- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106465031
感想・レビュー・書評
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頭が切れて教養深く、見た目もかっこよく、腕も立ち、強靱な意志を持つチェーザレ・ボルジア。
当時の最高権力者の息子、ただし建前上は聖職者である父は妻帯できないのだが…そんなことは何のその。
テンポ良く、色っぽさもある文章。
これでイタリア史やルネサンスにはまった人も多いことでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ルネサンスとは何か」がとても面白かったので、塩野七生ルネサンス著作集を少しずつ読破していくことにしました。
順番的には、「ルネサンスの女たち」が先なんだけど、気分的にこちらを先に。
ルネサンス期のイタリアは、ローマ法王がヨーロッパ世界の宗教的支柱でありながら、フィレンツェ共和国、ヴェネチア共和国や、小国の僭主たちがせめぎあい、また、フランスやスペインに虎視眈々とその領土を狙われていた。
そんな中、法王の息子であったチェーザレ・ボルジアは、イタリア統一の野望を胸にわが道を突き進んでいく。
頭がよく、意志が強く、武芸にも秀でていたチェーザレ。
旧弊を打破し、自らの理想実現のためには残虐な行為さえもいとわない男。
(なんだか、織田信長みたい。)
多くを語らぬチェーザレの果敢な行動を追い、その半生を鮮やかに描き切っています。
イタリアの地理がよくわからず、時々地図のページに戻って確認するのがちょっと面倒。
それ以外は、華もあり、謎めいた部分もあり、展開にスピード感もあり、楽しめました。
実は、あとがき的な章の、塩野節炸裂!が面白かったりします。 -
日本の高校世界史の授業ではかけらも名前が出てこないが、イタリアの歴史ではかなりの人気者チェーザレ・ボルジアの栄光と凋落について書かれた伝記調の書籍。マキャヴェリの「君主論」のモデルと言えば少しはわかる人が出てくるか。イタリア書かせたら右に出るものはいないおなじみ「塩婆」塩野七生の名著。
イタリア諸国の権力の駆け引きについて、登場人物の内面も含めて細かく描かれている。特にチェーザレが権力の座から転げ落ちた後、情報の欠乏から彼が判断を誤る部分は読者側からしても恐ろしい。
山崎豊子が好きな人にはおすすめできるかも。 -
4-10-646503-5 298p 2001.7.25 ?
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もともと興味のあったチェーザレの話なだけに読んでみるとその波瀾万丈の人生を垣間見る事が出来て非常に勉強になった。
イタリア統一という野心を持った彼のような男の最後があの様な形で終わってしまったのには残念である。 -
チェーザレ・ボルジアの人となりが知れる作品。
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後記にあたる「メイキング」部分で、23 の傷に関する推測があった。その説明には納得させられた。史実至上主義のあやうさが、よくわかった。