- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784107722256
作品紹介・あらすじ
どこにでもいる普通の女子高生・小山ハルは、ある日交通事故に遭い、気づいたときには異世界に転移していた。チート能力も授けられず、男しか冒険者になれない状況で、ハルは酒場兼娼館『夜想の青猫亭』で働くことを決意する。同じく現代から転移した同級生・千葉セイジ、娼館で働く女性たちやハルに想いを寄せるスモーブとの出会いを経て、異世界に溶け込み初めたハルを待ち受ける運命とは……。Web上に掲載され、絶賛を受けた異色の異世界転生小説がついにコミカライズ!
感想・レビュー・書評
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⭐︎4.0
7巻完結。最後まで読んだ
異世界転生ものってファンタジーだし女の子でも日本みたいに安全に暮らせてる作品が多いけど、そこをどうかなって考えた作品で面白い。なんの技術も力も持ってない、サバイバル能力も無い、普通の、でもめげないギャルが異世界に行ったらどうなるのか。
主人公が強かなところが好き。
なろうで原作読んで最後まで知ってるからこそ、続刊が早く読みたくて待ち遠しくて、やっと6巻が読めて嬉しい。この作品は6巻まで一気読みしないとだわ。 6巻で本編は完結だけど、後日譚やこぼれ話の7巻も良かった。
これから読む人にはぜひ一気読みしてほしい。 -
成瀬巳喜男「女が階段を上がる時」みたいな昭和の銀座ホステスドラマや、吉原の女郎ものなど、過去の日本のドラマのエッセンスをうまくつまみ上げて、異世界転生もののカンバンを貼って企画したらこうなる、という作品。つまり一種の時代劇のようなもの。原作者がそういった過去のドラマをふまえているのか知らないが、うまくエッセンスを取り込んでいる。ただし1巻だけではそれ以上のものがあまり感じられない、つまり過去の名作を思い出させる以上の新機軸があまりないのは残念。続巻に出てくるのかもしれないけど・・・
つまり、江戸時代の女郎や、昭和初期の慰安婦や女給、戦後のホステス業界などといった既存の時代劇にみられる歴史的な設定を使うとナイーブなファンが引くため、異世界転生ものにしたのかも。新しい革袋に古い酒。 -
広告で見かけて、面白そうだってので購入。
エロ漫画とまでは言わずとも、設定が娼婦なので、なかなか尖った世界観。
ハルの強かさには感心させられます。強く生きろ… -
血生臭さはびこる異世界で、主人公ハルはなんのスキルも持たされず、元の世界でズルズルやっていた"身体を売る仕事"で生きていくことになる…
画力の高さに惹かれ読み始めましたが、内容がなかなかエゲツない。
異世界転生モノって主人公が俺ツエーしたりハーレムを築き上げる展開が多いと感じていたので、そんなお約束化した異世界モノへのアンチテーゼとも取れるブラックな内容です。
従来の俺ツエー主人公ポジションの同級生も登場し、彼の悦ぶ言葉を吐きながら腰を振るハルの独白は読んでてマジで虚しくなってきます。
もし現実に異世界転生があれば、ハルみたいに無力なままほっぽり出されるなんて事ザラにあるかもしれませんね。
辛い展開が多いので合間の女子トークにほのぼの癒されます。
この題材でどこまで息切れせず続いていくのか楽しみです。
「実はハルには隠されたチートスキルがあって後半は無双しまくる!」…みたいな展開はやだなあ。 -
小説版も好き。漫画版は初めて読んだ。絵が綺麗。小説では地の文で連連とハルちゃんの感情描写がされていたのが、漫画ではモノローグとして書かれていて面白い。彼女の考えていることを読むのが好き。
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なかなか面白い。一巻だけ読んだ。
男尊女卑の世界という、挑戦的なジャンルだ。 -
異世界に行って無双するでもなく、過酷で、自分のできる範囲で藻掻くことしかできない世界で、しかし悲観的にならずに生きていく少女の物語。
タイトル通り娼婦の話なので、娼館を舞台に、一緒に異世界へ飛ばされてきた陰キャ同級生に金で買われてセックスしたり、男尊女卑社会で娼婦を物として扱う厄介な客とセックスしたり、変な性癖を持った客に内心引きつつセックスしたりするところが「日常」として描かれます。
それを日常とした上で、娼婦同士の女子トークを楽しんだり、初心な客を(金づると思いつつも)微笑ましく思ったり、悲観的にならず、明るさを失わないのが良いですね。
元の世界ではギャルで内心結構口汚くて品がないことと、「この悲観的にならずに生きていく」という姿勢が同居している、このバランスが良いです。
「いかにも物語の登場人物」という嘘くさい明るさじゃないんですよね。
この後もその明るさが保たれていくのか、というところに興味があります。
また、異世界に飛ばされてきて過酷な生活を強いられているのに、序盤から元の世界を「向こう」と表現していることが衝撃でした。
異世界転生の物語が一般的になってきたからこの表現なのかな、それとも元の世界ではもう死んでしまったからこの表現なのかな。個人的に異世界転生系はまだまだ初心者なので、こういう些細なところにも驚いてしまいます。
妙な世界(しかも過酷)に飛ばされてきたら、元の世界に戻りたいじゃないですか、そして元の世界が自分にとって正しい世界だと思いたいじゃないですか、なら元の世界との縁を保ちたいという思いが元の世界を「元の世界」と呼称したくさせるように思えます。
しかし序盤から彼女は、「向こう」と表現する。
異世界が、この世界が、彼女の生きる世界なんだ。
そう思えました。 -
昔流行った携帯小説のような語り口。
『恋空』とかにリアルを感じる層のほうが、ハルに共感が持てるかもしれない。
そういう層が異世界転生ものを、それもハヤカワの原作やバンチコミックスの本作を読むかは分からないけど……。
私が子供の頃から触れてきたファンタジー作品は男女関係なく平等に冒険者が活躍してて、むしろ強くてかっこいいヒロインも多かった印象なので、「よくあるファンタジー異世界=当然のように男尊女卑」っていうのはちょっと違和感(特にオタクの千葉くんがそれを当然としてるのは……)。
まぁでもそこは「典型的なファンタジー異世界ではない、ガチ中世寄りの男尊女卑世界」ということでオリジナリティを感じます。
とはいえ、そんな超・男尊女卑世界で時に乱暴されたりしながらもたくましく生きるハルの性格は、さっぱりしてて気持ちが良い。
むしろこの世界観だと、売られて仕方なく娼婦やってる同僚ちゃんのほうが心配になっちゃうな……強く生きて……。