平成のヒット曲 (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106109294

作品紹介・あらすじ

ヒット曲は、いかにして時代の心をつかんだのか――。「川の流れのように」から「Lemon」まで、各年を象徴する30のヒット曲を分析。小室哲哉、宇多田ヒカル、SMAP、星野源……平成30年間の時代精神に迫る力作評論。

感想・レビュー・書評

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  • 業界がどう動いていたか、という話。音楽そのものの話が薄いのが残念な感じはあるけど情報量は多い。

  • ちゃんと時系列で、
    ちゃんと意味のあるヒット曲をチョイスしている。
    この手の本によくある、
    「私だけの名曲。しらないでしよ?」
    的なチョイスが無い。
    そこがとても好印象。
    平成を振り返ることができる良書です。
    付録的にデータがあれば
    さらに良かったと思います。

  • 「平成」って、大正と同じようなイメージをもっていたが、年数だけでいっても、大正の倍もあるのだと、あらためて実感した

    思ってた以上に長かった、、、

  • 2023年6月7日読了。平成の30年を各年を代表する1曲を挙げ、その年の世相・その曲を選出した理由・現在に連なる動きなどを雑誌記事やインタビューを引用しつつ読み解く本。『TSUNAMI』『CAN YOU CELEBRATE?』など誰もが納得するNo.1ヒットもあれば、『ハナミズキ』など初動セールスよりもその後のスタンダード化が大きい曲もあり。『小さな恋のうた』(モンパチ!)『さくら(独唱)』などは確かにその時代を代表するヒット曲だったなあ…などとしみじみ感慨にふけったりもする。「自分探し」というキーワードでミスチルとサッカーの流行を同一視する視点も非常に興味深い。確かに自分は、この平成の時代をヒット曲たちとともにどっぷりと生きてきたのだなあ…。

  • 楽しく読んだ。世代ごとに色々言いたいことが出てくるんじゃないかしら。
    僕は2000年代以降の曲はまだ十分に距離がとれず、気恥ずかしかったり、嫌悪感すらあったりするけど、もう10年以上そんなこと言っているのに驚く。最後の方はメロディを口ずさむことすらできない曲がちょいちょい出てくる。
    やや牽強付会な部分もあるにせよ、よくぞまとめたという力技と読んでる間の懐かしさ、楽しさを評価したい。

  • 平成とはどんな時代だったか。名曲共に振り返る。

    本書は平成という時代を3つに区切り、それぞれミリオンセラーの時代(CD)、スタンダードソング、ソーシャルの時代(SNS)としている。

    その中で繰り返し言われるのは昭和から平成にかけて、根性→自分らしさへの価値転換。高度経済成長→崩壊の流れと共に我々の"個性を大事に精神"が前景化。社会に縛り付けられる楔から解放されていったのだろう。ということ。
    その弊害として行き過ぎたポリコレなんてのも話題になっているが。

    また、平成生まれの自分からしてもこの時代の大きな出来事はやはり大震災だったと思う。
    「やらない善よりやる偽善」なる言葉が流行ったのもこの時期からでは。(中居君が言ったと記憶。SMAPの姿が本書でも記されている。)
    ずっと考えていたことがある。それは
    こういう未曾有の事態(震災、コロナ、戦争)に人類が直面した時、音楽ができることってなんだろう?ということ。その問いが本書でも問われていたのが印象的。
    失われた人々を偲んで自粛?チャリティー?少なくとも「日本を元気に」という情緒的だが薄っぺらい
    「口当たりの良い希望」からは真実は見えてこない気がする。(それを頭ごなしに否定している訳ではない。)本書ではそんな音楽にできる事は?と言う問いに対して1人1人が皆自己肯定をしよう!というメッセージをもったレディーガガの曲を挙げていた。

    思うに、こういう時に本当に大切なのって、
    「個人が自分と、または社会と向き合う勇気を与えること」なんじゃないかな。

    「可哀想だね〜一緒に頑張ろうね〜」なんて生やさしい慈悲や希望を一方的に与えるだけでは、その渦中にいなかった人がまるで遠くからテレビショーを見ているかのような「希釈された興味」で終わってしまと思う。
    「今、僕たちにできる事はなんだろう?」SMAPが言ったフレーズが本書でも記されている。
    自分は少なくとも「今、あなたにできる事は?」と問われた方がよっぽど当事者意識を与えてくれると思った。
    僕たち(震災に合わなかった、その苦痛を実際に経験していない人たち)が震災に合った人達の苦しみを憶測で判断して、薄味の同情や優しさを一方的に与えるほど愚かな事は無いと思う。

    それよりは、希望なんか与える事はできない、それでも少なくともあなたに寄り添うよ。そういうメッセージ。"みんな"ではなく"あなた"に届けることができるような「希望じゃなくて寄り添い」。

    新宿で行われたウクライナの反戦ライブも"みんな"ではなく、ひとりひとりに主体性を持って世の中の不安と向き合う力をくれたと思っている。
    そんなエンタメをやりたいな。と。

    そして令和へ。

  • 平成の各年から筆者が1曲選択し、平成という時代を評論する。
    曲の選択は単なるその年のヒット曲では無く、平成を評論するという観点から選ばれている点が興味深かった。

  • 音楽ジャーナリストである著者が平成30年間を代表する一曲を各年で選んでエピソードや時代背景を解説した一冊。

    ミリオンセラー連発の前半からスタンダードソングへと回帰した中間とソーシャルメディアの普及でCDの売り上げからヒットの定義が変化した後半と30年間の間の時代の変遷とその間にヒットした曲を本書で振り返ることができ当時の記憶が蘇ってきました。
    SMAP、ドリカム、ミスチル、米津玄師といったその時代を彩るヒットメーカーが生み出す楽曲がどのようにしてヒットしていったのかやアーティストとしての転機で生まれた楽曲などヒットの裏側も本書で知ることができました。
    また、阪神大震災や世界同時多発テロ、東日本大震災といった事件や災害などの時代背景もヒット曲を生み出した土壌にあるのだとも感じました。

    時代の流れと共に歌える曲、聞かせる曲、踊れる曲などその時代を映した楽曲がヒットしていることを感じると共に平成30年間の変遷やガラケーやスマホの普及など生活面の変化など大きく時代が変わっていったことも感じました。
    令和となったこの先どのように時代が変わり、どんな曲がヒットするのか楽しみになると共にどのような時代背景があるのかも感じていくと更に楽曲を深く味わえると感じた一冊でした。

  • 平成の時代を10年ごと3つに区切り、さらに1年に1番ふさわしい曲を1曲ずつ決め解説していくという本です。10年ごとに3つに区切ったのはその10年毎で平成と言う時代がどのように変遷していったかの区切れが見れるからだそうです。1年たった1曲しかないので、あの曲がない、この人がいないという事は多々ありますがそれも含めてとても面白いです。それにしても音楽シーンを振り返るだけで時代のことが手に取るようにわかると驚きました。

  • なんかつまらんと思ったら、そもそも国民的ヒット曲というものにあまり興味関心がないのであった。

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著者プロフィール

音楽ジャーナリスト。1976年、神奈川県生まれ。ロッキング・オン社を経て独立し、音楽についてカルチャー・ビジネスの両面から考察する広範なインタビュー、記事執筆を手がけている。著書に『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)、『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)、『平成のヒット曲』(新潮新書)がある。

「2022年 『ボカロソングガイド名曲100選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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