アンパンマンと日本人 (新潮新書)

  • 新潮社 (2025年3月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784106110801

作品紹介・あらすじ

乳幼児の人気は不動のトップ、アニメや本におもちゃや食品など関連グッズを含めれば今や9兆円の巨大ビジネス。おなかが空いた人に自分の顔を食べさせる不思議なキャラクター、アンパンマンはどのように誕生し、国民的ヒーローとなったのか。愛する人たちとの別れ、過酷な戦争体験、幾多の天才からの高い評価、最愛の妻の支え……生みの親である漫画家やなせたかしの生涯をたどりながら、その秘密を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 「そりゃあもうアンパンマンには感謝しかありませんよ」

    そう語るのはI県にすむH氏だ。

    「娘たちが小さかった頃、新車購入時に絶対こだわったのがなんだかわかります?」

    こちらに考える隙も与えずH氏は続ける。

    「後部座席にモニターを付けることですよ。とにかくもうアンパンマンさえ流しておけば何時間でも夢中になってくれてますからね」

    アンパンマンの何が、そんなに娘さんたちを惹きつけたんでしょう?

    「は?そんなの分かるわけないじゃないですか?理由なんかどうでもいいんですよ。後でおとなしくしといてくれれば」

    ハンドルを握るお父さんたちにとってはそうなのかもしれない。

    「違いますよ」

    H氏がこちらの考えを見透かしたように言葉をはさむ。
    なにが違うんですか?

    「娘がぐずったら、奥さんが後の席に移ってあれこれやって機嫌悪くなるじゃないですか。しまいにゃあなたも手伝いなさいよとかキレ始めるんです。いや運転してるしって思うんですが通じませんからね」

    なるほど、それはいたたまれない。

    「だからね、家庭内の平穏はアンパンマンによって守られていたと言っても過言ではないわけです。アンパンマンには感謝しかありません」

    つまりアンパンマンはH氏にとってもヒーローだったのかもしれない。

    • 1Q84O1さん
      makiさん

      ultramanさんのアイスラッガー刺すぞ!
      ( ゚д゚)ハッ!
      ultramanさんはセブンでないから持ってないのか…
      使...
      makiさん

      ultramanさんのアイスラッガー刺すぞ!
      ( ゚д゚)ハッ!
      ultramanさんはセブンでないから持ってないのか…
      使えねぇ〜┐(´д`)┌
      2025/05/11
    • ultraman719さん
      どう足掻いても、刺さらんっぽいよ!www
      どう足掻いても、刺さらんっぽいよ!www
      2025/05/11
    • bmakiさん
      アイスラッガーでも刺さりませんから♪
      一休さんの攻撃は私には刺さらないのです(๑˃̵ᴗ˂̵)
      アイスラッガーでも刺さりませんから♪
      一休さんの攻撃は私には刺さらないのです(๑˃̵ᴗ˂̵)
      2025/05/11
  • 朝ドラからやなせさんに興味を持ったのでこの本を読んだ。

    やなせさんは自身の書いたエッセイでは謙虚なお人柄が伺えたが、この本からはやなせさんの仕事人の姿を知ることができた。普通の人では考えられない量の仕事量をこなされていて驚いた。特に「詩とメルヘン」制作時はご祝儀の1万円のみで、ほとんど1人で制作したというエピソードを読んだ時はとても正気の沙汰とは思えなかった。

    利益を省みず、頼まれたら断らないスタンスは本当にかっこいいし、自分もまずはやってみようの精神を持とうと思えた。

  • 読み始めて、朝ドラがやなせたかしさんなんだということを知りました(笑)

    どうして手に取ったのか分からないけれど……。
    アンパンマン、ドラえもん、ちびまる子ちゃん、サザエさん。
    時代が変わっても、ずっと残り続けるアニメには、どんな魅力があるのかなと思う。

    作中に、アンパンマンは、赤ちゃんが最初の頃に話す言葉ランキングの第10位とあった。
    しかも、固有名詞を指す言葉はこれだけ。
    ちょっと、すごすぎる。

    アンパンマンのヒーロー性も面白い。
    どんどん成長し、強くなるヒーローではなく。
    はっきりとした弱点があっても、繰り返し繰り返し、立ち向かって、誰かの空腹を満たす存在。

    ちなみに奥さんをモデルにしたのがドキンちゃんというのも、可愛い。

  • なんでも屋から一世を風靡したアンパンマン
    誰もが通る赤ちゃんの時代に愛されるキャラクターを作って名を残した

  •  現在朝ドラにてあんぱんまんの作者である、やなせたかしとのぶの話が放送されている。それに影響されて本書を購入したが、本書を合わせて読むことでよりドラマを面白く見ることができる。史実とドラマでは脚色があり、異なることも多い。しかし、違うからこそ本書とドラマを比較しながら視聴する事で、やなせたかしが何を伝えたかったメッセージを強く感じることができた。また、ドラマの脚本を担当しているライターとも繋がりがあり、やなせたかしから引き継がれる精神性も大いに強調されている。
     あんぱんまんに対してやなせたかしは一切の遠慮なく表現をしていた訳だが、その精神性は見習わなければならない。あんぱんまんに限らず、子供向けの作品に関して物語が陳腐であることは許されない。子供が消費者のメイン層ということは、必ず親がセットになるのだ。親が楽しめないのであれば、子供も楽しむ事はできない。子供は私たちが思う以上に空気を大事にしている。それに、子供のうちに受けた影響は大人になっても薄れない。「三つ子の魂百」までという言葉があるように、子供に与える影響を考えて行動したいものだ。

  • 最高のgiver、アンパンマン

  • 2歳のうちの子も異常にアンパンマンにハマっていて、初語はママではなく「あんぱんまん」。
    言いやすいんだろうな~とぼんやり思っていたけど、この名前を0から生み出すのは天才的。

    大人気のアンパンマンが誕生したのは、やなせたかしさんだから出来たこと。どんな仕事も勇敢に挑戦しつづけた絵と言葉のデザイナーだったから、と本書を読んですごく納得した。たしかに、キャラクターや絵だけでなく、ネーミングセンスは抜群で、歌詞も素晴らしいものばかり。

    アンパンマンマーチには、「なんのために生まれて何をして生きるのか、答えられないなんてそんなのは嫌だ」という歌詞がある。アンパンマンのキャラクターとはズレてるなとずっと思っていたけど、誕生当初は悩めるアンパンマンだったとのこと。驚いた!私と同じやん!毎日何度も息子に母乳をあげてる私もこの子にとってのアンパンマンと思うことにしよう笑。本書でもアンパンマンの姿におっぱいをあげる親の姿を重ねてるって書いてあるし。

    毎日子供たちと見ているアンパンマンの解像度がグッと上がってよかった。

  • 息子がアンパンマンにハマり我が家にも、だんだんとアンパンマングッズが増えてきた中で出会った本です。

    非常に面白く僅か2日間の往復の通勤電車の中で読み切ってしまった。。。

    大人の自分が見ていても、アンパンマンはどこか癒され、悪役のバイキンマンもどこか憎めず可愛い。

    その理由がやなせたかしさんの定義する正義に直結する部分があると認識されました。

    何でも屋と卑下しながらもたくさんの天才に慕われ、
    才能を見抜かれた天才。

    彼のクリエイター魂と、初めてのことに対してどんどん挑戦する姿勢は感動です。

    今度からアンパンマンの絵だけではなくて、言葉や詩にも耳を傾けてやなせワールドを体感したいと思います。

  • アンパンマンのやなせたかしの話。

    山梨シルクセンター、山梨の名産の絹を売ろうと山梨県職員が始めた会社だがうれず。サンダルなどを売っていたがキャラクターを付けると売れることを発見。キャラデザをやなせたかしなどに依頼して書いてもらったこの会社こそが、現在のサンリオである。

    5歳で父を亡くし、弟は親戚の家に引き取られ、7歳で母を亡くして自分も親戚の家に。医者の叔父の後を継ぐ予定の弟とは違い、東京の製薬会社に広告部として就職し、戦争で中国に行って、帰ってきたら兵隊になった弟が死んで。

    高知新聞社で妻と出会い上京したり。2025年のテレビ小説はやなせたかしの話なので、見ようかなと。

  • 残酷!くだらない!
    実は、絵本『あんぱんまん』が出た当初、評判はかなり悪かった。それが今や乳幼児の人気NO.1!なぜ、アンパンマンはこんなにも愛されるのか?その理由が知りたい、こども学科や保育学科の学生にオススメ。
    ーーーーーーーーーーー
    宮代キャンパス
    ーーーーーーーーーーー
    アンパンマンと日本人 https://fclib.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=3022441

  • 「正義は相対的なものに過ぎない。でも空腹は絶対的な苦しみだ。ならば、その苦しみから解放させてあげることが、本当の正義じゃないだろうか。」

    アンパンマンの誕生には戦争体験が強く関わっていることはびっくりした。やっぱり乳幼児向けという印象が強いので重い思想が潜んでいるのはとても対照的に感じた。
    ・戦争での飢えの苦しみ
    ・戦勝国アメリカのスーパーマンへのアンチテーゼ
     - 絶対的な苦しみ(飢え)や困ったことからの解放による正義感
     - ボロボロの服の無名性

    善悪で決める相対的な正義よりも困りごとから救う絶対的な正義、戦争体験の側面とは別に単純にやなせさんの愛情深さや刹那的な人との出会いと別れに向き合った結果なのだろうとも思う。
    目の前の人を救うというと利己的でおこがましいかもしれないけれど、後悔しないように目の前の大事な人に向き合って自分にできることをありったけぶつける利他的(自分自身の利益を犠牲にしてでも、他人の幸福や利益のために行動しようとする性質や行動)な考えはわたしも忘れないようにしたい。

    戦争体験があったから、敗戦国の日本だからこそ生まれたアンパンマン。そこに流れるやなせさんの利他性に乳幼児が反応し、それを見て育った日本人は利他性を持って生きているのかな。

  • 現在50歳以下くらいの人は、誰でも子どものころにアンパンマンを知ったであろう。私も子どものころに初期のアンパンマンの絵本を持っていた。困った人を助け、お腹が空いた人に自分の頭を「ほら、食べなよ」と差し出すアンパンマンは幼心に衝撃的だった。当時はまだ周囲のキャラクターの種類も少なかった。
    著者はアンパンマンの作者やなせたかしと同じ苗字だが、血縁関係はない。社会学者としてこれほどまでに幼児の心をつかむアンパンマンと作者の人となりを研究してまとめたという。
    本書を通して、著者のやなせたかしへの心酔ぶりが分かる。やなせたかし氏は絵本作家であるだけでなく、もともとはデザイナーであり、今でいうところのマルチクリエイターで多彩であった。彼の作るやさしいストーリーは戦争で飢えを経験したところに根があるようだ。
    私は子どもがいないが、姪が育つ過程を見てきた。例にもれず、彼女も保育園生くらいまではアンパンマンに夢中になって、家にグッズがあふれていたのを思い出す。きわめて普遍的で、平均して5歳までにはアンパンマンを卒業するそうだ。
    大人になってからアンパンマンのアニメも映画も観ていないが、機会があったら是非子ども心に帰ってみてみようと思う。

  • 面白かった〜!あっという間に読了。
    最高のヒーロー、アンパンマン
    これからもきっと数多の乳幼児を夢中にさせていくんだろうな〜

  • 了解しました。以下が、あなたがメモされた内容の要約です。



    やなせたかしさんは、経験がなくてもまず行動し、現場で学びながら創作を進めていた。時代や人々の求めるものは、机上の勉強よりも実践から生まれると考えていた。ラジオや絵本、アニメ、映画など多岐にわたる分野を自らプロデュースしていた。
    戦争体験を通して「正義は状況によって簡単に逆転する」と知り、しかし「献身と愛」という逆転しない正義を見出した。それは、目の前で困っている人にパンを分け与えるという、ごく身近で実践的な行為である。
    アンパンマンはその象徴であり、見返りを求めず、人を助けることを自らの使命としている。顔=あんパンは助けるための“使い捨てのハードウェア”であり、その魂は変わらず存在し続ける。
    やなせさんは「愛する人がいついなくなるか分からないから、出会った人すべてに全力を尽くす」と考え、その生き方をアンパンマンという作品に込めた。

  • 図書館の本を読む▼
    https://kguopac.kanto-gakuin.ac.jp/webopac/BB00779491

    乳幼児の人気は不動のトップ、アニメや本におもちゃや食品など関連グッズを含めれば今や7兆円の巨大ビジネス。おなかが空いた人に自分の顔を食べさせる不思議なキャラクター、アンパンマンはどのように誕生し、国民的ヒーローとなったのか。(出版社HPより)

  • ふむ

  • 【選書No】061

  • 嬉々として外套を翻していたのを思い出すました 去り行く夏を惜しむようにツクツクホウシとミンミンゼミの鳴き声が降り注ぐ中 暢への感謝と鎮魂の意があった事を 世間の趨勢を一切顧みず キリスト教の礼拝に於ける聖体拝領では 

  • アンパンマンを発掘してくれた当時の子供に感謝したい

  • やなせさんの歴史も。アンパンマンを読み解くカギ。

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著者プロフィール

1964年静岡県生まれ。編集者。日経ビジネス チーフ企画プロデューサー。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社(現、日経BP社)に入社。雑誌「日経ビジネス」の記者、専門誌の編集や新媒体開発などに携わった後、出版局にて『小倉昌男 経営学』『矢沢永吉/アー・ユー・ハッピー?』『養老孟司のデジタル昆虫図鑑』『赤瀬川原平&山下裕二/日本美術応援団』『板倉雄一郎/社長失格』『武田徹/流行人類学クロニクル』など数百の本の編集を行う。TBSラジオで「文化系トークラジオ Life」「柳瀬博一Terminal」のパーソナリティも。2008年より「日経ビジネス オンライン」のプロデューサー。2012年より現職。プライベートでは、三浦半島小網代の谷の保全を行うNPO法人小網代野外活動調整会議の理事。週末の半分は、山の中でササ刈りをしたり、土木作業を行ったり、カニの数を数えたり、ムシの写真を撮っている。

「2015年 『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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