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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784106110610
作品紹介・あらすじ
江戸の初期、吉原遊廓は大いににぎわっていた。当時、市井の人々には敷居の高い廓内の出来事を伝え、好事家たちの注目を集めていたのが「遊女評判記」、いわば遊女に関する情報誌である。馴染み客との恋愛やトラブルから、歌舞伎役者や座頭が嫌われた理由、ライバルの悪評を画策する遊女、新造と呼ばれる付き人の少女とのさりげない会話まで――。気鋭の歴史研究者が貴重な文献をもとに甦らせる、なにげない吉原の日常。
感想・レビュー・書評
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よくできた卒論を読んだ感覚である。遊郭の成り立ちから吉原遊郭の世情の触りをフラットに紹介している。良くも悪くもフラットなので、モテる客の話にしても、はっと驚くような内容でもなく、まあそりゃそうだ、みたいな話で終わっている。どことなく消化不良な印象を持つ。個人的に読みにくさを覚えたのは、著者はどの視点から吉原遊郭を語るのかが定まっていないことである。視点がぶれると言ってもいいかもしれない。遊郭はこういう所ですと語り、遊女特有の価値観を語るかと思えば、突然客の声を語る。遊女と客では置かれた立場、境遇はまったく異なる。となると、語る視点も考え方も異なるので、自ずと内容の流れが乱れる。
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史料を読み解く、かなりファクトベースの本なので、ゴシップ的なものや、花魁に代表するような江戸後期の遊郭を知りたい人には物足りないだろう。また、どんな時代であれ売買春は許されず、語ることは売買春の肯定だと感じる人には腹立たしい本だろう。
私は筆者が真摯に史料や当時の日常に向き合おうとする姿勢に非常に共感する。昔から、くどくどうるさく嫉妬深い「おやぢ」が嫌われているのも面白かった。今の「コンカフェオタク」「おぢ」と似通っており、島国にはおやぢとおやぢの買う女がいまもいるのである。その善悪はともかくとして、ファクトとして。
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