国家と教養 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 428
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107931

作品紹介・あらすじ

大ベストセラー『国家の品格』著者による独創的文化論。教養はどうしたら身につくのか。教養の歴史を概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、数学者らしい独創的な視点で「現代に相応しい教養」のあり方を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 教養を養うことが情緒を育む、教養を持っていたことが日本が完全に植民地化されなかった理由。だから若い人も本を読むべし、との主張。

    老人の愚痴に感じる言い回しが気になってしまう。
    なお、著者が現代の素晴らしい大衆芸術として例に挙げた 君の名は を自分はそれほど面白いと思えていません。

  • 最終的には,読書を以てしか教養を得ることはできないと説く.残念ながら,多くの日本人は世界において自分が存在する,と考えず,個として世界を閉じているので,教養を獲得し,世界を俯瞰する,という必然性自体を必要と感じていない.だから,世界あるいは他者に対する寛容性が微塵もない世界が生成されるのだ.他者と自分とで構成されて世界が成り立ち,その一員として自分を客観視している人は,はじめから教養の必要性とその獲得方法は理解している.教養以前の段階に問題がある.

  • 教養は、世の中の一過性の流行や言動に流される事なく、自分としての意見を持ち正しい判断へと導くもなのだと痛感。少々書く内容に偏りがあるが納得できる所も多い。

  • 現代においては死語と化した「教養」について、『国家の品格』の著者が述べる文化論。
    その衰退の要因として、次の4点を挙げる。
    ①生活を豊かにするのには役に立たないと見下す現代人
    ②アメリカ化
    ③グローバリズム
    ④二つの世界大戦
    そして、教養を主体とした、ヨーロッパさらに日本の歴史が詳らかに綴られる。少数エリートに独占されていた教養は、戦争を押しとどめる上では無力だった、と。
    しかし、民主主義は教養がなければ成り立たないと、解き明かす。
    では、情報社会の現代に対応する教養とは何かといえば、「生を吹き込まれた知識、情緒や形と一体になった知識」だそうだ。
    それには、我が国が誇る「大衆文化教養」が役に立つと述べ、アニメ映画『君の名は』にも触れる。
    それらを自らの血肉にするには、読書が欠かせない、と強調する。
    ブクログの利用者の中には、我が意を得たり!と、感嘆する人もいることだろう。

  • 【情報を論理的に体系化したものが知識とすると、これからの教養は書斎型の知識でなく、現実対応型のものでなくてはなりません。現実対応型の知識とは、屍のごとき知識ではなく、生を吹き込まれた知識、情緒や形と一体となった知識です】(文中より引用)

    主に日本、そして欧米における教養の歴史を振り返りながら、現代社会を生き抜く上で本当に必要な教養とは何かを探求した作品。著者は、大ベストセラーとなった『国家と品格』を手がけた藤原正彦。

    教養という多義的な言葉に切り込み、今日的な知の在り方について光を当てた点を評価したい一冊でした。かなり刺々しい言葉が作品中に目立つため、それを毛嫌いしてしまう人もいるかもしれませんが、藤原氏の思考回路をたどっていくのも本書の楽しみなのかもしれないなと感じました。

    『国家と品格』が懐かしい☆5つ

  • ・明治大正時代、舶来の教養を無邪気に身につけた世代は、日本という根がなく、借り物の思想であることに気づかず、大正デモクラシーを謳歌しているうちに、ロシア革命がおきるとマルクス主義にかぶれ、昭和ではナチズム・軍国主義に流された。戦後は、左翼思想に流され、今は新自由主義やグローバリズムに流されている。「上滑り」「虚偽」「軽薄」は一貫している。
    ・基盤となる形をもたない個性は、流行りの新しい思潮に常に圧倒される。ドイツでも、フェルキッシュ運動・ファシズム・贖罪意識に圧倒された。
    ・現代に至る日本の知識人のひ弱さは、世界に誇る我が国の大衆文化、日本人としての情緒や形を軽侮したことに因がある。
    ・民主主義という暴走トラックを制御するのは国民の教養である。
    ・実体験や大衆文化により養われた情緒や形があって、初めて知識に生が吹き込まれる。知識に、情緒や形がまぶされて初めて活性化され、真の教養になる。例えばグローバリズムを考えるとき、経済(=西洋の輸入品)だけを考える人と、日本の国柄とか美しい自然や弱者への惻隠を大事にしたい人はまるっきり異なる見方をする。

  • 若き数学者のアメリカ、とか大好きだったんだけど…。
    かなり、書き飛ばしている印象。

  • 「もっとしっかり勉強しなければならない」「もっとたくさんの本を読まなければならない」そう思わせてくれる本でした。
    そして何より日本人であることを誇りに思えるように、恥ずかしくないように、しなければならないと思いました。

  • 経済上の変化が、不思議といおうか、当然といおうか、人の優しさ、おだやかさ、思いやり、卑怯を憎む心、献身、他者への深い共感、と日本を日本たらしめてできた誇るべき情緒までをも蝕み始めたのです
    イギリス人には他人と違うことはかっこいいと言う文化があります
    読書を通じ、古今東西の賢人や哲人や文人の言葉に耳を傾けることができます

  • 藤原正彦 著「国家と教養」(2018.12)、私には難しかったです。最近は、冗談交じりで、教養とは「今日用事がある」(教育は「今日行くところがある」)なんて言ってる私ですw。教養はなぜ必要か、教養の衰退、教養と欧州、教養と日本、国家と教養・・・、難しかったです。著者の思いを推察すると、疑似体験の柱となる「読書」と教養の4本柱(人文教養、社会教養、科学教養、大衆文化教養)の重要性でしょうか。就中、大衆文化教養(情緒)の大切さに力点を置かれています。とにもかくにも難しかったですw。

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