夏の朝の成層圏

著者 :
  • 中央公論社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120013188

感想・レビュー・書評

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  • 2016/12/05 読了

  • 深夜、誤って船から転落し、太平洋の小さな無人島に漂着した主人公。自分がひとつの生命でしかないことを実感しながら島になじんでゆく。と描くと漂流冒険活劇のようだけど実際後半に物語りは変わってゆく。島の精霊を感じこの島の文明というものをしりそれが何なのか何だったのかを理解していく。やがて主人公は。。。。。
    これが実質的なデビュー作、信じられない。当時としてはかなり驚いた。

  • 前半は純粋に生きるだけの島での生活が陶酔さえも呼び起こす。後半はキューナードや精霊との交わりの中で次第に生きるだけ、を出来なくなった文明人の心の揺れが苦い。無関心に見えた渋い隣人キューナードの真相はちょっと嬉しくもあった。キューナードの友人たちがヘリでやってくるシーンは、その素敵な都会人らしいやり方がその島ではとても不相応に白々しく映るのが皮肉だ。生きるだけ生きていた人々が文明に捉えられていくのを幻視するヤシの気持ちも分かるし、キューナードの言い分も多分に同意する。ただ生きるだけ、に失敗したヤシの心中は苦いだろうが、その成層圏での生活は宝物のようだ。あ〜あとこれを読んでからは貝類が食べたくてしようがない!たまらん。

  • 南の島の精霊
    休息

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