小林秀雄講演: 信ずることと考えること (第2巻) (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 2巻)

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  • Amazon.co.jp ・本 (2ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784108301337

感想・レビュー・書評

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  •  近代科学はすべてを測定しうるという前提の上で、成立している方法論である。しかし、それは測定不能なもの具体的には精神については全く無効なものなのである。精神の荒廃は明らかに近代科学信仰の結果である。両義的性格を認識しておくことが肝要である。

  • 日本人の誇り。ぐいぐいと話に引き込まれる。

  • 小林秀雄講演 第2巻―信ずることと考えること [新潮CD] (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 2巻)

  • 学生との対話 からのリファレンス。是非同書と併せて聞きたい至福の約2時間。奇しくもiPhone6の湾曲問題に分析を寄せて、いまふたたび注目を浴びるユリ・ゲラーの話から幕をあける。

    「心理学は発達したが、人格は発達していないじゃないか」「科学なんてたかだか 300年のものじゃないか」文字にすればキツいような表現ですが、寧ろ学生を諭す口 調が、先生の人格の大きさを強調してると感じました。

    「そもそも僕ぁね、教育なんてした覚えはないんだよ、子供ってのは真似をするのが上手ですからね」
    う~ん、ここんとこ聞いたCDの中で一番よかっ た。

  • Amazon、¥3356.

  • 科学批判とインテリ批判。これにどう反応するかで、人間性が問われるような。私にとって小林秀雄と言えば、「考えるヒント3」の「信ずることと知ること」であり、学生時代に何度も読み返し、その後の思考の指針となった文章。その元ネタとなった講演が、本人の口から語られるのを聞く事ができる日が来るとは。久々に感動しました。

  • なんだ、全てここにあったんじゃないか。

    僕が近年、何冊もの本を読んで感じてきたこと。
    ニューサイエンス、スピリチュアリズム、科学哲学、
    心身問題、情報汚染、認知心理学、クリシュナムルティ。
    みんな、このCD2枚で語られているじゃないか。

    さすがは池田晶子が師と慕い何度も聞きたくなるだけはある。
    まずこれを聞いていたら、どうなっていただろうかと考えると、
    きっと、何も理解出来なかったんだろうな。

    僕なりの参考文献を書いておく。
    [ニューサイエンス] 物質は波か粒子か分からないの件り
    タオ自然学
    叡智の海・宇宙
    ここまで来た「あの世」の科学

    [スピリチュアリズム] 精神と身体は平行していないの件り
    「意識の宇宙」のアリス
    ハワイに伝わる癒しの秘法

    [科学哲学] 科学は計量出来るものに限定したの件り
    哲学的な何か、あと科学とか
    99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

    [心身問題] 精神は計量出来ないの件り
    ユーザーイリュージョン
    脳はなぜ「心」を作ったのか
    錯覚する脳

    [情報汚染] 最近の本はくだらないの件り
    日本の自殺(文藝春秋)

    [認知心理学] 万人の知ることと個人の信じることの件り
    まずは親を超えなさい!
    苫米地英人、宇宙を語る
    うつ病克服最終手段「言霊療法」

    [クリシュナムルティ] 冒頭の船長と集団イデオロギーの件り
    子供たちとの対話
    自我の終焉
    生と覚醒のコメンタリー

    (まだ下書き)

  • 講演録.落語家みたいな語り口.
    信ずるということは、自分が信じていることについて信ずることで、間違っているかもしれないけれども自分の信ずることに対して、責任をとるということ.
    考えるということは、自身が身をもって交わるということ.対象と自分が親密になるということ.
    様々な話をしながら、上記2つの事柄の説明をしている.自身のものごとに対する態度を考えることとなった.

  • おもしろかった。知的エンターテインメント。

  • 圧巻。病み付きです。

    なんといっても話上手で分かり易く、それでいて恐ろしく深いことをおっしゃる。聞いていて単純に心地いいのにはっとさせられることが多すぎて、数え切れないほど聞いてるけどまだまだ聞きなおし学べる部分があるだろう。


    以下、抜粋

    「僕らはもう月にだっていけるんでしょ。それは科学が僕らの精神を非常に狭い意味(数値化できる経験のみ)に導いた、そのおかげなんです。僕らは行動の上で非常な進歩をしたってことです。だけど僕らは、生きていくための智慧って意味では、どれだけ進歩していますか?」

    「諸君はみんな、科学の奴隷ですよ。科学ってものを批判しなきゃいけないんですよ、理性は。あれの発達っていうのは必ず物的なものです。精神の上では全然発達しておりません。人間の人格なんてものはひとっつも発達していないです。」


    「魂なんてそんなもん、あるに決まってるじゃないですか。僕はちゃんとおばあちゃんを経験することが出来ます。出来る以上はあるんです、それを魂っていうんだよ。魂なんかみんな諸君のなかにあるんだよ」

    「(最近流行っている恋愛小説の類)あんなものはみんな言葉じゃないか。あんな小生意気なものを読むぐらいなら、どうして囚人が二人の子供を殺して死んだか、そういう話を、聞いてごらん。」


    「信ずるということは、諸君が諸君流に信ずることですよ。知るということは万人の如く知ることですよ。・・・信ずるってことは責任を取ることです。」



    自分は科学というものに毒されていたよう。
    自分を取り巻く世界観について、もっと根本的な部分を自ら考えなければだめだと実感した。世界はまだまだ多様で、決まったものの如く見えるのは頭が硬化しているだけのことなのだ。

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著者プロフィール

小林秀雄
一九〇二(明治三五)年、東京生まれ。文芸評論家。東京帝国大学仏文科卒業。二九(昭和四)年、雑誌『改造』の懸賞評論に「様々なる意匠」が二席入選し、批評活動に入る。第二次大戦中は古典に関する随想を執筆。七七年、大作『本居宣長』(日本文学大賞)を刊行。その他の著書に『無常といふ事』『モオツァルト』『ゴッホの手紙』『近代絵画』(野間文芸賞)など。六七年、文化勲章受章。八三(昭和五八)年、死去。

「2022年 『戦争について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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