軍靴のバルツァー 2 (バンチコミックス)

  • 新潮社 (2011年12月9日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ) / ISBN・EAN: 9784107716422

みんなの感想まとめ

人間の欲望や陰謀が交錯する中で、主人公が窮地を乗り越えていく姿が描かれています。物語は、バルツァーが恵まれない状況に置かれながらも、巧妙に戦略を立てていく過程を中心に展開します。彼の敵であるリープクネ...

感想・レビュー・書評

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  • まさかの女子設定に笑ってしまった。

  • 世界で一番美しい生き物を駆るは、同じく麗人。「群」と「軍」の戦い。

    一巻で早速、王族を御前にしていきなり鉄火場を潜り抜ける羽目になったバルツァー少佐。
    新式銃のデモンストレーションによって、反発する側にその威力と効力を飲み込ませることに成功したものの、今度は想定される反動と想定外の人物の乱入の対処に追われることに。

    次なるは、生徒たちにいかにして「敵」を殺させるか、「撃つ側」の恐怖をどう克服させるかという課題に向き合うことになる二巻です。
    それと並行して一見平穏なバーゼルラント国内に動乱の兆しが見えつつあります。

    根回しもしないまま上からの性急な改革を推し進め、当然ながら反発を喰らう第二王子「ライナー」。
    軍事大国への反骨心か、独立保持のための焦りか、その両方か。
    結果巻き起こった暴動に対しては、自らの私兵でもある士官学校の生徒たちを用い、殲滅も辞さない強硬な態度を持って臨みます。

    対するは第一王子「フランツ」。
    弟とは対照的に大時代的過ぎる衣装を身に纏い、言動の端々から懐古主義=徹底した保守主義を感じ取れる、そんな人物です。
    現状、両名とも不安要素しか抱えていない困った兄弟ですが、問題なのは兄の方にもバルツァーに伍する実力の(全く信用できない)ブレーンが付いていること。

    本作の「トリックスター」にして「ライバル」、「リープクネヒト」の登場です。
    主人公バルツァーの親友とうそぶきながら、複数の立場を使い分け、敵か味方かわからない挙動で読者もろとも煙に巻き、騒乱の種を蒔きながら、新時代のグランドデザインを描くためとかほざいてみせる。

    はっきり言います。うさんくさいです。すべてを見透かしたような態度が鼻につくというか。
    何らかの目標を目指してはいるのですが意図を読ませない動きが言ってはなんですが、気持ち悪いのです。

    ところで我々の歴史で音楽家と王族と言えば、楽劇王「リヒャルト・ワーグナー」とバイエルン国王「ルートヴィヒ2世」の関係がまず思い浮かぶでしょうか。
    現代では重要な観光資産になり、シンデレラ城のモデルとなったことでも有名な、おとぎ話のお城をそのまま形にしたような夢想の産物「ノイシュヴァンシュタイン城」、それを造らせたことでも有名です。

    無論、そのままというわけではないのですがモチーフとしていることにほぼ間違いはないでしょう。
    劇中、道楽で国庫を傾けているように見えるのは果たしてどちらやら、ですが。

    ところでワーグナーの世界観のバックボーンと言えばやはり「北欧神話」。
    同神話で隻眼の神と言えば、一柱しかいないわけで。
    国を憂う青年将校によるクーデターを主導しつつもあえて未遂に終わらせ、その渦中で右眼を失ったリープクネヒトと姿がダブります。

    ……リープクネヒトが本当に破滅の未来を見てしまったのか、我々の歴史を知っているのか、ちとファンタジーな存在の介在を疑ってしまいますね。
    なんにしても彼が狂言回しとして物語から一歩引いた位置にいて、策謀を練り話を引っ掻き回す立場にいること、それだけは確かです。

    しかし、この漫画のタイトルは「軍靴のバルツァー」。
    最後は残酷なリアリズムが決着をつけるそんな物語です。今は忘れましょう。

    改めてバルツァー少佐の教え子たちに目を配ると。
    軍という集団の基本基礎であり、戦線を担う「歩兵」。
    敵を一掃する火力を持つ専門の技術職「砲兵」。
    そして機動力と衝撃力で敵の意気を砕き決着をつける「騎兵」。

    これら三種の兵科に二人ずつクローズアップされるレギュラー格が配置され、「尖ってる方」&「冴えない方」という形でペアを組んでいるので把握しやすいと思われます。

    で、実家のコネと本人の穏やかな性格と技術力が早速目を惹いた砲兵科の「ディーター」など、説明を割いておきたい子も早速出てはいるのですが、やはりここは表紙を飾る騎兵科監督生「ヘルムート」について語っておきたい。

    走るために最適化された「馬」は世界で一番美しい生き物という見方も存在し、式典の場でも見目麗しい儀仗騎兵が国家の威風を支えたと聞きます。
    まさに「騎兵」は諸兵科の「華」。

    けれど、馬は飼うのも描くのもハイコスト。作画労力上、筆者は大変だったと思いますが、描き切っていること、それは保証します。

    で、ヘルムートは一巻と比べ、輪郭が柔らかく華奢に描かれているのですが、それもそのはず。
    好評につき長期連載継続決定によって本来のプロット通り「女性」として描かれるようになったそうです。

    「男装の麗人」ってあまりにもベタと言われそうなものですが、この辺りがロマンとリアルの間でせめぎ合う十巻までの流れに合致しています。
    同時に作品を支える「ヒロイン」として一人奮闘している看板役者だったりするのかもしれません。
    彼女の活躍についても今後本格的に語られるのですが、この巻で出番がなかったことがの後々効いてくるのはまぁ追々。

    で、もうひとつ言っておきたいことを補足しておくと。
    本作の群衆は生きているんです。
    ゆえに死ぬときは死にます。
    劇中を通して四肢や内臓がもげたりといった格別残虐な描写はないんですが、五体を保ったまま撃ち抜かれて物言わぬ骸になり果てる時、その末期の顔が印象に残るのも確か。

    作中では名の語られないけれど印象的な顔を持った者が、これまたひとりひとり違った顔を持ち、日常を歩んでいるだけの市井の人たちを死地に誘導していきます。
    その点では主人公とぱっと見は同じ穴のムジナに思えてしまうかもしれません。
    軍隊を構成する一人一人も結局は同じ、人間です。

    けれど、統制された意思を元に銃を取る「軍人」と銃を持っただけの「市民」を分かつものを、語られずとも悟ってしまった者もいました。
    そちらもまた私の口から語るのは野暮でしょう、実際の本編でお確かめください。

    最後に、命を賭すに値する意気を「士気」と解釈するならば「モラル(morale)」と訳されます。
    これは倫理を意味するほぼ同音の「moral」とは似て非なるモノなのですが、果たして誰が何のために命を賭けるに値するものを見つけられるか? それを語る日をいつか楽しみに待ちつつ、願わくば三巻のレビューでお会いしましょう。

  • コミック

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  • 「よって諸君らが必要な殺戮を受け持つ必要がある 例えそれが唾棄するような行いであってもだ」

    民衆との戦い。そしてその裏に隠れるリープクネクトの陰謀。

  • 【内容】
    ・リープクネヒト登場
    ・暴動鎮圧
    ・ヘルムートの秘密

  • ライバルというかなに考えてんだこいぬ、というきな臭いキャラクターもでてきましたね。今回の表紙の子は見かけからまあそうだろうなwと思ったら正解でちょっと安堵。

  • 2014 4/4読了。TSUTAYAでレンタル。
    以前にネットで評判になっていたのを見て借りた本。
    1-6巻まで読了。感想は6巻にまとめて。

  • 士官学校を舞台にした学園もの、戦術や武器がマニアックな軍記もの、でもそれだけではないようです。軍、政治、民衆、メディアの関係、経済の逼迫と戦争、戦時の倫理観など多様な広がりを感じさせます。
    複雑な話になりそうなのに、絵も話をとても読みやすい。
    エンタメであることも忘れていません。面白いです。

  • ドイツの伝統的鍋料理、Eintopfの作り方が学べるマンガ。

    かなりの良作で、とても面白い。

    士官学校が舞台ということで、ありがちな「軍事的知識を並べ立てて現代的なキャラクターたちが時代錯誤なドラマといえないドラマを展開するファンタジー」かと思っていた自分が恥ずかしい恥ずかしい。

    リアリティがあって、非常におもしろい。

    特に、昨今、日本が右傾化右傾化と懸念される世の中において、こういう作品は貴重です。

    好きか嫌いか。

    必要か必要でないか。

    殺すか殺されるのか。

    軍隊とそれを取り巻く環境は、その存在自体に常にジレンマを抱えながら、それでも、そこにいるのはただの人であり、かつ、人は簡単に死んでしまうということ。

    命は、軽くないということ。

    そんな説教くさいことが書いてあるわけじゃないけど、非常にドイツっぽい雰囲気を持つ架空の国の軍記物として、このマンガは非常にリアリティがあり、もちろん、フィクションの物語として、充分以上に面白い。

    少年たちよ、心して銃を取れ。

  • 一定の評価を得て安堵。今度は民衆と対峙。

    わーい、女の子でた~

  • 何やらきな臭い発言もあった前巻。
    そして本巻では、彼に変化が。

    それが良い方向なのか悪しき方向なのか。
    転換した先には大きな動転。

    理解できる合理性。
    慮りたい人情。

    自分の中の正解と向き合いながら、照らし合わせながら読んでいた。
    うん、ストーリー仕立てが丁寧に丹念に作られてていて、読みごこちが良い。

    次巻を読むのを数瞬ほど逡巡したくなるが、それでも読みたい。楽しみだ。

  • 宿命のライバル、リープクネヒトの登場に物語がどんどん面白くなっていきそうな予感がしました。
    自らは痛みを負わず、人を死に向かうレミングのように動かすアジテーションやプロパガンダは恐ろしいものだよなぁとつくづく思った。
    バルツァーの生徒に対する「自分の手駒として手懐けておくだけ…」という自分自身に言い聞かせるようなモノローグが胸にひっかかって、本当に手駒として利用する時に戦争屋の顔が崩れる時がくるんじゃないか…と思ったりしました。
    宿敵と自分は同類だと骨身に沁みるんじゃないか…どうなんだろう、次巻も楽しみです。

  • 覚悟だねえ
    やるべきことをやらないと迷惑がかかるのよ、結局
    どんなに異論があっても受けた命令はやらないと情況はさらに悪くなる
    それ以上の対案がないかぎりは

  • グロスマン「『人殺し』の心理学」を思い出すような冒頭のエピソード。

    お約束な展開もうまく織り込まれていて面白い。表紙の子とか、ルドルフとかルドルフとか。

    第二王子殿下がどうも憎めなくてなあ…。あの後退していきそうな生え際も含めて(笑)。

  • 戦争のにおいがする士官学校ライフを満喫する軍靴のバルツァー第2巻。

    バルツァーのかつての友人であり、リープクネヒトの登場で、ああ、ますます戦争が近づいているなあ。
    前線で指揮官として戦うのではなく、背後から学生や民衆を煽って操るアジテーターが主人公のライバルというのも面白い。
    目的のためにしれっと学友を使い捨ての駒にしてしまうほど強烈な信念で動いていて、このさき手ごわい敵になるみたいですが。
    リープクネヒトは中世コスプレ大好き第1王子の背後についているので、バルツァーは第2王子側を盛り立てて軍国に有利になるよう動くことになるのか。

    リープクネヒト側に扇動されて起きた暴動鎮圧って後味悪そうな仕事だなー……
    いくら武装しているとはいえ一般人相手とは嫌な仕事だなあと思う。
    最初はのんびりと演習気分で来ていた士官学校の生徒たちも初陣でひるんだり、人を殺すのをためらったり。
    生徒の一人の父親は見るからに善人なので助かってほしいけど、こういう話だとあっさり死んでしまいそうなのが怖い。
    先が気になる。

    うーん、面白いんだけど、戦争ものを面白いっていってしまっていいのかなーとか不謹慎じゃないかなーとかなんとかちらっと罪悪感も感じてしまう。
    まあ、個人的になのですが。

  • 夫の蔵書。1・2巻をまとめて読み。

    軍事とかには詳しくない私だけど、面白かった。
    軍隊の中の各兵科の役割、軍隊の中の個人個人の思想とか、気持ちの持ちようみたいな話も興味深かった。
    ドイツをモデルにした設定なので、ドイツ好きとしてもうれしい。

    それにしても女性キャラがいないなーと思ってたら2巻で出てきた。

  • 一巻が面白かったので、買って読んでみた。市民の暴動に対して騎兵を用いて鎮圧。実は裏で仕組まれたと言うわけだけれども、戦略やその他銃の扱い等色々細かく描写されており、自分の様に此のタイプのマンガを読まない人間にとっても楽しく読める

  • バルツァーさんの仇敵露る?この漫画、要は恵まれない手駒でバルツァーさんが窮地を乗り切る話なのか。その舞台を造るのがリープクネヒトさんの役なのか。了解した。

  • やっぱり女やったー!!
    カラーページのヘルムートのまつ毛が女っぽいなぁと思ってたら女やった!

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