枕草子(下) 新潮日本古典集成 第12回

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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106203121

感想・レビュー・書評

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  • 橋本治氏が『桃尻語訳 枕草子』を執筆する際に典拠としたのが、萩谷朴先生の新潮日本古典集成『枕草子』であることは結構知られている。だが、現代語訳されている『桃尻語訳 枕草子』全三巻を読んだ人の数は少なくはなくても、古文の『枕草子』を最後まで読んだという人の数は少ないはず。

    そこで、『枕草子』を読んでみようかな?……などと思われる奇特なかたに、最もおススメできる本の一つが新潮日本古典集成『枕草子』。『桃尻語訳 枕草子』と並べて読んでも面白いし、この本を単独で読むのもいい。難しい言葉は、本文の横に小豆色で記された傍訳で意味がわかるし、本文の上にある頭注も理解を助けてくれる。だから、下手な現代語訳を付けた本よりも、かえって読みやすくもある。

    『枕草子』は誰もが古文の授業で出会ったことがあるものの、「春はあけぼの」で始まる第一段と、それ以外の数段を読んだだけで済ましている人が圧倒的に多いと思う。しかし、『枕草子』を読む醍醐味は、三百以上に及ぶ章段の、そこかしこに散りばめられている。また、『枕草子』が書かれた歴史的背景を含めて読んだならば、作者清少納言と中宮定子の素晴らしさに感動できるはず。それは、この本からも知ることができる。

    『紫式部日記』ではボロクソの評価をされている清少納言だが、『枕草子』を読みこむほどに、紫式部の評価が如何に中途半端なものであったかを知ることとなる。個人的には紫式部も清少納言も好きなのだが、どちらか一人を選ぶとなると、今も将来も清少納言のほうだと思う。

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