走れメロス;駈込み訴え―[録音資料] (新潮カセットブック D- 1-3)

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  • / ISBN・EAN: 9784108201439

感想・レビュー・書評

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  • 太宰は可憐だ!と言い続けてきた私。『駆け込み訴え』が好きなのは全面的に独りよがりだから。乙女かこいつは。かわいいなぁもう!

  • イエスに対する妄執に囚われ右往左往するユダを通してエゴイストが象徴的に描かれている作品。圧倒的とは言えぬまでも、ユダ目線でのキリスト教典を描いた作品として、読後は独特の余韻が残る。訴えの終盤にて、小鳥の囀りを聞いたことを告白する場面があるが、これはここまで一貫してエゴイストとして描かれてきたユダが、感情的な愛故に真のエゴイストとして自己中心に埋没してはいられなかった姿を象徴的に描いているのではないだろうか

  • なんだか狂った感じがちょっと面白かったけど、オチが酷かった。世の中カネですか、、

  • 好きです。この作品。
    独白に引き込まれます。
    ユダさん、重い。
    そしてとっても自分本位!

  • 誰の独白なのか知らない状態で読みたかった。途中気づいたとしても最後の名乗りで感じるカタルシスが違ったなあと。
    裏切った心理の独白を短編にするというテーマの切り方が凡人には思いつかない。
    ユダは非常に人間らしい(キリストに焦がれて狂う)のに宗教家キリストとの心の距離感が離れ過ぎて悲しかった。人間らしいのに罪を思ってだとしても生まれてこなければ良かった(作者の心理だとしても)と言われるとはなあ。

  • 「その人は、ずいぶん不仕合せな男なのです。ほんとうに、その人は、生れて来なかったほうが、よかった」
    語り手はエゴイズムの塊のような人間ですが、自分の愚かさや弱さもきちんと分かっているように感じました。
    人間の表層に現れた感情という結果に、全て因果関係が与えられているかというと一概にそうとはいえない。
    複雑で細かな人の気持ちというものを、ここまで精製し文章にできるのはやはり太宰だけだと思いました。

  • 「神の愛」に対する「人の愛」の痛切な告白。

    数えきれないほど読み返しているし、
    その度に、いくつものシーンで涙ぐんでしまいます。

    主人公は愚かなエゴイストですが、
    彼の愛のあまりの烈しさに
    「これはこれで尊い愛なのではないか」と思い、
    愛情とは何なのか考え込みます。

    ラスト近く、愛する人を売ろうとする主人公が
    小鳥の騒ぐ声をうるさく思うシーン。
    きっと、小鳥の声は、彼の中の最後の愛情が
    呼びかける声だったのだと思います。

    「天の父に分かってもらわなくても、
    ただ、あなたにさえ分かってもらえれば……」
    わがままで弱いこの主人公が、わたしは大好きです。

  • 青空文庫より。イエスの、ユダに対する「生まれてこない方が良かった」は優しさのような気がする。

  • ユダの視点からキリストを描く・・という発想が非常に興味深いです。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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