『万延元年のフットボール』『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』 (大江健三郎小説)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (532ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106408236

感想・レビュー・書評

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  • 長編『万延元年のフットボール』と短編集『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』を収録。このあたりから悪文に一層磨きがかかる。一文の中にいくつもの修辞が入れ乱れ、たった一文の理解のために相当の集中力を要する。覚悟のない読者は、この密度と狂気と人間の本質に満ちた小説を読み通す資格なし、と篩に掛けられる。なにせよ喰らいついて噛み砕き吐き出しながら読むこと。苦悶して読むことの先にしか表れない人間の存在の深淵が見えてくる。この救いなき世界から目をそらさず対峙する事以外に救いの道はないことを知らしめる。傑出している。

  • 万延元年のフットボール。走れ、走りつづけよ。生け贄男は必要か。狩猟で暮したわれらの先祖。核時代の森の隠遁者。父よ、あなたはどこへ行くのか?。われらの狂気を生き延びる道を教えよ。みずから我が涙をぬぐいたまう日。

  • 万延元年のフットボール、われらの狂気を生き延びる道を教えよ、他6編の小説集。

    「万延元年のフットボール」ある夫婦が、夫の弟と共に四国の山村で生活するようになるが、夫の弟は、次第に集落の暴徒のリーダーとして騒動を起こすようになるといったような話だが、山村の集落で暮らすものの群集心理や、先祖から受け継がれたアイデンティティとその揺らぎのような事象が、露骨な人間描写を伴い濃密かつ精緻に描かれている。

    読み終えて、まず著者の知識の深さと広さに驚嘆する。医学的描写にせよ社会的描写にせよ、正確で破綻がない。1960年代の作品だが、すでにケースワーカーといった言葉が出てきており、驚いた。
    アクが強く、読後に強烈な余韻を残すが、ストレートに伝わってくるメッセージがないので、著者の主意がどこにあるのかがつかめず、読後にかなりモヤモヤしたものが残る。

  • 大江の文章読んでると脳みそが心地よくマッサージされてる気分。

  • 生贄男のみ

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