- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784107716262
感想・レビュー・書評
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強く賢く切り替えの早いイケメン苦労人が軍事を以って平和を目指す話……かな? 理想家だもんね。しかし導入の一巻からきな臭いのなんので、主人公はこの通り完璧な苦労人だし、まあ戦争するんだろうな……。どう切り抜けるか見もの。建安マエストロよりわくわくするかも。……でも先生、建安マエストロの続き、かいてください……
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絵の雰囲気や細部のデザインやストーリー、好きだなぁ
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普仏戦争などが好きな人には凄い面白いと思う。
例えるならプロイセン王国の士官の主人公がバイエルン王国に軍事顧問として派遣され軍事改革を行う話し。
戦史オタクには是非買って見てほしい。 -
原作無しでこの設定と台詞を編み込むのはかなりのレベル
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衝動的に借りてきたけど面白かった。
単なるドンパチでなく、技術論や兵站など、テクニカルな側面が面白かった。
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教師として以前に、まずは一人の軍人として。五対五〇を制した戦い。
舞台は十九世紀、我々の知る欧州列強を思わせる国が配置されつつ、その名を変えた架空世界。
銃も砲も、そのメカニズムは現実と何ら変わりはなく、撃たれれば人は死ぬ、そんな世界での話です。
時に。
歩兵、砲兵、そして騎兵。我々の知る歴史のナポレオンはこの三種の兵科を組み合わせ、特に砲兵の扱い方が巧みであったことから連勝を重ねました。
けれど、ついには大帝国を築いた一人の天才も多数の秀才を前には敗れた、という考えもできるでしょう。
いかに効率的に敵を殺傷し、戦争を遂行するかという集合知のシステムが生まれ、偶然に頼らない教育によって軍を支える理想的な士官も育成されていきます。
そんなわけで本作の主人公の「ベルント・バルツァー」少佐は「プロイセン」をモデルにしたであろう軍事先進国「ヴァイセン」で若くして出世したわけですが、そこは宮仕えの悲しさ。
見込まれた上官から軍事顧問として士官学校で教鞭を執るよう命ぜられます。
赴任先はヴァイセンと同一の言語、人種を持ちながら、王家と諸貴族の統治が混沌とした未統一の状態にあり、特に軍事面では五十年は遅れている「バーゼルラント」。
技術の進歩の前に、人類史で二千年以上隆盛を誇った騎兵が役割を終えつつあり、ふたつの世界大戦、機関銃の弾幕が何千何万という兵たちを泥濘に鋤き込む大量殺戮の時代が迫りつつあるそんな御時勢。
いずれ我々の知る世界史と同じ流れを辿ることになるのだろうと予感を感じさせつつも、劇中ではそれを確信するものがさしていないうちに戦争=歴史のダイナミズムに押し流されていく。
それでも人々の日常の営みを描くことをやめないそんな漫画です。
というわけで前置きが長くなりましたが、本作の特色は二点挙げられます。
一点目、ディテールが細やかで、派手な事件ばかりでなく日常から歴史の一ページとしての物語を描く。
巻末などに当時のドイツ圏内の文化、習俗、軍事技術などが紹介されていることからわかるように、作者が年単位の欧州取材を経て得た絵情報は圧巻です。
銃火器はもちろん、マイナー気味な兵器や街角の風景、当時の代表的な戦術や外交について……など、本編進行と合わせて紹介されていくそれらの密度は高く、勉強になります。
衣装風俗に多少の嘘を付かせつつも知りつついいトコ取りする技量もあったりでリアリティと華の兼ね合いも素晴らしい。
またシナリオでも戦場での華々しい勝利だけでは決着は付かず外交で巻き返したり、経済効果という名の飴で議会を懐柔したり、世論を扇動して社会不安を煽ったり、と。
戦場だけでなく、ありとあらゆる面から謀略につながっていく心理戦が描かれているのですよ。
大衆も単なる弱者としては描かれず、いかにしていなすべき相手か? という注目をされていますね。
二点目、教師・中間管理職・軍人・外交官、いくつもの役割を持ちながらも私人としても好感の持てる主人公。
主人公のバルツァー少佐は高級軍人が外交官としての役割も重く置かれる時代ということもあって、軍部による謀略の駒として扱われているのですが、同時にそれを自覚しています。
ただ、独自裁量も与えられており本国の意向をある程度踏まえつつ、赴任先には「情」も抱いています。
二巻以降、教師として教え子は段々可愛くなってくるし、個人的に友情の念を持っている方も現れたりするんです。愛情について語るのは……、今は置いておきましょう。
で、板挟みに遭っていることに嫌な顔をしつつ、どちらかに心中する気もなく「理想」と「現実」を兼ね合う「有能」さを発揮する、主人公として満点の動きをしてくれるのです。
有能な職業軍人として戦場で敵を撃つことに躊躇いはなく、かといってルール無用な殺戮には走らず、出世には人並みに貪欲で、かといって人情を捨てきらず流されない。
そう言った多面性を持った精悍なイケメンなのに常識人なので、人として線を引くところは引いてくれます。保身に走ると言えばそうなのかもしれませんが、組織に属する者の立場に立てば責めるのは酷でしょう。
それでいて時代を先取りした先進的、合理的な考えの持ち主なので、現代人として共感がしやすく。
また、軍事の専門家というだけあって、未熟な士官候補生へ教授するという形でともに読者も学んでいく「先生」でもある。
その点を踏まえつつ、一巻は和やかな学園ものとして進んでいくわけも、ありませんでした。
早速、装備の性能の違いによって布陣がどう変わってくるかということを実証実験させられる羽目になります。
「銃」と一言に言っても、銃口の先から込めるか後から込めるか? 乱暴な言い方をすれば簡単ですが、それだけの違いで歴史は大きく揺らぎます。
技術は戦術を変え、戦術は戦略を変え、戦略は地図を塗り替える。
いかにして自身を含めた五人で前方四五〇メートルから迫りくる五十人の敵を倒したか?
その経緯については実際の本編でお確かめいただくとして、ここ一巻で語られた新式銃の威力は当然ながら続刊でも長ぐ長く語られ、描かれることになります。
二巻以降は区切り方がわからず、しばらくノンストップになると思いますがそれで良ければお付き合いください。
「箱庭」であるはずの学校が「要塞」であったことを実感していただける、歴史のダイナミズムを等身大の視点から体験できると思いますから。 -
19世紀後半のドイツが舞台?軍事後進国の士官学校に教官として送り込まれた生粋の軍人と生徒たち、そして王族・貴族をはじめ、さまざまな立場の人々が織り成す大立ち回り。
描写が細かくて綺麗。一気に11巻まで読んでしまいました。
どこまで史実を踏まえているのか分からないですが、ちょうど「兵器」「戦い方」の変革期。鉄道や気球、自動車なども登場しはじめる時期。登場人物たちの行動に加えて、当時の騎兵、歩兵、砲兵がどのように戦っていたのか、どのように戦い方の変革が生まれようとしているのかがよくわかって、物語に深みを与えてくれているように思います。
続巻が楽しみです。 -
題材の魅力はあるけれど
絵もマンガとしても話もいろいろ苦しい
『砂の薔薇』後半のモブキャラをましにした様な人物画
(『はじめの一歩』のモブ同様苦手)
描き込みが多い割りに寄り過ぎで案配よろしくない画面
バイエルンの王族について
軍事顧問として赴任するプロイセン士官が知らないでよい理由が不明
くるしい