋の三菱重工で作ったゼロ戦を一度分解して、牛に運ばせて各務原の飛行場まで運んでいたというのは知りませんでした。本当に唖然としました。

  • 3章仕立て。

    第1章「ゼロ戦とグラマン」
    ・・・・日本とアメリカの兵器の特徴、兵器開発の理念の比較から、「負けるべくして負けた」という結論に導く内容。
    また、それらの情報からの考察として、
    「日本人は、戦争には向かない国民性を有する民族」という論法。

    なるほど。まったくもって賛成できる。
    たとえ話も適切だし、結果ももちろんしかり。
    大賛成しながら読み進めた。

    第2章「『永遠の〇』は戦争賛美小説か」
    ・・・・あの作品を“戦争賛美小説”と批判する声があちこちで上がっていたというのを聞いて、呆れた。護憲派も改憲派もなく、右も左もない“平和ボケした日本人”の一員でしかない自分が読んでも、あれを“戦争賛美小説”とは全く思わなかった。平和ぼけ人生を歩んできただけでは知らなかった戦争の悲惨さを知れて良かったと、心から思う。
    ・・・・ただし、作者の論法は、いささか過激でね。
    自分のかわいい作品を擁護するためだけにこの本のこの章を書いたのではないか、という気がする。
    (さんざんメディアで叩かれた件への反論の場がこの本、という感じかな)
    批判された腹いせで、こちらもガツンガツンとかなり過激な論調で相手を責めている…と。


    第3章「護憲派へ告ぐ」
    ・・・・作者の言いたいことは、よく分かる。いや、かなり分かる。
    耳に心地よい理想論と、実際に外国から攻められた場合にどうするか、また、その可能性も〇ではない中でどう備えるか、の現実論。
    理想論だけでは国は護れない。

    ただ・・・第2章でもそうなのだけど、やはり発言がかなり過激でね。
    こりゃぁ、敵も作るよなぁ…と思わざるをえない。

    主張は正論だと思う。
    ただ、こういう論調でぶつかれば、もちろん相手も反発しか抱かないしね・・・・。

    せっかくの正論なので、相手を論破せんとする攻撃型の主張ではなく、理詰めで納得させる懐柔型の主張を張れはしないものだろうか・・・・。

    ★3つ、7ポイント。
    2019.02.12.古。
    (第1章のみであれば、★4つ9ポイント半をつけたい内容なのに、2・3章がね…残念)

  • 日本は戦争に向いていない民族、まさにその通りだと思う。だからこそ、平和憲法があるから平和が保たれてきたと呑気なことを言っていられるのだと思う。百田さんの主張は基本、いつもと同じ。その中でも、自身の著書「永遠の0」の場面を著者自身で解説しながら主張を進めていく部分が興味深い。自身の小説を、著者自らタネ明かしするのはどうかと思う向きもあると思うが、それを犠牲にしてでも言いたいことがあるのだろう。憲法についても、きちんと条文を記入した上で、わかりやすく主張を展開している。この人の著書の好きなところは、非常にわかりやすく、主張が明確なところ。賛否は別として、その部分が好きだ。

  • 『戦争と平和』/百田尚樹

    本書のまえがきとして、著者は、以下のように語っています。

    「平和」について語るには、「戦争」を知る必要があると、私は考えています。
    大東亜戦争について徹底的に調べました。(中略)その結果、見えてきたものはー「日本人は戦争に向いていない民族であった」というものでした。

    戦争反対、憲法改正の是非、それぞれ個人個人の意見があるとは思います。でもその考えにおいて、「何で」という明確な理由をどれだけ自分自身が把握しているのか、それを痛感させられました。
    学校教育の中で、歴史認識を含め教えられてきましたが、今になって思うとやはり、点数を取るための知識を覚えることがメインだったとも思いますし、自分の意見としては、「Aである。なぜならば・・・」ということを確立するためにも、著者がいう歴史認識、それも、正しい認識を持つ努力は必須だと思います。

    また、本書の構成として、前半は日本軍とアメリカ軍の戦争観についての対比がありますが、ほんとに真逆だったことがわかります。合理主義のアメリカと、非効率主義の日本。そこから著者が導き出したのが冒頭のまえがきにあった、「日本人は戦争にむいていない民族」という答えでした。

    日本軍は戦争において、武器1つ作るにしても、最高のものを造ろうとしていたようです。その結果、ゼロ戦が作られました。一方のアメリカは、多少の不都合には目をつむり、生産重視のグラマンを作ります。
    その一つをみても、それぞれの国の民族性が如実に出ているといいます。

    また、日本国憲法においても、GHQが作成したものを使っていること。ここまでは認識ありましたが、その根底にあったものは、
    p189
    「憲法9条」はGHQが作ったものです。
    日本を占領統治したマッカーサーは、日本政府に新憲法を作れと命令します。政府は新憲法の草案を作成しますが、マッカーサーの気に入るものではありませんでした。そこで彼はGHQの民政局のメンバーに、「日本国憲法の草案」の作成を命じます。驚いたことに、彼らに与えられた時間は1週間でした。一国の憲法の草案を、わずか25人に一週間で作れと命じたのです。
    この25人の中には、弁護士が4人いましたが、残りのメンバーは法律のことなど何も知りません。中には22歳の女性タイピストもいました。また弁護士も憲法の専門家ではありません。

    彼らは都内の図書館を回って、ドイツのワイマール憲法やアメリカの独立宣言文やソ連のスターリン憲法などから適当に条文を抜き出して、草案を作りました。言うなれば「コピー&ペースト」して作り上げたものです。
    言うまでもないことですが、憲法というのはあらゆる法律の上に君臨するもので、その国の文化、伝統、死生観などが詰まった、まさしく国と民族の根幹をなすものです。にもかかわらず、世界の憲法を寄せ集めて作られたのが日本国憲法というわけです。

    p195
    日本国憲法に関して、面白い話が残っています。
    日本国憲法が施行されてから、37年後の1984年、憲法学者の西修氏がアメリカに渡り、日本国憲法の草案を作った元GHQ民政局のメンバーの何人かに会って、当時のことを訊ねています。この時、会った人全員が、一様に言った言葉があります。
    「えっ、君らはまだあれを使っているのか?」
    彼らは、日本が40年近く経っても、自分たちが作った憲法を使っているとは夢にも思っていなかったのです。しかも憲法の専門家でもない自分たちが、たったの一週間でまとめあげたものなのですから。
    しかしもっと驚くべきは、それからさらに30年以上経っても、日本国憲法はそのままの状態だということです。

    一口に憲法改正といっても、そこに積み重ねられて歴史があるわけで、多角的な視野を持つ必要性を強く感じました。

  • 作者らしい愛国心に満ちた作品であるが、自己を否定、批判するメディアへの反論が感情的で長い。内容的には面白い。

  • 改憲は必要である気はした。護憲派で同じように口が立つ人の意見も知りたい。

  • ●零戦は、日本的な長所と短所が全て詰まっている「実に日本人らしい戦闘機」であり、まさしく日本人じゃなければ作れなかった戦闘機。
    零戦は直線がほとんどない、カーブが多い。空気抵抗を少なく出来る。対してグラマンは直線ばかり。それは作りやすさを重視したから。性能より大量生産を求めた。
    ●永遠の0 朝日新聞の批判。「国のために命を捨てることを良しとする、右傾エンタメが流行している」と言う趣旨の文章。
    ●8時間も飛べる零戦の性能が、ハードな作戦を可能とし、逆に操縦士を苦しめる結果となる。
    ●憲法学者は、現代の様々な法案も、憲法に合致しているかどうか見ているだけです。そこには日本のためにどういう憲法が良いのかと言う視点は一切ありません。まるで中世ヨーロッパの神学者たちのようである。

  • 私も「君が代」を聞くと「軍靴の音が聞こえる」という人には耳鼻科、いや精神的な病を治す別の病院に行くことを勧めたい。若者には歴史を多角的に勉強して貰いたい。現実を直視することを切望する、という末尾の文が著者の意見に大賛成。

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著者プロフィール

作家

「2018年 『クラシック 天才たちの到達点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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