- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784107718419
作品紹介・あらすじ
ネロの暴政、荒廃する人心、新興宗教の影……迫り来る魔都の呪縛から、プリニウスは逃れられるのか!? 古代ローマの〝悪夢〟を幻視する、歴史伝奇ロマン!
感想・レビュー・書評
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天変地異の前触れにぞくぞくした
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引き続き3、4巻。
ネロの命令でローマに呼び戻された
プリニウスですが
さっさと抜け出してまた旅に出ないと
そのうちネロに変に目をつけられる!
持病の喘息もひどくなるしね。
古代ローマ時代も
都会は空気が悪いもんだったんだ…。
ネロはどんどんポッパエアに
振り回されるようになるな。
彼女もすごい悪女というわけではなく
手に入れた自分の地位を
強固なものにしたい一心でしょうが
そこに民衆のためとかは、ない。
『テルマエロマエ』にも描かれてたけど
道路とか水道とかインフラが
すでに重要な政治的意味を持ってのが
なんかすごいなぁ。
そして、無事ローマを出立した
プリニウス一行は
ポンペイの大噴火に遭遇することに。
天地がひっくりかえるほどの災害でも
強欲な面を隠しきれない人間は
いるものなのですね(T_T) -
ローマ時代紀元一世紀。皇帝ネロの時代。「博物誌」で知られたプリニウスの世界を描く。「テルマエ・ロマエ」がコメディタッチだったことに不満があったヤマザキマリは、今度はシリアスに描きたいと思っていたらしい。しかし、彼女はアシスタントを使わない主義。しかし今度は1人では描けない。そこで相棒に選んだのがとり・みき。凝り性の2人が描けば相乗効果で、とんでもない「博物誌的な漫画」が出来上がった。
彼らが描くローマ時代を見ると、つくづく現代の古いヨーロッパとほとんど変わらない世界が現出する。日本では弥生時代なのである。しかし、プリニウスの頭の中は、ところどころ非科学的な性急さはあるものの、科学的に世界を見つめているのが、私的にはツボである。その好奇心の強さ。
そして時々現れる現代にも通じる真実。特に三巻目の40Pから46pにかけて、おそらく「博物誌」の記述を元にしたプリニウスの呟きは、優れた人間洞察である。曰く。
「人間というのは、これだけ弱虫に生まれておきながら、やがてはすべての生き物に対して主人面をするようになる‥。素っ裸でこんな無防備な姿で生まれてくるのに、誇りだけは高生き物に育っていく‥」
「猛々しいライオンですら、彼ら同士で無意味に闘ったりはしない。しかし人間は、たいていの禍いは仲間同士で引き起こされる‥」
現代最先端の霊長類学であり、平和学だろう。 -
古代ローマの雰囲気が十分に感じられる作品。
得体の知れない怪物もあり、かなり怪しい知識で押しとおる姿もあり、そんな中、教養ある奴隷の「人間は知識、教養という栄養なしでは健全に育たぬ生き物。無知や無学ほど人間の社会を脅かすものはない」という言葉は光りますねぇ。 -
実に面白くて、読み進めていくと更にハマっていく。。
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ウニコルヌスやマンティコーラースなど架空の動物の影に怯えるシーンから、逆にその時代のリアリティを感じさせる。ローマが徐々に落ちていく時代を反映するかのようなくらい一冊。
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2015-10-8
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冒頭の猫、象、タツノオトシゴ、大ダコ、ダイオウイカに、ユニコーンなどの幻獣。今回の生き物描写はホントすごい。ユニコーンと娼婦のカットは美しいの一言。タツノオトシゴはホントに効くのかな…
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ローマ人はお風呂好き(笑)