能 650年続いた仕掛けとは (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107320

感想・レビュー・書評

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  • 「能」の魅力をふんだんに説かれて、すっかり興味を持ってしまった。チケットも買いました。鑑賞後、感動してもっと好きになるか、意味がわからず疎遠になるか、確かめてみます。

  • 能に少しだけ縁があったので、良い機会だと思って読んでみた。入門して能を始めた人が、どんないいことがあったのか、どんなことができるのか、と、言葉を選ばずに言えば、好き放題に書いている。
    それなりに面白いような気もしたけど、ちょっと冗長に感じるところも多い。やってみるのはともかく、一度くらい観に行ってみたいという気持ちが少し強まった。
    180104

  • 内容は充実ですが、能を1,2回見た、あるいはこれから見るという人向きだった。

  • 17/11/30。

  • 意味のない型の中に込められた何か。

  • ビジネスマン向けに「効能」に重点を置いた書き方。漱石と芭蕉の話が面白かった。

  • 何度か拝見、拝聴したことのある安田先生の「能」の本ということで、迷わず読む。
    しかし、私自身、ものすごくお能に興味がある、もっと知りたい、というところまでは行かず、その手前くらいの状態。
    一度見ただけ。その時は「招待券があるので行きたい人は?」とある機会に言われ、「一度見てみたかった、薪能。やった〜」という感じで行った(安田先生とは関係ない)。
    それなのに、屋外なのに、途中で睡魔と戦うことに。情けない!そのあと、安田先生を知り、眠たくなることをそんなに否定されない感じでお話になっていたので「ま、いいか、また行ってみてもいいかも」と。
    で、この本を読み、その気持ちが少し増した。今すぐチケットを買うというところまで、まだ行かないのだけれど。
    しかし、奥が深すぎて、私のようなタイプのものには向いてない気もする。

    「初心忘るべからず」の本当の意味を、ひょっとすると安田先生のツイッターか何かですでに読んでいた気もするけど、「初心」という言葉は改めて胸に響いた。「折あるごとに古い自己を裁ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならない」。
    「時々の初心」古い自己イメージをバッサリ裁ち切り、次なるステージに上り、そして新しい身の丈にあった自分に立ち返る。
    「老後の初心」について
    "どんな年齢になっても自分自身を裁ち切り、新たなステージに上る勇気が必要だと。
    とはいえ、これはさらに厳しいことです。年齢とともに身に付いたものも多く、過去の栄光も忘れられない。同時に自分の生にも限りが見えてくる。いまこれを断ち切ったら、本当にもう一度変容し得るのだろうか、とも迷う。
    それでも断ち切る。これが「老後の初心」なのです。なぜならば生きている限り、人は変化をし続ける存在だからです。自分を裁ち切るには痛みが伴います。今までの価値観が崩れ、地位や名誉、ひょっとすると友人や財産までも失う。今までの自分がガラガラと崩壊し、魂の危機さえ感じるかもしれない。
    ですが、そんな「危機」こそまさに「チャンス」です。危機を避けていては成長はありません。自ら進んで危機を受け入れてこそ成長がある。そして、その選択を突きつけるのが「初心」なのである。"

    この初心についての文章は、ごく最初の13ページから18ページくらいに書かれていて、ここまで読んだだけで、これを読むために私はこの本を読んだのだ、と思った。
    肝に銘じたいし、励まされた。
    今がその時、と思った。
    でも、難しい…

    直接のお能への体験は、すぐ、とはならないかもしれない。でも、私は知っている。1年後とか5年後、10年後か20年後かもしれないけど、ふと興味がグワーッと抑えきれなくなる時が来ないとは限らないのだ。読んだ内容が、それだけの年月をかけて、全く自覚のないまま自分の中で育っていくこと、何度も経験したことがあるから。

  • 能の物語の構造や由来など、基本的なことから読みやすい筆致で書かれている。古典や和歌、俳諧とこんなに関係しているとは知らなかった。時間を使ってゆっくりと連想・妄想の世界へ誘う芸術であり、受け手も想像力で参加して完成する。どの辺で参加すればいいのか、おぼろげながら見えた気がする。

    能の中で「ここには意味はないですよ」(身体性重視)という話も、超入門者にはありがたかった。知らなければ意味を探してしまいそう。あとは自分で観たり聞いたりするのみ。ただ本人も「飛躍しているかもしれない」という偉人と能の関係性については話半分に聞いておこうと思う。

  • 紀伊國屋書店PR誌「scripta」の著者連載を読んで興味を持ったので入手してみた。気楽に読める語り口で、能の歴史から起こして長く続いてきた理由を解き明かす。能と芭蕉や漱石の関係など、はじめて知ることも多くわくわくしたし、謡や仕舞をちゃんと習ってみたいなぁという気持ちが掻き立てられる(大学時代の実習で少しかじったので舞扇はまだもっているけれど…)。能への興味の有無にかかわらず、あらゆる仕事や日常の心構えとして読んでも学ぶことが多い。

  • 2017/9/23読了。伝統芸能を楽しめるようになれればという軽い気持ちで購入。

    能を習う効能に関しては実際に経験していないのでなんとも言えないが、謠や和歌などを楽しめるようになれるのは今後の老後にかけて魅力的だと思う。

    影響されて、YouTubeにアップされてる『紅葉狩り』を観てみたら思っていたより話の筋もわかりやすく、舞や早着替えなど楽しめた。

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著者プロフィール

安田 登(やすだ・のぼる):1956年生まれ。 能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催する。関西大学特任教授。 著書に、『身体能力を高める「和の所作」』(ちくま文庫、2010年)『異界を旅する能』(ちくま文庫、2011年)、『日本人の身体』(ちくま新書、2014)、『身体感覚で『論語』を読みなおす――古代中国の文字から (新潮文庫、2018年)、『見えないものを探す旅――旅と能と古典』(亜紀書房、2021年)『古典を読んだら、悩みが消えた。――世の中になじめない人に贈るあたらしい古典案内』(大和書房、2022年)、『魔法のほね』(亜紀書房、2022年)など多数。

「2023年 『『おくのほそ道』謎解きの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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