新潮世界文学 49 カミュ 2 カリギュラ・誤解・戒厳令・正義の人々・シーシュポスの神話・反抗的人間
- 新潮社 (1969年1月1日発売)
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感想 : 3件
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- Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106601491
感想・レビュー・書評
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・戒厳令の三幕のやり取りは、言葉が長く、劇で再現するのは難しいと感じる。
・正義の人々は、相反する価値観のぶつかり合い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『反抗的人間』を読むも関連知識が乏しいため全く解らないところも多かった。並行して戯曲『カリギュラ』『誤解』『戒厳令』『正義の人びと』を読んでいくと少し理解の助けになった。
カミュのいう反抗は人格神の観念が生まれてから始まる。西欧人とキリスト教との関係の根深さを改めて知った。
神の否定という反抗から革命へと移行し、また神に代わるものを生み出した世界は主人と奴隷とのそれであると指摘する。
カミュの主張は甘いと言われてしまうかもしれないが、感覚的に共鳴して震えてしまう。命を尊ぶ気持ちと芸術家である彼の美意識を感じる。 -
カリギュラは三島由紀夫を思わせる書き方。主題の呈示が面白い。誤解は序文に集約されよう。戒厳令はスペクタクル。劇中劇やペストの独裁等はシェイクスピアノ歴史劇を思わせる。正義の人びとは微妙。正義ではなくあるのは限界のみ。シーシュポスの神話は、カミュの考えがわかる。特に、具体性があるこうはん部分が読みやすい。
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