「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108006

作品紹介・あらすじ

「嫌われたくない」「認められたい」が破滅を招く! SNSでは「いいね!」を求め過ぎ、仕事では「がんばらねば」と力んで、心身を蝕む人がいる。その悪因と化す「承認欲求」を徹底解剖し、人間関係や成果を向上させる画期的提言。

感想・レビュー・書評

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  • 最近よく考えるテーマ。
    自分自身も、承認欲求から逃れられないしんどさを味わっているし、周りを見ても、認めて欲しい怨嗟の声を聞く。この時期は、特に。

    もっと認められたい、という積極的な承認欲求よりも、既得権益を奪われたくない、という消極的な承認欲求の方が強いと書かれていたこと。

    そして、認められる為に役割を演じている自分と、本来の自分との乖離に、潰れてしまうことがあるということ。

    読んで、この二つが印象に残った。
    割と自分は「こうでなくては」という思い込みが強い方で、だけどその思い込みは自分自身から来ているものではないな、と思うこともある。

    「自分が選手(相手)の感情や態度に依存してしまうことを恐れ、高圧的な態度をとり続ける人もいるようだ。命令ー服従の関係のなかには、はじめから尊敬も感謝も入る余地がないからである。」

    指導者の話だが、選手に敢えて(相手)と入れた。
    認められたいと思う人は、反面、相手によって左右される自分が気に入らないとか、隠したいと感じて、関係を遮断してしまうのかもしれない。

    日本が狭い共同体化していくことへの危惧を筆者は「あとがき」で述べているが、承認欲求の裏にはこうした遮断の感覚があるのかな、という点が興味深い。

    承認欲求の呪縛を解くカギとして、職場のダイバーシティやプロ化を挙げている。
    多くの価値観と関わりながら、自分自身の専門性を深めていく。なるほどなあ。

    認められることで苦しんでいくのではなく、楽観視出来ればいいなと思う。
    日本社会には根深い問題ではあるものの、「そういう自分」を知ることも楽になる一つなんだろう。

  • 承認欲求高めの私が何に囚われているのかを客観的に教えてもらった気がする。
    褒めて伸ばせも大事だけど、褒められるとそれが本人の負担になりモチベーションを下げることにも繋がる。
    じゃあどうしたらいいの?と思いながらも、
    結局正解は存在しないのだから、人によって対応を変えるべきというのが妥当だろう。
    勝手な思い込みで褒めちぎることよりも、その人が何を求めていて、どうしたいのかを一緒に考えてあげられるようになれたら最高。
    かくいう私も承認欲求の呪縛に囚われないよう気をつけなければ。

  • 認めてやらないと伸びないし、認めてやるとそれが負担になる人がいる。学校で教える仕事をしている立場として、これは気を付けないと。

  •  「承認欲求の搾取」という言葉が目についた。おそらく「やりがい搾取」と同種の言葉であろう。

     承認を受けたいが為に右往左往するのでは、振り回されて疲れ果ててしまう。それをどう中和するか、そして適度な距離を取りえるのか。

     

  • 「叱ってはダメ、褒めて伸ばせ」から
    「褒めすぎてもダメ」
    結局は一人一人、真剣に向き合う事が大切。
    向き合うポイントを教えてくれる本。

    人を活かし伸ばす事の難しさを再認識しました。

  • これまでの著書の方が面白かった。


     モチベーションは大きく分けて二種類ある。一つはお金やモノ、役職ポストなど、外から与えられる報酬によって引き出されるものであり、「外発的モチベーション」という。もう一つは仕事そのものが楽しいとか挑戦心をかき立てるとかいうように、仕事の内側からわいてくるものであり、「内発的モチベーション」と呼ばれる。

     名著『夜と霧』の著者であり、精神科医、哲学者でもあるV・E・フランクルは、人間存在の意味を追求する「ロゴセラピー」を説き、関連してこう述べている。「恐怖症と強迫神経症の病因が、少なくともその一部は、患者がそれから逃れようとしたり、それと戦おうとすることによって起こるふ不安や強迫観念の増大にあるという事実に基づいている」
     このような現象を「精神交互作用」と名付けたのが、「森田療法」で知られる医学者森田正馬である。森田によると、そもそも神経症の不安や葛藤は正常な人にも生じる心理状態であり、自分にとって不都合な弱点を取り除こうと努力するほど、その意に反して自分に不都合な神経症の症状を引き出してしまう。

     したがって「認知された期待」「自己効力感」「問題の重要性」を呪縛の三要素と呼ぶことができる。定式化すると、(認知された期待‐自己効力感)×問題の重要性=プレッシャーの大きさ、すなわち「承認欲求の呪縛」の強さである。

     それでは結論として、どこを、どのようにほめたらよいのか?
     その答えは、具体的な根拠を示しながら潜在能力をほめることである。潜在能力をほめることは、「やればできる」という自信をつける。すなわち自己効力感に直接働きかけることを意味する。すでに述べたように自己効力感が高まれば挑戦意欲がわく。かりに成果があがらなくても、潜在能力に自信があれば、成果があがらないのは努力の質か量に問題があるからだと受け止められる。そして、改善への努力を促すことができる。
     第一に、友人や顧客からの声など第三者の評価を伝えることによって、受け取る側からすると信憑性が高くなる。…
     第二に、何が賞賛に値するかをできるだけ文章にして具体的に示す。たとえば表彰する場合も、賞状には通り一遍の文言ではなく、理由を詳細に記述したほうがよい。またカードやスマートフォンのアプリを使って、ほめ言葉や感謝の言葉を伝える仕組みを取り入れている会社もある。口に出すのが照れくさい場合に使えるといったメリットもあるようだ。
     第三に、「昨年はできなかった○○が今年はできるようになった」というように、進歩の度合を客観的に理解できる指標を示す。他人と比較するより、過去の自分と比較するほうが成長の実感が得られやすい場合がある。
     第四に、ふだんはできないことがたまたまできたときなど、例外的な事象に注目する。とくにほめるところを見つけにくい場合に使える方法である。

  • 著者の太田肇氏は同志社大の教授で、個人を尊重する組織を専門に研究しているらしい。Amazonに勧められて購入。

    感想。
    あまりピンとこず。
    承認されたい、が行き過ぎると承認された状態を維持したい、になり不幸に繋がるという話。
    もう少し深い話を期待していた。

    備忘録。
    ・「認知された期待」から受けるプレッシャーこそが、「承認欲求の呪縛」。

    ・「自己効力感」すなわち「やればできる」という自信が、承認欲求の呪縛を脱するのに有効。

    ・自分の弱みも包み隠さず見せることが出来る自己開示も有効。その意味でも大切なのは失敗体験。

    ・期待されたり、注目されたり、失敗した経験が少ないと、「期待に応えなければ」というプレッシャーを強く感じる。

    ・目の前の目標よりもはるか先に目標を置くことで、目の前のプレッシャーを軽減。王貞治は、32回の優勝記録を前にプレッシャーを感じていた白鵬に、35回や40回を考えれば楽になる、と言ったらしい。

  • 「承認欲求」の呪縛。太田肇先生の著書。承認欲求は毒にも薬にもなる。適度な承認欲求をもって努力して、承認欲求が満たされる結果につながれば、それは承認欲求がもたらす素晴らしい循環になる。でも、過度な承認欲求をもったり、承認欲求が満たされなければ、それが自己否定や不平不満、怨恨や逆恨みにつながって、自暴自棄になったり人間関係悪化につながったりもする。承認欲求と上手に付き合うヒントがもらえる良書です。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=338362

  • 承認は効果的。でも劇薬。

    承認欲求の呪縛に注意。

    自己肯定感を上げる。期待を下げる。問題の重要度を下げる。

    問題の相対化。

  • (自信-期待)×事柄の重要性が問題。
    承認欲求の呪縛から逃れるためには、自信を高めるか、期待を下げるか、事柄の重要性を下げるかすればよい。

  • 自信をもたらす最大の要因は成功体験である。実際にやってみて成功したら自信がつく。しかし同じことを成し遂げても自分自身ではその価値がわからない場合がある。そんな時他人からすごいよくできたねと褒められたり以前に比べてどれだけ伸びたかを教えられたりすればその値打ちが実感出来、やればできるという自信が持てるようになる。それが新たな意欲をかき立て、また不安を和らげることにもつながる。だからこそ、周囲から承認と言う形でフィードバックを受けることが必要なのである。
    三重県にある南部自動車学校は(褒めちぎる教習所)として知られているが(褒める)教習を始めてから卒業生の事故率が半数以下に減少し、運転免許の合格率は2014年からの3年間で4.5%アップしたと言う。
    パスカルはこう述べている。人間の最大の下劣さは、栄誉を追求することである。だが、これこそまさに、彼の優越の最大の印である。なぜなら、人はいかに多くのものを地上で所有しても、いかに健康や生活の安定を得ても、他人から尊敬されない限り満足はしない。
    期待を裏切ってはいけないと言う意識が心のどこかにある限り、その不安を取り除こうと意識すればするほど、まるでアリ地獄のように負のスパイラルに陥っていくのである。
    実力があっても評価されないのは幸せだ。実力以上に評価されるのはどれだけ苦しいか。
    セルフハンディキャップイングには、あらかじめ大きな期待をかけられるのを防ぐとともに、失敗したときに自己評価が大きく低下することを予防しようと言う意図も含まれている場合が多い。

  • 褒められたり、期待されたりしたいけど、一方で、次のハードルが上がって、ダメだったときに怒られたり、心理的ダメージを受けるから、褒められたり、期待されたりしたくないんだという心の葛藤があるのかな。
    単に褒める文化が良いと思っていたけど、そうではないということに気づけたのが良かった。受け止める人や時と場合にもよることに気をつけたい。

  • 『「承認欲求」の呪縛』(太田肇著/新潮社)vol.491
    https://shirayu.com/blog/topstory/idea/7780.html

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著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。専門は個人を尊重する組織の研究。おもな著書に『公務員革命』『ホンネで動かす組織論』『ムダな仕事が多い職場』(以上、ちくま新書)、『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』(ともに新潮新書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)などがある。

「2018年 『「ネコ型」人間の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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