イスラム教の論理 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
4.04
  • (17)
  • (18)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 268
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107528

作品紹介・あらすじ

コーランの教えに従えば、日本人も殺すべき敵である。イスラム教の論理で見れば、「イスラム国」は正しい――。気鋭のイスラム思想研究者が、コーランを典拠に西側の倫理とはかけ離れたその本質を描き出す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 池内恵さんが絶賛ということで、購入。

    イスラム国が支持される理由と、そもそもイスラム教が何を教えとしているかという所は、今まで読んだ本と併せて分かりやすかった。

    昨今、耳にするハラル食品やブルキニなども、何を選ぶ(解釈)するかは、当の本人であり、その意味でこちらが「決める」ことには大した意味はないと述べている。なるほど。

    民族には民族の、国には国のルールがあり、その中で自分の考えが唯一絶対なのだとは言えない。
    だから、自分の信じる考えが唯一絶対なのだという価値観とは、どうしてもズレてしまう。
    その上、そうではない考えの者と戦い、改宗させよというオプション付き。
    これは、余程の信念がないと成し得ないことだし、イスラム教徒の出産率の高さと相まって、普及させるシステムとしては、ある意味優秀だとも思う。

    私の知らない所で、信念が人を襲っている。
    そう思って、読むことだけは続けていこうと思う。

  • 今世界的に起きているイスラム教によるテロや事件は、コーランが説く一つの「論理」に導かれて起きていることがわかる。「テロはイスラム過激派によるもの」というが、本来的にはイスラム教徒はそうあるべきものでもある。

    例えば、悪とみなされるイスラム国は、イスラム教の解釈では理想郷なのだ。異教徒を殺すこともイスラム教徒にとっては正義なのだ。

    7世紀に成立した教義を現代社会に適用することは時代錯誤だとされようとも、世界がイスラム教による支配が実現されるまではこの教義は生き続ける。

    テロや殺害は決して許されるべき行為ではないが、あくまで一つの「論理」に導かれている人々もいるという多様性が同時に認めるべきなのだろうか?そもそも多様性とはなにか?と色々考えさせられる。

    本書で述べられていることは、今日グローバル世界に生きる我々が最低限持っておくべき知識だと思う。

    • Shunichiro  Iseさん
      イスラム教の中のグラデーションという概念は書かれていたか
      イスラム教の中のグラデーションという概念は書かれていたか
      2020/02/03
    • Pompeiiさん
      書かれてなかったな。お恥ずかしながら、イスラム教におけるグラデーションの概念とは?
      書かれてなかったな。お恥ずかしながら、イスラム教におけるグラデーションの概念とは?
      2020/02/04
  • イスラム教徒からするとこの本は「とんでもない」本であろう。
    しかし、冷静で厳しい視点を持つこの本を日本人は読むべきだと思う。
    特にこれから異文化との共生を日本が選ぶのであれば、日本人の価値観で異なる宗教やそれを信じる人達を「わかったつもり」になると大火傷することがある。
    異なる文化や思考、価値観を完璧に理解することはできなくても、「知る」ということは最低必要条件だろう。

  • まえがき
    第1章  イスラム教徒は「イスラム国」を否定できない
    第2章  インターネットで増殖する「正しい」イスラム教徒
    第3章  世界征服はイスラム教徒全員の義務である
    第4章  自殺はダメだが自爆テロは推奨する不思議な死生観
    第5章  娼婦はいないが女奴隷はいる世界
    第6章  民主主義とは絶対に両立しない価値体系
    第7章  イスラム社会の常識と日常

  • イスラム世界と共生する事は相当難しい。
    人類の課題?

  • 読了。
    著者の言説は一部研究者からかなり異端視されているようで、鵜呑みにしないよう注意も必要だが、少なくともイスラム過激派やテロリスト達が、如何様な論理構成で行動しているのかは理解できたように思う。
    「イスラム2.0」でも書かれていたが、(著者の主張はさて置き)インターネットの普及で神の啓示に直接触れることが可能になった現在、解釈の多様性が更に拡大するであろう現実は誰も否定できない。
    経済だけでなく思想すらグローバル化する現代は、ますます混迷の度を深めている。

  • ツイッターでは喧嘩上等の飯山だが単に威勢がいいだけではなかった。「イスラム教の論理に基づけばイスラム国を否定することはできない」との指摘に始まり、アッラーに額(ぬか)づく精神世界が教義という合理性に貫かれていることが書かれている。筆致に独特の勢いがあり機関銃を連射するような小気味のよさが巻末まで続く。
    https://sessendo.blogspot.com/2020/03/blog-post_29.html

  • 真のイスラム教徒が、それ以外の人間にとって、いかに危険な存在かを、しつこく詳しく述べている。

  • イスラム教は教義として排他的・攻撃的なのでいわゆるイスラム教過激派はイスラム教の中では決して異端ではなく,むしろ忠実に教義を実践しているという話. そうなると,歩み寄るためには教義を変えてもらわないといけないが,コーランが絶対だとそれも難しく,もう1人1人説得して改宗してもらうしかないのかと思った.

  • 「コーランを字義通り解釈すれば、日本人も『殺すべき敵』である」
    衝撃的な言葉だった。
    本書は、コーラン、ハディースの解釈とイスラム教の論理が、必ずしも多様性や平等、民主主義などの西洋の論理にそぐわない側面があることを直視すべきだと警告する。本書を読んで、コーランやハディースについて興味が湧いた。イスラム教の論理を知る良書。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

イスラム思想・古典イスラム法の文献研究者。中東情勢やイスラムに関係する世界情勢の分析、モニタリング、リサーチ、アラビア語通訳としても活躍。WEBを中心に発信している、いまもっとも旬なイスラム研究者。

「2019年 『イスラム2.0』 で使われていた紹介文から引用しています。」

飯山陽の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フィル・ナイト
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印

イスラム教の論理 (新潮新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×