「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108006

作品紹介・あらすじ

「嫌われたくない」「認められたい」が破滅を招く! SNSでは「いいね!」を求め過ぎ、仕事では「がんばらねば」と力んで、心身を蝕む人がいる。その悪因と化す「承認欲求」を徹底解剖し、人間関係や成果を向上させる画期的提言。

感想・レビュー・書評

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  • 承認欲求と聞いた時点でSNSにドはまりしている人たちの事書いてあるのかな?と軽い気持ちで読みはじめましたが、誰でも承認欲求に振り回されていて、関わり合いにならないようにするなんて人と会わないで仙人にでもなるしかない状態だという事が分かりました。
    大企業の隠蔽や偽装も、得た信頼を失わないようにする為嘘をついてしまう事に端を発しています。すなわち承認欲求によって道を踏み外すわけであります。
    企業としてどうすべきかという事が色々書いてありましたが、我々は結局個人個人で何とかするしかないわけなので、この本で一番ピンと来たのは「もう一つの世界を作る」という事でありました。仕事だけを全てと生きているとどうしても一度の失敗で失う事が多すぎるので、趣味や副業で別の世界を構築していくという事が重要。一つが失われたり損なわれたりしても、全てが無くなるわけではないという風に自分自身を誘導していくことが必要と感じました。

  • 最近よく考えるテーマ。
    自分自身も、承認欲求から逃れられないしんどさを味わっているし、周りを見ても、認めて欲しい怨嗟の声を聞く。この時期は、特に。

    もっと認められたい、という積極的な承認欲求よりも、既得権益を奪われたくない、という消極的な承認欲求の方が強いと書かれていたこと。

    そして、認められる為に役割を演じている自分と、本来の自分との乖離に、潰れてしまうことがあるということ。

    読んで、この二つが印象に残った。
    割と自分は「こうでなくては」という思い込みが強い方で、だけどその思い込みは自分自身から来ているものではないな、と思うこともある。

    「自分が選手(相手)の感情や態度に依存してしまうことを恐れ、高圧的な態度をとり続ける人もいるようだ。命令ー服従の関係のなかには、はじめから尊敬も感謝も入る余地がないからである。」

    指導者の話だが、選手に敢えて(相手)と入れた。
    認められたいと思う人は、反面、相手によって左右される自分が気に入らないとか、隠したいと感じて、関係を遮断してしまうのかもしれない。

    日本が狭い共同体化していくことへの危惧を筆者は「あとがき」で述べているが、承認欲求の裏にはこうした遮断の感覚があるのかな、という点が興味深い。

    承認欲求の呪縛を解くカギとして、職場のダイバーシティやプロ化を挙げている。
    多くの価値観と関わりながら、自分自身の専門性を深めていく。なるほどなあ。

    認められることで苦しんでいくのではなく、楽観視出来ればいいなと思う。
    日本社会には根深い問題ではあるものの、「そういう自分」を知ることも楽になる一つなんだろう。

  • 評価されたいという気持ち、承認欲求は自分にもかなり思い当たった。海外だったら部下を褒めたらすぐに昇給を要求される、ある意味ドライで相手からの承認欲求だけで満足しない。ただ褒めて働かせるのは承認欲求の搾取。活躍した社員を表彰し報酬金を与えると、そのプレッシャーで表彰者が翌年には辞める会社。。子供が自殺するのは家庭では元気なお兄ちゃん、お姉ちゃんが学校でいじめられているという自分の評価が180度変わることに耐えられないから、など承認欲求というテーマでいろいろ考えるのが新発見で納得。しかし、高橋まつりさんの自殺まで承認欲求でくくるのはさすがに疑問。明らかに過労だったし、鬱状態だったので承認欲求のプレッシャーと結論づけるのは彼女の思考回路に問題があったかのようでおかしい。
    いじめについて改めて考えさせられた。いじめという言葉が自分を「いじめられっ子」と定義することになりそれが受け入れられず大人に相談できない。嫌がらせ、校内暴力など別な言葉はないだろうか。

  • 承認欲求の功罪両面が書いてあってよかった。
    そしてSNSのいいねにとどまらず、組織内のいいねにしがみつく中年にまで話を振ることで「最近の若者は」の議論にとどめなかったのは素晴らしい。
    ぜひおじさんたちに読んでもらいたい。

  • こうしてみると会社組織の在り方は、大転換期に入ってるようですね。個人の自由度が増せば増すほど、経営のリスクは増大しているように思います。個人の権利、主張を過度に尊重しても、それに見合う義務が果たされるのか?従業員のモチベーション向上ばかりに目がいってて、とても違和感があります。そもそも仕事をして対価を得るのだから、その時点でプロフェッショナルですよね。
    モチベーションは各人が自身で上げる努力をしていくのが筋ではないのかなあ?何でも会社に依存するのは、個の弱体化が進むんではと憂鬱になりますね。日本が特異な環境にあるのは理解しますが、世界の働く人々と比較した研究成果があれば、読んでみたいですね。

  • 承認欲求の負の側面に着目した本書。
    自分が気にしないといけないのは、承認欲求を求めすぎ自分で自分を認めること。
    一つの組織に依存するのではなく、居場所を幾つ持つこと。
    一つの目標だけに固執しない。
    他者に対して気にしないといけないのは、ただ褒めるだけでは意味がないこと。
    きちんと基準を決めて承認し成果に報いること。

  • 東2法経図・6F開架:361.45A/O81s//K

  • この本で指摘されている通り、本当に多くの日本人が、「認められたい」「認められなくてはいけない」という状態に陥ってしまっています。

    この呪縛を解くカギとして、著者は
    ・周囲と同一次元で勝負をしないこと
    ・別の大切な世界「もう一つの世界」をもつこと
    ・組織をプロフェッショナルの集団に変えること
    を挙げています。

    まずは、自分の行動が経済によるものなのか、承認を求めてのものなのか、自己実現のためのものなのか、を自覚することから始めることが大切だと感じました。

  • 「認めてやる」はいかんな。いかん。悪用もされてるです。興味をもつぐらいが丁度良いのかも。

  • なんともしんどい話。承認が欲しいから無理する、不祥事の自殺は、組織内での承認を失うから、というのは非常に説得力がある。相対化するのって難しいが、必要なんだな。

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著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。専門は個人を尊重する組織の研究。おもな著書に『公務員革命』『ホンネで動かす組織論』『ムダな仕事が多い職場』(以上、ちくま新書)、『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』(ともに新潮新書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)などがある。

「2018年 『「ネコ型」人間の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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