人生に信念はいらない 考える禅入門 (新潮新書)

  • 新潮社 (2018年7月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784106107726

作品紹介・あらすじ

強固な“信念”よりも、柔らかな“心の柱”を――。「坐禅は心のゴミ捨て場」「見返りを求めない」など、禅と仏教を学び、人生をより自由に軽快に。迷いや苦しみに向き合うヒントがいっぱい、注目の禅僧のデビュー作!

感想・レビュー・書評

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  • 一度、こちらの住職のお寺の座禅会に参加する機会があり、もっとこの人のことを知りたいなぁと思い、読み始めました。出家のお話、座禅、仏教のお話、生きる上でのお話。文章が優しさにあふれていて、言葉が心にスーッとしみこみました。とってもしなやかな生き方をされている人だなぁと思いました。私が一番心に残ったのは、「今、ここ、目の前のことにしっかり向き合い、生きること」です。他にもたくさん素敵な言葉があります。いつでも近くに置きたい一冊になりました。

  • 自分の『心の柱』を持つ
    →人生で起こる色んなトラブルや苦悩による心の振動を柔らかく抑えて、元のポジションに戻してくれる『心の柱』
    嬉しい時は嬉しい方へ、悲しい時は悲しい方へ、いくら傾いても心の柱は柔軟にたわむ。

    仏門の家に生まれ、長年僧堂で修行して住職になられて著者だからこそ見つけた考えであり、素敵だなと思いました。悲しいことばっかりな時代だからこそ大事よね………。
    あまり詳しくなかったので、僧堂での生活やそもそもの僧堂への入門の流れなど、色んなことが知れて面白かったのですが、
    一緒に修行していた友人が亡くなってからの心の変化、というものが一番印象的でした。
    悲しみに暮れるより、ひたすら目の前のことに向き合って、『なりきる』こと。
    物凄く悲しかったからこそ、得た考えなのだろうと。

    坐禅、全くやったことないけど一度やってみようかな……。本書でも書かれていましたが、何かを得るよりは、心のゴミ捨て場というのも納得。
    雑念を捨てる機会は現代社会に何より必要なのでは。

  • 人生に信念はいらない

    臨済宗の禅僧である細川氏により禅に関する講義。私自身、曹洞宗の仏教校出身であるが、同じ禅宗でも違いがあり、面白い。(おそらく弊学OBが見れば一目瞭然であるが、細川氏は同じ中高の先輩である。公表されていないが)
    以下の文章が印象的であった。
    「禅問答とは、自分と他人を二つに対立させ、分けて考えてしまうのを捨てて、自分と他は二つではないことに気づくことから始まります。我見を無くして平等に物事を見られる目を持ち、その無心の澄み切った眼で、差別の現実を見ていこう。そのことが物事を正しく見ていくことにつながっていく、というのが禅の根幹です。」
    前段の部分は、梵我一如というか、西田の純粋経験のような感も覚えるが、デカルトに始まる近代西洋的な思考とはまったくの相反する非常に面白い思想である。先日、エゴンシーレ展を見ていて面白いなと思ったのは、エゴンシーレも同じく自他の境界性について、疑問を持っている人物で、彼の人物画のタッチではあえて人と背景の境界線を書いていないという点。自他を区別せず、一体のものとして捉えていく思想は、西洋近代の思想が主流となっているビジネスの世界や実世界において鮮やかに光る。
    また、細川氏が9年間の修行の感想で、「得られるものがなかった」と仰っているのが、興味深かった。しかし、これが禅の本質なのであろう。修行中は文献を読むこともせず、徹底的に自分に向き合う。確かに何も得るものはなかったが、日々の美しさや物事の有難みに気づくという点、これこそが悟りではないかと看破されている。スティーブ・ジョブズが禅の思想に出会い、Appleの製品をシンプルにまとめたこともここに何等かのヒントがあるのかもしれない。先日読んだ『モチベーション革命』では、AIによってただデータを集めることや論理的な分析は代替され、非論理的に自分が愛してしまう偏愛や偏執的な趣味を持つ人が逆に強くなると語られていた。これからの時代において、禅の知足の精神と、偏愛がより重要になるのではないかと直感的に感じた。

  • お坊さんになるのは大変だな〜、自分には難しいな〜。でも、人生において成長するためには少なからず修行や訓練は必要なので、「お坊さんはもっとキツい修行をしているから、今の自分の状況はまだまだ楽なもんだな」と思うと、色んなことが続けられそうです。

  • 身、息、心のでこぼこをならして全体のバランスを調え、目の前にあるいまここに集中し、信念に執着しない。

  • 何かが取り立ててすっごくすごい本てわけじゃないんだけど、
    ・同世代の人が、まだ選ぶって書くには若いなりに、真剣に向き合っておそらくその道の第一線を走りながらも、指南書を書いた本、ということで、まず好感が持てる。
    ・それから、人生つらいな、でも青春真っ盛りみたいにやんちゃな対応もできない、から日々をこなして、淡々とがんばって、っていうことが必須とされる時、座禅でもしたら救われるのかねぇ、なんてふと思った私には、「座禅で何かがみつかるのではない、座禅で捨てるのである」というのは、あぁ、と妙に納得して、想像ができた。

    読み終わって、
    ・いらないものが多過ぎて、いろんなものを背負っている、捨てたくてもそうやすやすと捨てられるわけでもないのだけれど、少しくらい身を切っても、いらないものは捨てて歩いた方が疲れない。
    ・あとはなぜか、まぁこの人生もいいじゃないか、
    とこの本を読んでいる間に思ったので、
    なかなかいい本だ、と言えるのではないかな。

  • 【いちぶん】
    私たちの人生に確固たる信念はいらない、と言ったら大袈裟でしょうか。どうしても、人生の目標であったり、生まれてきた意義であったりと、強固で頑なな柱に憧れを持ってしまうかもしれません。

  • 信念はあってもいい。むしろ必要。
    でも柔軟性があってこそ。

  • 禅宗の僧が禅について語る。坐禅は何も生まないという見方は興味深い。

  • 臨済宗・禅宗の僧侶の方が書いた、座禅を中心に、
    禅宗の修行についての内容。
    座禅の組み方や、それだけれはなく、今後の
    禅宗・仏教の世間へのかかわりの仕方についても
    なかなかおもしろういと思いした。

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著者プロフィール

東京都世田谷区野沢龍雲寺(臨済宗妙心寺派)住職。1979年東京都生まれ。松原泰道の孫。大学卒業後、京都の妙心寺専門道場にて九年間の修行生活をおくる。2013年より現職。著書に『人生に信念はいらない』(新潮新書)、『迷いが消える禅のひとこと』(サンマーク出版)、『禅の言葉とジブリ』(徳間書店)、共著書に『不要不急』(新潮新書)などがある。

「2022年 『禅の調べ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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