- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106109041
作品紹介・あらすじ
ヒトの意識は、どう変わる? コロナ禍の象徴・マスクは人類史上、パンツにも匹敵する行動変容をもたらすのか。霊長類学と人類学、社会学など多様な視点から考える、ポスト・コロナ文化論の試み。
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/769314詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マスクで隠されることが性的な魅力につながるかもしれない、というお話だったのかな。
マスク関連の話より、人類史の性の話の方が多かった印象です。 -
参考文献に、井上章一や栗本慎一郎。好みはあるだろうが、わりと好物のテーマ。人間をサルから考えて、パンツを履いたサルとか、そんなシリーズ。本著は、新型コロナ禍による〝マスク“をテーマに。
そもそも、人間の着衣とは、女性の生理により外敵に脅かされる生命の危険を隠す行為から始まった。真相は分からぬが、語り口はそこからスタート。ゴールを迎える頃、我々は人間にとってのマスクの意味に辿り着く。
霊長類のエロスを語る。しかし、品があるのは霊長類学の教授として、しっかりした研究に基づく中身だから。変に茶化した娯楽文書に成り下がらないロジックが素晴らしい。 -
著者は霊長類学の学者さんということで、サルの話はとても含蓄があり興味深く読むことができた。
肝心のマスクについては、思いつきで語ってるんだろうかと思うような内容が多く、エッセイを読んでいるような感じだったが、そんなつもりで買ってなかったので残念に思いました。 -
著者が迷いながら書いているなということが伝わってくる。
あとがきが一番面白いのは、ホントはよくないかもしれないけど。 -
うーん、マスクがパンツと同じはたらきをするかなあ? 確かに白一色だったのがガラ物などバリエーションは増えた。おっ、しかし、テレビでやっていた「流行感冒」ではもっくんが黒いマスクをしていたぞ。黒はちょっときつい感じがするなあ。真っ赤というのはまだ見たことないなあ。隠すからその中身への好奇心がわき上がってくる。そのうち、マスクをはずして何か飲んでいる姿を隠し撮りするヤカラが現れるかもしれない。そういえば、この1年ほどで関わり始めた人の中にはマスクをとった顔を見たことない人がたくさんいる。一度、ふと見たときにマスクをとっていて、えっ、そんな顔だったの、と思ったこともある。口や鼻が、陰部と同じように、親密な関係にならない限り見ることができなくなるのだろうか。うーん。本書にも登場するが、おばあさんが立小便をするシーン、僕もおそらく40年ほど前に見たことがある。まあ、衝撃的だったなあ。だからこそ覚えている。母親が赤ん坊におっぱいをあげるシーンとかは、僕が子どものころにはまだ普通にあったように思う。目のやり場に困ると思っていたから、すでに人前でするものではなくなっていたのかな。イヌイットの性生活はなかなか興味深い。チンパンジーもしかり。しかし、チンパンジーは生殖という意味ではあまり成功していなさそうだから、どういうことなのだろう。最後の方は柳田國男とかオルテガとかを出してきてけっこう理屈っぽく見えるが、まあやっぱり谷崎を取り上げている段階で基本的に「スケベオヤジ」(失礼)なんだな。まあ、僕も谷崎は好きですが。これを女性が読むとどう感じるものなのか。パワハラではなくセクハラで訴えられる? まあ、それはともかく、あとがきにもある霊長類研究所のいきさつとか吉田寮とか山極前総長のこととか、いろいろあるのですね。ところで、非日常と日常、ハレとケの話、新聞に山極先生も書いていたと思うが、コロナ禍の中、ハレ舞台が簡略化されてしまい、なんか発散できる場がないのだな。オンラインで講演会を聴いたり舞台を観たりもできるわけだけれど、やっぱりリアル空間に集まって、生で観る高揚感は得られない。早く気兼ねなくパッと出かけたいなあ。それと、帯のニホンザル、マスクさせられてかわいそうと思ったら、CGでしたね。子供用にしても小さ過ぎるか。