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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784108301986
感想・レビュー・書評
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小林秀雄講演 第7巻―ゴッホについて/正宗白鳥の精神 [新潮CD] (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 7巻)
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正宗白鳥の精神が面白かった
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「文学ってのは自分の惨めさ・愚かさを告白する事なんです。それに共感できるか否か。個性ってのは己の宿命なんです。文学ってのはその己と戦っているか?戯れているか?で良し悪しが決まるんです。」
「先見の明なんてのは信用できない。一寸先は闇。コトワザってのは経験主義なんです。理屈・知識じゃないんです。人生をしっかり見る男はコトワザからは離れられない。もちろん批評家も。これがリアリズムなんです。」
小林秀雄の批評の師匠は正宗白鳥のみ。で、その師匠は内村鑑三との事。 -
ゴッホについても正宗白鳥についても面白い。
ゴッホって手紙が全部のこってたのか…弟さんGJ。
当然といえば当然なのだけど正宗白鳥時代のような昔の時代の人物との交流話が聞けることに、なにか不思議な気分になる。
ドナルド・キーン先生が語る日本文学者たちとの思い出を聞くのにとても似ている。 -
いやま、文学=小説となっているが、昔は小説なんて読むものではないとされていた。小説は文字通り小人の説であった。君子の話ではないので参照にしてもしょうがないと思われていたのである。で、なぜ小説が今日まで連綿と受け継がれ広く読まれるようになったのかという興味深い話から発展する魅力ある卓見の数々がすばらしい。
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小林秀雄の正宗白鳥へのオマージュ。
1枚目の「ゴッホについて」も悪くはないが、やはり2枚目の「正宗白鳥の精神」が秀逸。
語り口もアドリブが入ったりして自由闊達。落語以上の面白さがあり、何度聞いても聞き飽きることがない。
小林秀雄が師と仰ぐだけに、敬愛の思いが籠もっていて心打たれる。座談会の後で小林秀雄が酔っぱらって絡む話、川上徹太郎とともに正宗白鳥宅を訪れたが葡萄酒をなかなか飲ませてもらえなかった話、正宗白鳥が小学生の時に花見についての作文を課せられたことに触れた随筆「花より団子」に天賦の才能を見る話など、正宗白鳥の批評家としての純粋な精神が浮かび上がってくる。 -
「ゴッホについて」は必聴だな。ルノアールやセザンヌの書簡なんて読む必要はない、彼らの言いたいことはぜんぶ絵に表れている、ただしゴッホは違う、…と続き、ゴッホがテオにあてた膨大な手紙の話になり、彼の病気と個性の関連につながっていく。
以前に村上隆がどこかで、「小林秀雄さんていう人は、ゴッホの複製画に感動しちゃったそうですよ」なんて揶揄していたけど、芸術っていうのは梯子でいいんだと思う。昇っていくのは芸術(だけ)じゃなくて、自分の心なんだからな。
いつか時間ができたらゴッホの手紙を(英訳くらいで)ゆっくり読んでみたい。 -
会社の行き帰りに満員電車で何度も聞きました。
ゴッホの壮絶な生涯と個性についての話が本当に印象的。
その性格から、なりたいと思った牧師や家庭教師になれず、恋愛や友情もうまくいかず、最後はきちがいになって自殺したゴッホ。
そこから小林秀雄は言う。
「世間一般で言っているような個性、外見や性格なんてものは本来の個性ではない。あれはただ人と変わってるってだけ、むしろ特殊性です。そういったものはただ偶然に与えられているだけのものなんだ。どんな馬鹿にだってそんな個性ぐらいはある、皆それぞれの顔に個性的なものがあるように。
そういった特殊性というものは強制されたものであり、だからこそそんなものは屈服しなきゃいかんのです。芸術家の個性というものは努力の結果、そういった強制された個性を屈服したものです。そんなものを乗り越える精神こそが、本当の個性なんです。
優れた芸術家で自分の見た目を自慢したものなんていやしない。自分はこんな変わった外見や背景、性格を持っているけれども、こんな普遍的なことが言える、(人の心に訴えかけるようなモノが創れる)、それが本来の個性というものなんだ。
最近の風潮としての個性、ただ人と変わってるってことは、それぞれ癖があるように決して自慢できるようなものじゃない、変わってるものは征服しなきゃならんもんばっかりなんです。・・・」
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