チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (塩野七生ルネサンス著作集)

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  • 新潮社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106465031

感想・レビュー・書評

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  • 「ルネサンスとは何か」がとても面白かったので、塩野七生ルネサンス著作集を少しずつ読破していくことにしました。
    順番的には、「ルネサンスの女たち」が先なんだけど、気分的にこちらを先に。

    ルネサンス期のイタリアは、ローマ法王がヨーロッパ世界の宗教的支柱でありながら、フィレンツェ共和国、ヴェネチア共和国や、小国の僭主たちがせめぎあい、また、フランスやスペインに虎視眈々とその領土を狙われていた。
    そんな中、法王の息子であったチェーザレ・ボルジアは、イタリア統一の野望を胸にわが道を突き進んでいく。
    頭がよく、意志が強く、武芸にも秀でていたチェーザレ。
    旧弊を打破し、自らの理想実現のためには残虐な行為さえもいとわない男。
    (なんだか、織田信長みたい。)
    多くを語らぬチェーザレの果敢な行動を追い、その半生を鮮やかに描き切っています。

    イタリアの地理がよくわからず、時々地図のページに戻って確認するのがちょっと面倒。
    それ以外は、華もあり、謎めいた部分もあり、展開にスピード感もあり、楽しめました。

    実は、あとがき的な章の、塩野節炸裂!が面白かったりします。

  • 4-10-646503-5 298p 2001.7.25 ?

  • もともと興味のあったチェーザレの話なだけに読んでみるとその波瀾万丈の人生を垣間見る事が出来て非常に勉強になった。
    イタリア統一という野心を持った彼のような男の最後があの様な形で終わってしまったのには残念である。

  • 法王アレッサンドロⅧ世の子息で枢機卿だった英雄テェーザレ・ボルシアの生涯。そのような存在でありながら、いかに反キリスト教的な人物だったかが、今から考えると信じられないように思います。ちょうど500年前のイタリアの状況が良く分かります。当時のカトリックの堕落の様子が主人公親子及び妹・ルクレティア・ボルジアなどの生活から伺えます。主人公自身が法王の非嫡出子でるが故に法王の座を諦めざるを得ないなど、凄い話です。なお、フィレンツェ、ペルージャ、ボローニャなどの地名が出てくるとついつい現在のセリエAを思い出します。

  • チェーザレ・ボルジアの人となりが知れる作品。

  • 後記にあたる「メイキング」部分で、23 の傷に関する推測があった。その説明には納得させられた。史実至上主義のあやうさが、よくわかった。

  •  西暦1500年前後のイタリア。
     文化的にはルネッサンスの花が開いた時代だが、政治的には、ヴェネチア、フィレンツェなどの都市国家のほか小国が群雄割拠する。そこにフランス、ローマ帝国、スペインなどの外国が触手を伸ばす。こうした中で君主が生き残るためには、日本の戦国時代とは比較にならない高度の「権謀術数」が求められた時代だ。
     時の法王アレクサンデル6世の子として生まれたチェーザレ・ボルジアは、この混沌としたイタリアの統一を目指す。ただし、その力が整うまではフランスの力を借り、その真意を察知されないよう慎重に、力が整うにつれ次第に大胆に。
     政敵を毒殺したり、命は保証するとの条件で降伏した敵国僭主や武将を即座に処刑したり、部下として従軍していたウルビーノ公国を突然攻めて滅ぼしたりと、目的にためには手段を選ばない。また、部下の武将たちに反乱を起こされ(マジョーネの乱)絶体絶命のピンチに陥ったときも、時間を稼ぎつつ事態の好転を待ち、部下の罪は全て許すとの条件で和睦したにもかかわらず、反乱武将たちを殲滅してしまう。この徹底した冷徹さが、後年、マキャベッリをして「君主論」の中で、理想的君主のモデルとされた所以であろう。
     法王アレクサンデル6世の後ろ盾があっての自分だ、ということは完全に理解していたチェーザレであり、対策も講じていたらしいが、彼の不幸は、法王が死んだ時(マラリアとされている)、自分も同じ原因で生死の境をさまよう状態であったことである。
     ここを潮目に彼は運命の女神から見放され、結局32歳と若くして波乱万丈の生涯を終える。

    以降は独断的私見:
     16世紀以降のイタリアも群雄割拠が続いた。
     イタリア統一は19世紀まで待たなければならないが、その間、周辺の列強オーストリア、フランス、スペインなど統一国家に翻弄され続ける。
     19世紀に統一された後、列強に追いつけ追い越せと頑張りすぎて、とうとう第2次世界大戦で敗戦国に至った、その遠因がこのにある。。。というのはやや牽強付会か?
     こうした後年の歴史を見るにつけ、確かに歴史にifは禁物だが、チェーザレが32歳の若さではなく、せめて我が織田信長くらい生きていたら、イタリアの統一は成っていたのかもしれない。
     もし統一が成っていれば、その後の3世紀にわたるイタリアの苦悩もずいぶん変わっていたであろう。

  • イケメン!イタリア史おもしろいなー。

  • 好きな俳優さんがチェーザレ・ボルジアを演じると聞いて、とりあえず借りてみた本なのですが、読み終わった時にはすっかり塩野七生が描くルネサンスの世界に浸かっていました。

    最初のイタリアの背景やらを説明している部分は年号やら慣れないカタカナの名前などに、ぐっ、と思うのですが、それを飲み込めば後はチェーザレの一生を追いかけるだけです。

    個人的にはチェーザレよりも父親のアレクサンデル6世に惚れますね。
    愛人が~という点はさておき(調べたところ相当乱れていたらしいし笑)。

    イタリア内部だけでもややこしい状態なのに、それを難なく御してトルコまで手のひらに載せてしまう辺り、さすが最高権力者。
    またその血はしっかりチェーザレに受け継がれていて、チェーザレとフランス王との関係などは息をつめて読んでしまいそうな位。だけどそこがいい。

    当時の複雑な状況を生々しく、分かりやすく描いているなという印象でした。

    フランス王、ダヴィンチ、マキァベリ。
    大学受験の世界史で聞いたことのある名前がチェーザレと絡んでいくのも読んでいて楽しい。高校世界史では「人物名」でしかなかった存在が読んで、知るにつれて「人」になっていく感じ。

    いつか、もう少しルネサンス時代に詳しくなったときに読み返したい本。
    その時はまた別の印象があるんだろうな。

  •  なぜイタリア行く前に読まなかったか悔やまれる。
     私がこの本の主人公チェーザレ・ボルジアを初めて知ったのは同著者の『ルネサンスの女たち』だったのですが、女史がで書かれるチェーザレに魅かれてしまったんですね。
     なんだか私の中での織田信長像と通じるところもあるような。戦略に通じ、奇抜で恐れられ、ありえない=ああはできないと、どこかで人々が憧れる人。
     もし、を考えてしまうような物語でした。

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