妖怪の飼育員さん 7 (バンチコミックス)

  • 新潮社 (2019年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ) / ISBN・EAN: 9784107722324

作品紹介・あらすじ

人から妖怪まで楽しめる娯楽、“お笑い”。有名芸人が、事務所を通さなかった営業先は、なんと…“妖怪”? これがホントの“闇営業”……。他にも煙々羅、砂かけ婆、石妖など収録。現代の「妖怪」と向き合う第7巻!

感想・レビュー・書評

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  • この『妖怪の飼育員さん』も、『からくりサーカス』や『終末のワルキューレ』と同じく、自分の感性を信じて、「面白い」と言える、言わせてくれる作品の一つ
    あくまで、私個人の印象だが、藤栄先生は、単に笑える「面白さ」だけではなく、読み手に自分の考え方を持たせるキッカケとなる深さも意識して、この作品を描いているように思う
    妖怪が単なる悪いヤツだったり、気軽に付き合える隣人だ、と断定せず、人の方が適切な距離感を保つことを意識しておかねばならない存在、と感じさせる表現は秀逸じゃなかろうか
    大抵の日本人なら知っている有名な妖怪から、こんなのがいるんだ、とビックリさせられる認知度が低めな妖怪も登場するので、それこそ、『奇異太郎少年の妖怪絵日記』と同じく、妖怪の事を知る入門書としてはピッタリかもしれない、と私は思う

    この(7)は、初っ端から、読み手をハラハラさせてくれた
    空中で激しい戦闘を繰り広げる餓者髑髏と蛟龍ってのは、私みたいなタイプの漫画読みの心をイイ感じに刺激してくれる
    前巻から出された、数多いる妖怪の中で最速は何なのか、って答えも出た
    まさか、姥ヶ火だったとは
    マッハ12って、それこそ、ウルトラマン達よりも速く飛べるんじゃないだろうか。それでいて、ソニックブームで周囲に、甚大な被害を発生させないってんだから、妖怪って、ほんと、不可思議
    助っ人ならぬ助っ妖怪の姥ヶ火さんの援護で、蛟龍の奪熱による行動強制停止に追い詰められていた餓者髑髏が押し返すって、戦いの流れも、これまた、セオリーを抑えていてくれて、グッと来る
    勝てる事が確定しているために、無駄に接近戦を仕掛けてこない蛟龍に対し、強力な威力の一方で有効範囲が狭い餓者髑髏が、荒っぽく見えて、実に理に適っているやり方で、戦意を喪失させるほどの一撃を喰らわせたのも見事
    トドメの一撃を刺そうとする餓者髑髏を制止し、蛟龍を逃す判断を下した鳥月さんの心、これにも強さを感じる
    この太い芯があるからこそ、彼女は大物感がある妖怪に気に入れられるのか
    そんな彼女の優しさに触れていく事で、餓者髑髏に、今後、どんな変化が起きていくのか、楽しみ。それこそ、会話が可能になるんじゃないだろうか、と期待している
    オチも、これまた、藤栄先生らしいものだった
    この作品を受験生が読んでいるのか、その辺りは微妙にしろ、予防の一手をきっちりと打っておくあたり、さすがの一言だ

    この(7)のラストでは、鳥月さんを気に入っている一体である神野さんが、人の姿を模し、妖怪園の職員として潜入している
    ほんと、これまた、私個人の勝手な印象だが、烏月さんは亞の正体が、神野さんだ、と察した上で、新人さんとして接しているんじゃないだろうか
    ぽやぽやしているようで、その手の勘が鋭い彼女なら有り得るんじゃないだろうか
    彼女を含め、多くの人間を知っていくことで、神野さんの意識に、どんな変容が生じるのか、この辺りも、今後、楽しみな一つ
    私としては、鳥月さんと同じくらい、大源さんと絡んで欲しい
    BL的な意味合いじゃなく、大源さんは、鳥月さんとはベクトルが違うにしても、妖怪からの信頼と信用をガッツリ掴み取っている人物
    この(7)でも、しっかりと出番を確保している大源さん
    ここまで、個性がブレず、自分がやりたいように暮らせる心の強さと強かさは実に羨ましい
    まぁ、同じ男として、「おいおい」と思う事はあるんだが
    神野さんに、「こいつぁ、只者じゃねぇな」と呆れられながらも、一目置かれるような活躍をしてもらいたいトコ

    どの回も面白かったが、個人的に、藤栄先生への好感度がドッカンと上がったのは、番外編「つぶらの方式」だった
    確実に、ヒロインの立場を強めてきている彼女の信念と言うか、揺るがぬモノが、この番外編で描かれている
    藤栄先生の、漫画に対する考え方はこうなのか、と知れたのも嬉しい
    押しつける感じはないが、ストンと嵌ったのも、これまた事実
    面白いモノは面白い、それでいいのだな、と思わせてくれたことに感謝
    果たして、これから、つぶらちゃんと地田くんは、どうなっていくのか、楽しみ
    つぶらちゃんの、中学生にしては過剰の感はある漫画愛に対して、驚かされながらも、ドン引いてしまったわけでもなさそうだ、この地田くんは
    アオハルなラブコメっぽくなるのであれば、それはそれで、大歓迎
    ただ、つぶらちゃんの単眼に映っているのは、今、意外な男らしさをちょいちょい発揮してくる大源さんっぽい
    ほんと、どうなるのかねェ

    この台詞を引用に選んだのは、深いなぁ、と感じたので
    困難に立ち向かっていくのに必要な勇気ってのは、怖いものがあるからこそ、心に生まれ、鍛えられていくモノだ
    悪い意味で、怖いもの知らずである人間の胸に巣食うのは、勇気ではなく、蛮勇もしくは無謀さだ
    世の中には怖いものがいっぱいあるし、自分なりに上手いこと折り合いをつけていかなきゃいけない事が溢れている、と自覚していなきゃ、人は己の傲慢さに溺れていき、いつか、手遅れになる
    まぁ、とっくに、越えちゃいけないラインを越えているのかもしれないが、人間は
    今なら、ギリギリ間に合うかもしれないので、人々が幸せで笑える世界を作るのが自分の使命だ、と信じているリーダーさんは、どうか、今一度、「怖い」って感覚を取り戻してほしいもんですね
    子供に悪い事をしちゃいけない、と教える時、堅苦しい説明をするのではなく、子供が自分で納得できる、なおかつ、「怖い」を知れるような説き方を、大人としてしたいんですが、これが実に難しい
    「妖怪っていうのは、人間が人知の及ばないものを恐れる事、その事実なんです。恐れるものが無くなったら、人間は傲慢になる一方ですよ。オバケがいなかったら、小さい子に夜更かしをさせないのだって、大変です」(by鳥月日和)

  • 悟色が可愛い。

  • 第7巻。なかなか印象的なエピソードが揃ってましたねー。
    ちんちろりの回では風刺がいい感じに効き、
    やろか水の「そう来るか!」感も面白いです。
    つぶらがひたすら某作品を語り倒す異色回も…(笑)。
    海御前のエピソードはほぼ「耳なし芳一」なんだけど、
    ネタがアレだけに恐ろしいお話でしたねー(^^;。
    物語全体を揺るがすような大きな動きはないながら、
    山本に「人間への理解が足りない」と言われた神野が
    見せる新たな動きが、今後の展開に
    どうつながっていくのかが楽しみです(´ω`)。

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著者プロフィール

■藤栄道彦・・・・・・

「2020年 『アンタゴニスト ④』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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